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figueのレビュー・評価・感想

クロノ・トリガー / Chrono Trigger
10

鳥山明先生と堀井雄二先生がタッグを組んだ名作RPG「クロノトリガー」

「クロノトリガー」は日本で発売の大人気RPGのひとつです。
主人公クロノがひょんなことから時空を超える旅に巻き込まれ各々の時代で発生する事件を解決しながら進む大人気のRPGです。
これまでにもさまざまな媒体でのリメイクが刊行されました。
その魅力はゲームだけにとどまらず音楽CD、スピンオフ作品、小説などなど多くのメディアにわたりました。
原始世界、中世世界、現代世界、そして未来世界と大きく分けてこの四種類の世界を駆け巡りながら物語が展開していきます。
すべての世界の事件を解決させる、あるいは冒険途中で通うことになる場所から本作のラストボスと戦って勝てばエンディングになります。
当時のゲームとしては画期的なマルチエンディングが採用されており、ラスボスをいつどの段階で倒したかによってエンディングが変化します。
ゲームとしての人気もさることながら登場人物や仲間になるキャラクターも豊富で、
未来世界で仲間になるロボットや中世世界で仲間になるカエルなどバリエーションも豊かで、それがまたこのゲームの魅力だといえるでしょう。
SFCで初めて発売されてさらにPlayStation版、DS版、モバイル版とその人気から多くの機種での販売がなされてきた人気作品です。

ミッション:8ミニッツ
10

現実とパラレルワールドが絡み合う、複雑で切ないハッピーエンド。

米軍の大尉であるコルター・スティーブンスは目覚めると、自分が列車に乗っていることに気づきます。
目の前の女性が親しげに話しかけてきますが、彼女が誰だか全くわかりません。
混乱するコルターは、その列車がシカゴ行きであることを知ります。
コルターは自分の顔が、ショーン・フェントレスという教員のものになっていると気づきます。
動揺するコルターを落ち着かせようとする女性。その時、二人の乗っていた列車が爆発炎上します。

やがて目覚めたコルターは、自分の置かれている状況を徐々に知ることになります。
彼は列車爆破テロ事件の犯人を捜すため、事件に巻き込まれた乗客の、死の直前の8分間の意識の中に入り、あらゆる手立てを使って手がかりを掴むという任務を与えられたのでした。

…という衝撃的な展開で始まり、好奇心をそそるストーリーがテンポ良く進んでいく、2011年公開のSFサスペンス映画です。
理不尽にも思われるほどの過酷な任務を与えられる主人公。
何度も失敗を繰り返すその姿に、見る者は思わず手に汗握って声援を送りたくなります。
また主人公は物語の最初から、「父親と連絡を取らせてくれ」とさかんに訴えているのですが、終盤になってその切ない理由が明かされます。
その伏線が明らかになった時、この主人公がアフガンに派遣された兵士だという特殊な事情にあるとしても、ある程度年齢を重ねた人ならば、その姿に自分を重ね合わせる人は多いかも知れません。

物語の結末は、おそらくは「こうであって欲しい」と見る側が願うような、ある意味ハッピーエンドと呼んでもいいものになっています。
しかし、「ヒーローの活躍で悪い奴が逮捕されてみんな幸せ」という簡単なオチでは決してありません。
悲しい現実がある一方で、パラレルワールドでの幸福は続くという、実体はないけど幸福は確実に存在する、という複雑なエンドです。
それでも、見た後には切なさと清々しさが混じり合い、そして確実に「見て良かった」と感じさせてくれる、上質な作品に仕上がっています。

サカナクション / Sakanaction
10

サカナクションの魅力

サカナクションの音楽といえば、聞けば聞くほど歌詞や曲に引き込まれていく特徴があります。「新宝島」や「忘れられないの」などメジャーな曲で世間に知られていますが、大半の曲は1度聞くだけでは曲に素晴らしさに気付きにくいものがあります。作詞作曲はボーカルの山口一郎が手掛けており、独特に世界観が広がっています。歌詞の特徴として、不用意な英語の表記は意図的に避け、あえて日本語で作られています。一度聞くだけでは意味を捉えられないので歌詞を読むことになりますが、そこで曲全体で伝えたかったことが見えてきます。しかし、答えは一つではありません。その人の人生の背景により解釈が異なるため、その人それぞれに響くキーワードが出てくるというものです。各人が出した答えを共有することでまた違った聞き方になるので何度でも聞きたくなります。また、夜を表現する歌詞が多いため、人の心(闇)に問いかけてくるようなメッセージ性もあります。メロディーもまた独特で、いくつかの身近な音源を組み合わせて作られているので、1度でも聞くと耳に残ってくる部分が出てきます。すると、聞きたいという欲求に駆られて聞き直すと今度は歌詞の表現が気になってくるのです。これがまさにサカナクションの音楽の魅力です。
ファンになればCMやテレビのBGM等で流れているとすぐに気づくほど虜になるメロディーを持っております。ぜひ、サカナクションの音楽を試しに聞いてみてください。

