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独自のビート感覚でジャンルを超越してリスペクトされるトラックメーカー
Flying Lotusはロサンゼルスを拠点として活躍するエレクトロニック・ミュージック及びヒップホップのアーティストである。
彼はデビュー直後こそJ Dillaを失ったアンダーグラウンドなhip hopシーンの次なる新星として注目を集めていたが、その後イギリスのWarp Recordsに電撃移籍すると、単一のジャンルに縛られないミュージシャンとして大きくステップアップしていった。
Flying Lotusの音楽性はヒップホップ、電子音楽、オルタナロック、ジャズ、R&Bなど多岐にわたるが、いずれも特異なビートセンスでもって紛れもなくFlying Lotusの音楽として纏められている。
コラボレーションしたアーティストを見ても非常に幅広く、レディオヘッドのトム・ヨーク、ラッパーのケンドリック・ラマー、映像作家のデヴィッド・リンチなど。
アルバムも作品ごとに音楽性は変化しているが、いずれも夢想的な世界観という点では共通している。ジャズをベースに壮大なスペースオペラを表現した3作目、無意識と夢の世界が広がる4作目、死後の世界をテーマとしたプログレロックに接近した5作目など、作品ごとのジャンルの違いに面食らうかもしれないが、彼の音楽性の根本は不変である。その世界観に魅力を感じるなら是非聞いてみて欲しい。