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goumaのレビュー・評価・感想

憂国のモリアーティ / 憂モリ
8

あの数学教授が主役と言う切り口が新鮮に感じる

アーサー・コナン・ドイル氏が生み出した『シャーロック・ホームズ』シリーズに登場する切れ者教授「ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」を主役にした本作品。

作画は『サイコパス』シリーズ第1期のコミカライズを担当した「三好輝」氏であることからも注目する人は少なくないだろう、実際にウィリアムの見た目や行動が『サイコパス』シリーズのキャラクター「槙島聖護」に通じるものがある。作画も丁寧で男性陣は凛々しく又は美青年、女性陣は麗しいか可愛げがあって華やかだがモリアーティのやっている事は(標的は殆ど擁護できない悪党ばかりであるが)犯罪なので真っ黒というギャップが引き立っているので面白い。その犯罪だが第1話だけでもウィリアムの頭脳明晰ぶりが光るから恐ろしさが見えてくる。ウィリアムの兄・アルバートの依頼で彼の家族を殺害するだが要約すると「メイドの火の不始末による不幸な火災」に見せかけた殺人。検死などを視野に入れた上で殺しはしないが適度に負傷させる、ろうそくに細工をして火事を起こす布石など抜け目がない。更に弟のルイスは火事に見舞われた不幸な子供の演出のために敢えて火傷を負うというのだから、肝っ玉が強い。
そのウィリアムが自身の目的のために英雄役に選んだ「シャーロック・ホームズ」だが不良探偵の一言に尽きる。パイプではなくシガレットふかしているすがたはどこか新鮮さを感じる。彼もまた切れ者であるがハドソン夫人には家賃の事で叱られ、兄への苦手意識の強さを隠さないなどコミカルな一面も何度か見せているので愉快(?)な人である。ワトソンに度々振り回されているものの、基本的に仲が良いので微笑ましい。

きっと、うまくいく / 3 Idiots
10

誰もが抱える悩みに寄り添い、「きっと、うまくいく」と元気を与えてくれる作品

エンジニアになることを期待され、父親に頭が上がらないファルハーン(マドハヴァン)。経済的に苦しい家庭に生まれ、成績も金銭面もぎりぎりで大学に通うラージュー(シャルマン・ジョシ)。彼ら2人はインドのエリート工科大学で、決して自分の信念を曲げない、好奇心と探求心旺盛な主人公ランチョー(アーミル・カーン)に出会う。
ランチョーを中心に巻き起こる様々なヒューマンストーリーを、彼らの学生時代と、ランチョーが姿を消した10年後の世界とを行き来しながら、テンポ良く描いた作品。
3時間弱と映画としては少々長めだが、それを感じさせないくらいの面白さ。コメディ要素あり、インド映画らしいミュージカル調の歌って踊るシーンあり、喜びも悲しみも含んだ感動のシーンありで退屈しない話の構成になっている。
友だちや恋人、お金、勉学、仕事等、誰もが経験したことがあるような、人生の天秤にかけられないものに関する悩みに、思わず自分を重ね合わせながら見てしまう。この映画を見た人はきっと、自分にとって大切なものは何かを自分自身に問い、”all is well(きっと、うまくいく)"という合言葉を胸に、自分の信念に向かうモチベーションをかきたてられるだろう。

バハムートラグーン / Bahamut Lagoon / バハラグ
8

「みんなのトラウマ」と言われたドラゴン育成戦略シミュレーション

スクウェア(現スクウェアエニックス)が製作した、スーファミソフトとして表現される安定のハイクオリティドット絵が魅力的です。
ドラゴンを育成するというシステムが、当時すでにモンスターのドット絵に定評があったスクウェアの本領をいかんく発揮していて、育成ステータスによって異なる姿に成長するドラゴンたちの姿はどれも美しい、あるいは可愛いです。色物系もいます。

ドラゴンは強力なものの操作できず作戦指示だけができる状態なので、的確な作戦に設定しておかないとあっさりとやられてしまったり役に立たなかったり、経験値を吸われたりするのでその辺りの戦略も練るのが楽しい。

アイテム名も特徴的で、探索マップでは「タンスのアレ」という謎のアイテムなど、意味深な物が発見できます。私にはそれが何なのかわかりませんでしたが、わかる人にはきっとわかるのでしょう。

