再会の街で

再会の街でのレビュー・評価・感想

New Review
再会の街で
8

印象的なセリフ

とても考えさせられる話でした。大切な家族をいっぺんに失った悲しみが、あれほど人の心を壊してしまうとは、テロへの憎しみが湧きます。もうなにも見たくないし、なにもしたくないという気持ち、わかります。周りから見たら、ゲームばかりしているし、誰とも付き合わないし、このままではいけないって感じがするけど、そういうプロセスが立ち直るには必要だったのかなと思いました。たしかに、誰かと話すのって大事だとは思うけど、自分に起きたこととか、事件の核心に触れなくても、話すことができない悲しみもあると思います。チャーリーが自分の悲しみを吐露したセリフがすごく印象的でした。「街の人全員が家族に見える。トイプードルを飼っていたのに、大型犬でも、トイプードルに見えるんだ」と。このセリフに涙が出ました。そうか、だから周りを見たくなかったんだ、それは辛いよねと思いました。アランは、大学時代のルームメイトであるチャーリーと再会して、変わってしまった彼を立ち直らせようといろいろするけど、ただ一緒に行動するのが一番効いたんじゃないかな。家族のことを思い出すのも辛いチャーリーにとっては、故妻の両親と一緒にいるより、家族のことを知らない昔の友達といる方が気楽だったのかもしれません。最後はチャーリーが前を向いていることを示す行動として、まあ、いい終わりだったのではないでしょうか。新しい恋、安易な感じもしますが、そういうもんだと思います。