アルキメデスの大戦

アルキメデスの大戦のレビュー・評価・感想

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アルキメデスの大戦
10

とにかく圧巻!!!

菅田将暉さん主演のアルキメデスの大戦…いつもであれば洋画視聴が多いため邦画はあまり映画館へ足を運ばないのですが、今回は何故か面白い予感しかなかったためすかさず視聴!やはり面白かったためレビューさせていただきます。

数学科の元学生が日本という国を救うために日本各地動き回り様々な物を図っていく!その名の通り図りまくりなのです。
まず開幕が巨大戦艦大和がアメリカ軍と戦うシーンからスタート。CGなのは理解していましたが、日本特攻兵の必死な戦い虚しく大和と共に沈没していく様は悲惨でありながらも魅入ってしまいました。
時は戻り12年前。国が新しい戦闘用の船を作る海軍の会議にて、今後の戦争では空母が多くなると予想した船を提案する者たちと大日本帝国の象徴と言えるデカく美しい戦艦を提案した者たちとで議論が勃発。会議はおわらず最終的な決定打は船を作る経費の少なさで決めるという話に。
結果としては1000万円差で戦艦の勝ちになりかける。明らかにでかい戦艦の方が高くつくのになぜそんなにも安く作れるのか?
戦艦ができることで負けることを知らない日本人は更に調子に乗り悲惨な戦争を招いてしまう…
ただそれを暴くにも船の経費計算は最低でも3週間近くかかる作業で、最終決定会議は2週間後。時間が間に合わないと嘆く空母派の人達はある飲み屋で数学科の元学生と出会い、そんなこんなでその元学生が天才的な計算暗記能力でストーリーが進んでいく。

私としては菅田将暉さんがとにかく大日本帝国男児として似合いすぎてて、衣装や仕草全て素晴らしかったのも称賛のひとつです。
演技もやっぱり上手かった!!
舘ひろしさん、笑福亭鶴瓶さん、小日向文世さんなどなど有名キャストも勢ぞろい。
柄本佑さんの早口な口調と敬礼の綺麗さも必見です。
見所がたくさんありすぎて、多分Blu-rayを買う勢いではありますが、それくらいラスト15分も怒涛過ぎて身体が震えてしまいます!
邦画のそういったお話は難しいと考える方がいるかもですが、ちゃんと分かりやすくなってますのでご安心を!
皆様興味がありましたら是非視聴してみてくださいね!

アルキメデスの大戦
9

映画「アルキメデスの大戦」-哀し過ぎる末路

太平洋戦争に向かう時代の流れの中、海軍は新しい艦船建造を計画する。これからの時代、どのようなものが本当に作るべきものか。これからは飛行機・空母が主力になっていくとする山本五十六一派と、世界に類を見ない、日本の象徴とも言える戦艦を作ろうとする平山忠道一派が激しく対立する。
山本五十六は巨大戦艦建造費用が安すぎることに疑問を持つ。そこで軍人嫌いの元帝大数学科の天才、櫂直(かい・ただし)を、その大きな人間的包容力で味方に引き込み、本当の建艦費用を算出させようとする。この櫂直の天才的・奇人的活躍ぶりが映画の中心となる。タイムリミットは約二週間。数学の天才ではあるが、戦艦設計の素人の櫂直に出来るのか。戦艦建造派はあらゆる妨害をしてくる。軍の機密であることを理由に必要な資料は見ることが出来ない。資料が見られるところを探して飛び回る。そこにちょっとした恋愛ドラマも絡んでくる。約二週間先のはずであった第二回の建造艦会議が突然早まる。櫂直はどう切り抜けるのか!そして、最後に語られる平山忠道の深謀遠慮の哀しい本心とは……。
手を握りしめ、タイムリミットに向けてどんどん進む画面に食い入ること請け合いである。終戦記念日を前に是非、見ておきたい作品である。

アルキメデスの大戦
7

戦艦大和の真実!?

人気俳優菅田将暉主演映画の「アルキメデスの大戦」。
邦画の戦争物は興行収入的に見てハリウッドの超大作物と比較するとどうしても見劣りする部分がありますが、冒頭からいきなりの戦闘シーンにまずは度肝を抜かれます。いきなりの迫力と沈没シーンは圧巻の一言でした。
天才数学者・櫂直役としての菅田将暉、顔だけではない魅力を存分に出してくれた作品となっています。
海軍少将・山本五十六役として参加した舘さんも渋い演技で花を添えます。
三田紀房の人気漫画を実写映画化した本作は、世界最大級の戦艦・大和の建造をめぐるさまざまな謀略を描く作品です。
上層部は世界に誇示する大きさを誇る大和の建造を支持していた。一種の見栄、まさに今現在の使えぬ上司や政府を彷彿とさせるはびこる腐敗。
山本は大和の建造にかかる莫大な費用を算出し、大和建造計画の裏に隠された不正を暴くべく、天才数学者・櫂直を海軍に招き入れる。
実際は、その山本さえも少なからず陰謀や野望があるのですが…。

映画の流れで行くと、まずは戦闘シーンからスタートして、天才数学者が登場、大和の建造費を巡る陰謀を得意の数字を使って暴いていく知的な映画です。
「大和の建造にかかった本当の費用」「大和の主砲“46cm砲”の威力と実際の敵に当たる確率」「当時の日本の技術力」物語は史実に基づいたフィクションですが、本当の戦艦大和の建造計画を実に絶妙に絡めており、実際にこうだったのではないかと思わされる作品でした。
あの流れでいくと最後まで戦艦大和は建造されないのか?!という流れで進んでいきますし、陰謀や不正を暴いたところまでいくと山本の案である空母の方が実利があるようにだれでもわかります。
本当の最後で二人の設計者が交わした言葉が全てでした。
未来のため、戦艦大和(日本)が戦争に負けること。絶対的な大和が沈没して大敗をする意味、そこまで見据えた建造計画だったのか?!と、最後の最後に感心させられる内容でした。
完全に大人向けですけどね。