ファンの間では「みんなのトラウマ」と呼ばれているようで、そのシーンは確かに印象に残っていました。
ヒロインが主人公とのデートでサラマンダーに乗り「早いね!」と二人ではしゃいでいたシーンがあり、その後に彼女が敵にさらわれ、敵の将軍と仲を深めて将軍のドラゴンに乗り「サラマンダーよりずっとはやい!」とはしゃぎます。
幼い頃はそこまで感じませんでしたが、今思えばなかなか酷な展開です。

そんな展開があるおかげで、より「ドラゴンをパートナーとして大切にしたい」そんな風に思える他には無いSRPGでした。

塔の上のラプンツェル / Tangled
8

明るくてすてきな作品

2010年に放送されたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編アニメーション映画です。美しい映像と音楽がストーリーを引き立てます。
物語は中世のような架空のある王国が舞台。この国には太陽のしずくから生まれた奇跡の花があり、花は永遠の若さやケガを治す不思議な力をひめていました。魔女は長きにわたり花の力を使って永遠の若さを保っていました。
さてある日、王妃は出産直前に重い病気にかかり、医者の手におえない状態に陥ります。人々は奇跡を起こすという太陽のしずくから生まれた花を探します。ようやく見つけた花の力で王妃は回復し、元気な女の子が生まれます。
女の子の名はラプンツェル。奇跡の花の力は彼女の髪にやどっていたのです。それを知った魔女は真夜中にラプンツェルを隠れた塔の上に連れ去ってしまいます。ラプンツェルは魔女を実の母親と信じ、塔から出ることは決してありませんでした。
しかし彼女は、「外に出て、空飛ぶ光をこの目でみてみたい」というとても大切な夢がありました。
ラプンツェルが素晴らしいと思えるのは、彼女の勇気と力強さです。彼女は18歳になるまで塔の上でずっと一人暮らしをしていました。寂しい物語のようですが、彼女は明るくて狭い塔の中で工夫しながら人生を楽しんでいます。
そして夢を忘れず、自分の誕生日を「人生最高の日」にするため、外にでる一大決心をするのです。
最終的にラプンツェルは魔法の力を失うのですが、愛すべき人、そして離れ離れになった家族と再会をはたすのです。とても明るくて優しいラプンツェルは、見るものに勇気と明るい未来を与えてくれる気がします。

君の名は。 / Your Name.
10

邦画のアニメの新金星!期待以上です、是非観てください!

もともとアニメや邦画を好んでみるタイプの人間が観た感想としてお読みください。映画館、劇場での鑑賞も久しぶりでした。忙しい最中だったので、開演時間がそのときに合った映画がたまたまこの映画でした。報じられているCMを観た限りはどこにでもある映画だなというマイナスな印象だったので、友人からの期待以上だよという報告もありましたが、それでも期待は低めにして観賞させてもらいました。感想を一言でいうならば、”生涯忘れることのないほど素晴らしい映画”でした。ポイントは、1.ストーリー、2.描写、3.テーマ の3つが期待以上にしっかりしている点です。1.ストーリーは、”二人の人格が入れ替わり、二人の生きている時代が5年ずれているという設定、若い二人には、時も空間も遠く離れていながら恋心が芽生えていく。そして女の子の村に小惑星が衝突することを5年後の世界を生きる男の子が知り、衝突から避難を勧告することを行動に起こしていくというストーリー。それだけでなく、親子や家族、友人の絆、村の伝統、都会での生き方、社会問題なども織り交ぜられています。2.の描写について、監督の想いが伝わります。都会や自然の描き方、それぞれの土地で生きる登場人物の心情と風景の描写、特に光の描き方が美しい、太陽が2つあるような描き方など、虚偽風景だからこそ、インパクトと印象の残り方が強烈だった。監督のこのこだわりは、ご自身の学生のとき涙が自然と出てくる風景を見たという経験が映画やアニメの仕事のきっかけになったところからきているとのこと。3.のテーマについて、これは都会・自然を舞台にしながら、”人々が求めている何か”に気づかされるそして、見終わったときに、その何かに一人ひとりがそれぞれに気づいて、次の日から、歩きだせる勇気がもらえるようなテーマがSFと恋愛物語にのせています。私たちの現実を生きている生活は、何かと直接的であって考える時間も与えられていないほどせっかちですが、その毎日の中に、”当たり前の大切さ、大切な人”、”幸せに生きる”ことを考えさせられるテーマのように思えた作品でした。