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T_aoki7のレビュー・評価・感想

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
10

勇者の去った世界に、たった1人残されたエルフの少女の物語

『葬送のフリーレン』は、長い戦いの後に平和が訪れた世界を舞台にしたアニメです。主人公のフリーレンは、不老不死の魔女として、戦いから解放された後の人生をどう生きるかというテーマを探求します。彼女の旅は過去の戦友との絆、新たな仲間との出会い、そして自身の存在意義を見つめ直すことに焦点を当てています。

アニメはその独特な世界観と、キャラクターたちの心理描写に深みを持たせています。フリーレンの内面の葛藤や成長が、視聴者に共感を呼び、多くの人々を引き込む要素となっています。また魔法と剣の戦いが織りなすアクションシーンは、スリリングでありながらも美しく描かれており、ファンタジーの世界に没入させます。

物語の進行に伴い、フリーレンが直面する道徳的なジレンマや、彼女の長い生涯を通じての人間関係の変化が視聴者にとって考えさせられるポイントです。アニメはただのエンターテイメントに留まらず、人生の意味や時間の価値についての哲学的な問いを投げかけています。

音楽もまた、このアニメの魅力の1つです。背景音楽はシーンの雰囲気を高め、キャラクターの感情を表現するのに一役買っています。オープニングとエンディングの楽曲は、物語のテーマを反映しており、多くの視聴者に愛されています。

総じて『葬送のフリーレン』は、アニメファンにとって見逃せない作品です。その緻密なストーリーテリングと、感動的なキャラクターの旅は、多くの人々にとって心に残る体験となるでしょう。戦いの後の平和をどう生きるかという問いかけは、私たち自身の人生にも重要なメッセージを投げかけています。

Queen / クイーン
10

その肉まんのような身体を受け入れたQueenという存在

数年前、ミュージシャンのドキュメンタリー映画としては異例のヒットを飛ばした『ボヘミアン・ラプソディ』。
毎年、9月5日に六本木のハードロックカフェではコアなファン達によってフレディ・マーキュリー聖誕祭が行われる。
Queenの魅力とは何か。
久しぶりにQueenのMVをYouTubeで一気観した。フレ様の単独性が逸脱しかねないほど特出している。
ファッションだけ見ても他のメンバー3人とは明らかに一人だけ少しテーマがずれている(笑)
その受容性は、ファンたちの受け入れにも繋がっている。
私がQueenを好きになったのは、何を隠そうQueenのコピーバンドの方々をTVで観てからなのだった。
肉まんのような身体に白いランニングシャツとピタッとしたジーンズを着た男性が、ヒゲ面で声高らかによく聴いたことのある曲を歌っている。
確かこれはビールのCMソングかなんかだったはずだ。こんな方々が歌ってたのかと驚嘆して、コピーの元ネタである本家QueenをYouTubeで検索してみたのだった。
似ても似つかない…。ランニングシャツや、ピタッとしたレオタードを着ている人が歌ってはいるのは明らかだけれども…!
このコピーバンドは、本物Queenのメンバー、ブライアン・メイから正式なコピーバンドとしての証明書をもらっているとTVで明かしていた。
この受容性は、Queenの魅力として彼らを構成する上でも欠かせない要素であると言えるであろう。
聖誕祭でガチコアファンの方々が、ファン歴8年ほどの筆者にも分け隔てなく接してくださるのは、このQueen精神を受け継いでいるからなんだということが年を経るごとにわかってきた。

ホワイト・ライズ
8

ひどい登場人物

過去と現在が交錯するサスペンスラブストーリーです。結婚を目前に控えた男が昔の恋人を見かけて、みたいな話です。すれ違いで別れた恋人ってのもいるでしょう。でも、それに固執して、今の人と別れるとか、迷惑な話です。私はふられた方に同情します。なんなんだ、あの男はって感じです。女の方も女の方で、ひどい女です。友達からの伝言を伝えなかったり、彼のことを知るために彼の友達話と付き合ったり、よくそんなことできるなってかんじがします。ルークの気持ちを考えると、はあと叫びたくなります。というように、登場人物にあまり感情移入できない作品ですね。あまり入り込まない作品でした。でも、恋愛ってこういうものなのかもしれません。一応、恋は人を残酷にする的なテーマもあったみたいなので、それには合っている話です。携帯電話がある今、そんなことは起こらない気もしますが、昔は伝言が伝わらず離れ離れというカップルもいたのかもしれません。ジョシュ・ハートネットはかっこよく、ダイアン・クルーガーもきれいでした。そこは満足ですが、話の内容はあまりおすすめできるものではありませんでした。サスペンスとしては、いいのかもしれないです。あ、彼女と彼女は同じ人かとか、伏線回収できて楽しいかもでした。