フライング・ロータス / Flying Lotus
8

独自のビート感覚でジャンルを超越してリスペクトされるトラックメーカー

Flying Lotusはロサンゼルスを拠点として活躍するエレクトロニック・ミュージック及びヒップホップのアーティストである。
彼はデビュー直後こそJ Dillaを失ったアンダーグラウンドなhip hopシーンの次なる新星として注目を集めていたが、その後イギリスのWarp Recordsに電撃移籍すると、単一のジャンルに縛られないミュージシャンとして大きくステップアップしていった。
Flying Lotusの音楽性はヒップホップ、電子音楽、オルタナロック、ジャズ、R&Bなど多岐にわたるが、いずれも特異なビートセンスでもって紛れもなくFlying Lotusの音楽として纏められている。
コラボレーションしたアーティストを見ても非常に幅広く、レディオヘッドのトム・ヨーク、ラッパーのケンドリック・ラマー、映像作家のデヴィッド・リンチなど。
アルバムも作品ごとに音楽性は変化しているが、いずれも夢想的な世界観という点では共通している。ジャズをベースに壮大なスペースオペラを表現した3作目、無意識と夢の世界が広がる4作目、死後の世界をテーマとしたプログレロックに接近した5作目など、作品ごとのジャンルの違いに面食らうかもしれないが、彼の音楽性の根本は不変である。その世界観に魅力を感じるなら是非聞いてみて欲しい。

ポチクロ
8

炎帝と呼ばれる魔族と、人間の女子高生が出会い、魔王と戦ったりするお話。

魔族のクロは、ある日偶然にも人間の女子高生を釣り上げてしまいます。
魔族の住む世界で人間は、魔王でも手に入らない極上の御馳走であるため、クロは初めて目にする人間を食べようとしますが「人間には魔法が効かない」という事実を初めて知り愕然。
戸惑っている内に彼女は目覚め、クロに彼の部屋の冷蔵庫から即興で作った自慢の手料理を振る舞います。

これによって胃袋とハートをガッチリと掴まれたクロは、無自覚ながら彼女に惚れ込み、彼女を食べるのを止め、言葉が通じず名前がわからないため彼女にクロは「ポチ」と名付け彼女もそれが自分を呼ぶ名だと理解します。

先述の通り、人間はこの世界で魔王すら喉から手が出るほど求めても手に入らない極上の食材。人間を食べれば魔族は強大な力を手に入れられるとも言われており、実際に現在の魔王も150年前に人間を食べたことでその座についたと言われています。
そんな人間ポチの存在が魔王に知られてしまい、命を狙われることに。
魔法が効かないとはいえ、ただの人間で女子高生なポチは強靭で凶悪な魔族や魔獣に襲われたらひとたまりもありません。

クロは世界を、魔王を敵に回しても、炎帝と恐れられた力を惚れたポチを守るために発揮していきます。
気丈で明るく芯の強いポチと、彼女に惚れどんな相手からも守らんとするクロ。
全4巻の王道少年漫画作品です。

アルキメデスの大戦
7

戦艦大和の真実!?

人気俳優菅田将暉主演映画の「アルキメデスの大戦」。
邦画の戦争物は興行収入的に見てハリウッドの超大作物と比較するとどうしても見劣りする部分がありますが、冒頭からいきなりの戦闘シーンにまずは度肝を抜かれます。いきなりの迫力と沈没シーンは圧巻の一言でした。
天才数学者・櫂直役としての菅田将暉、顔だけではない魅力を存分に出してくれた作品となっています。
海軍少将・山本五十六役として参加した舘さんも渋い演技で花を添えます。
三田紀房の人気漫画を実写映画化した本作は、世界最大級の戦艦・大和の建造をめぐるさまざまな謀略を描く作品です。
上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。一種の見栄、まさに今現在の使えぬ上司や政府を彷彿とさせるはびこる腐敗。
山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂直を海軍に招き入れる。
実際は、その山本さえも少なからず陰謀や野望があるのですが…。

映画の流れで行くと、まずは戦闘シーンからスタートして、天才数学者が登場、大和の建造費を巡る陰謀を得意の数字を使って暴いていく知的な映画です。
「大和の建造にかかった本当の費用」「大和の主砲“46cm砲”の威力と実際の敵に当たる確率」「当時の日本の技術力」物語は史実に基づいたフィクションですが、本当の戦艦大和の建造計画を実に絶妙に絡めており、実際にこうだったのではないかと思わされる作品でした。
あの流れでいくと最後まで戦艦大和は建造されないのか?!という流れで進んでいきますし、陰謀や不正を暴いたところまでいくと山本の案である空母の方が実利があるようにだれでもわかります。
本当の最後で二人の設計者が交わした言葉が全てでした。
未来のため、戦艦大和(日本)が戦争に負けること。絶対的な大和が沈没して大敗をする意味、そこまで見据えた建造計画だったのか?!と、最後の最後に感心させられる内容でした。
完全に大人向けですけどね。