再会の街で
8

印象的なセリフ

とても考えさせられる話でした。大切な家族をいっぺんに失った悲しみが、あれほど人の心を壊してしまうとは、テロへの憎しみが湧きます。もうなにも見たくないし、なにもしたくないという気持ち、わかります。周りから見たら、ゲームばかりしているし、誰とも付き合わないし、このままではいけないって感じがするけど、そういうプロセスが立ち直るには必要だったのかなと思いました。たしかに、誰かと話すのって大事だとは思うけど、自分に起きたこととか、事件の核心に触れなくても、話すことができない悲しみもあると思います。チャーリーが自分の悲しみを吐露したセリフがすごく印象的でした。「街の人全員が家族に見える。トイプードルを飼っていたのに、大型犬でも、トイプードルに見えるんだ」と。このセリフに涙が出ました。そうか、だから周りを見たくなかったんだ、それは辛いよねと思いました。アランは、大学時代のルームメイトであるチャーリーと再会して、変わってしまった彼を立ち直らせようといろいろするけど、ただ一緒に行動するのが一番効いたんじゃないかな。家族のことを思い出すのも辛いチャーリーにとっては、故妻の両親と一緒にいるより、家族のことを知らない昔の友達といる方が気楽だったのかもしれません。最後はチャーリーが前を向いていることを示す行動として、まあ、いい終わりだったのではないでしょうか。新しい恋、安易な感じもしますが、そういうもんだと思います。

夏目アラタの結婚
9

殺人鬼に心動かされるとは…。

物語は、連続バラバラ殺人事件の容疑者の女『品川真珠』と、児童相談所職員で男気がある性格の男『夏目アラタ』が出会うところから始まります。
なぜ猟奇的殺人を犯したのか?どのような生い立ちなのか?そもそも人を殺したのか?
そういった色々な疑問の答えを知りたいと思い探る夏目アラタと、そんな思いを逆手に取り自分に有利な展開へと持ち込む品川真珠の心理戦が繰り広げられていきます。
設定から想像すると品川真珠の闇や過去を暴いていくだけのお話かと思うのですが、実際は違います!
想像とは裏腹に、品川真珠と接していくうちに『夏目アラタ』の心の奥底に眠っていた感情があらわになっていくんです。
夏目アラタが心を開いていくのに従って品川真珠も少しずつ夏目アラタに懐いていき、信頼関係が深まっていく様子は読んでいてドキドキします。

あとはやっぱり絵がとても綺麗です。
品川真珠はコロコロ表情が変わるキャラクターなので見ていて飽きなくて、たまにその変顔にクスッと笑わされることもあります。
そして、あらすじを読んだだけでは伝わらない猟奇的殺人鬼ならではの“凄み”のようなものが伝わってきます!
私はそんな調子で1巻を読んだ時点で気づいたら全巻買っていました(笑)。

A.I.
10

これは泣く。何回観ても泣く。

人工知能搭載の少年型ロボットが、母の愛を求めて長い時を旅する感動のストーリー。近未来の世界を舞台に、少年型ロボットのデイビッドが、息子を失ったある夫婦のもとへ「子供の代用品」として送られる。少しずつ受け入れられていくデイビッドだが、奇跡的に夫婦の実の息子が蘇生したことでデイビッドは居場所を失い、捨てられてしまう。デイビッドは「本当の人間の子供になれば母に愛してもらえる」と信じ、かつて母に読んでもらった絵本『ピノキオ』の中でピノキオを本当の人間の子供に変えてくれたブルーフェアリーを探し、本当の人間の子供にしてもらうための旅に出る。
旅の仲間で、自ら歩き言葉を話すクマのおもちゃ・テディと、女性をエスコートする人間型ロボット・ジョーのキャラクターも愛らしく、物語への感情移入に一役買っている。スティーヴン・スピルバーグ監督が描く近未来の街の風景も冒険心を掻き立ててくれる。
科学の力であらかじめインプットされた「愛」。その「インプットされた愛」が人間の心を動かしていくストーリは、涙なしには観られない。
デイビットが母親とベッドの上で幸せそうに眠るラストシーン。
私はこれまでに3回観て、3回ともボロボロ泣いてしまった。