5jfmragio30@5jfmragio30

5jfmragio30
5jfmragio30
@5jfmragio30
4 Articles
5 Reviews
0 Contributions
0 Likes
5jfmragio30

5jfmragio30のレビュー・評価・感想

Otyken
10

シベリア発!世界へ発信する民族音楽

シベリアはロシア内のアジア地域である。シベリアには様々な先住民グループが住んでおり、その人口はシベリア総人口の約10%と言われている。いくつかの先住民族はネイティブアメリカンと関連しているとも言われており、その言語や文化・外見も多種多様だ。

そんなロシアシベリアの先住民音楽を、現代的にアレンジし世界に向けて発信しているのがロシアにあるシベリアは、ロシア内のアジア地域である。シベリアには様々な先住民グループが住んでおり、その人口はシベリア総人口の約10%と言われている。いくつかの先住民族はネイティブアメリカンと関連しているとも言われており、その言語や文化・外見も多種多様だ。

そんなロシアシベリアの先住民音楽を、現代的にアレンジし世界に向けて発信しているのがOtykenだ。もし日本語で発音するならばオートゥーケンとなるだろう。Otykenの意味は、ロシアの先住民族であるチュリム族の言葉で「戦士の友情と連帯」を意味するそうだ。

Otykenの楽曲はロシア語の他に、ハカス語とチュリム語で歌われている。先住民族の衣装を現代風にアレンジして身にまとい、口琴を鳴らす彼らの姿は、日本人ならよく知るアイヌ族の姿に酷似している。Otykenが着る民族衣装に刺繍された紋様はアイヌ族伝統の紋様と見間違うほどだが、遺伝的にもチュリム族とアイヌ族は関係が深いという見解もあるそうだ。

Otykenの奏でる旋律やリズムにもその片鱗を感じる事が出来る。さらにモンゴルのホーミーや馬頭琴も巧みに操り、Otykenの音楽を聴くと民族間の繋がりや歴史の流れを感じる事が出来るだろう。

姫様“拷問”の時間です / 'Tis Time for "Torture," Princess
9

読んでいるとお腹が空く!美味しそうで愛おしい癒しのコメディ漫画

『少年ジャンプ+』で連載しているギャグ漫画です。タイトルに「拷問」とついているため初めてこの漫画を知ったときには少しドキリとしましたが、悪い人間は1人も登場せず、誰も不幸にならないやさしい作品となっています。
作中に登場する「拷問」とは、B級グルメなどで主人公の姫を誘惑し、王国の秘密を聞き出すというもの。魔王軍に捕らえられている姫は、数々の死線を潜り抜けてきた第三騎士団の騎士団長。しかしそんな姫が、毎回魅力的な拷問に屈し、最後にはグルメを堪能してしまうというのがこの作品のお決まりのパターンです。
拷問には美味しそうな料理だけでなく、楽しいゲームや可愛い動物などさまざまなパターンが登場するため、読者は毎回お決まりの展開が来るとわかっていても飽きることがありません。また、主人公の姫サイドのストーリーだけでなく、拷問官の吸血鬼バニラちゃんや魔王様ファミリーなど他のキャラクターがメインのストーリーもあり、読み進めていくうちにキャラクターみんなが愛おしくなります。
基本的に何も考えずに楽しめる面白いギャグ漫画となっていますが、どのキャラクターも可愛らしく魅力的で、気が付くと魔王様を含めた全員に愛着がわいているという不思議な作品です。

天使のくれた時間
8

終わり方が素敵な作品

終わり方が素敵な作品です。
ビジネスで成功しクリスマスイブも仕事をしていたジャックは、全てを持っていると自負していました。しかし、もしも留学をせず13年前に別れたケイトと共に過ごす人生を歩んでいたら、というパラレルワールドへ迷い込みます。
このような、仕事ばかりしている男に恋愛をさせる映画は山のようにあります。
例えばキアヌ・リーヴスとシャーリーズ・セロン主演の「スウィート・ノベンバー」の場合、あくまで現実的な映画という設定なので シャーリーズ・セロンに奇抜な役柄を与える必要があり、そこが賛否の別れるポイントになってしまいました。
しかし、それに対し「天使のくれた時間」はファンタジーと割り切っているので自然に観ることができます。そして終わり方も非常に良かったです。安易に、愛する人と結婚することが最善だとか、仕事ばかりしているのは良くないだとか、一方的な価値観を押しつけることなく、ただ二人の時間を過ごすというのは非常に美しかったです。ファンタジーでありながら、シンプルなハッピーエンドにせず、ただ二人の時間を過ごすというのは、今まで有りそうで無かった結末かもしれません。
恋人同士で観る映画としては最適では無いでしょうか。

東風 / Le Vent d'est
9

セルフパロディであり、ビジュアルな実験でもあるゴダールの『東風』

『東風』は、1970年公開のジガ・ヴァルトフ集団名義の作品です。
この集団は映画製作のための過激な共同体で、コアメンバーはジャン-リュック・ゴダールとジャン-ピエール・ゴランでした。
ゴダールの経歴のこの時期のほとんどの作品がそうであるように、監督のクレジットは集団に帰属しており、ゴダール自身、あるいは他の個人の映画作家にはアトリビュートされていません。
ジガ・ヴァルトフ集団の映画の中で『東風』がとりわけ注目を集めたのは、ペーター・ウォレンの影響力のあるエッセイ「ゴダールとカウンターシネマ:東風」がこの作品に言及しているからです。
ウォレンは『東風』がブレヒトの原理「叙事演劇」が「カウンターシネマ」として映画に適用しうると主張しました。
映画の音声は、誘拐されたALCOAの重役の物語で始まりますが、次に筋書きは、革命的なシネマの歴史と政治的な文脈(マルクス-レーニン主義的な自己批判を含めた)、ハリウッドの映画産業に関する長々として講義の場面に転じます。
作品に登場するのは屋外の自然の風景とマカロニウェスタン風の人物たちです。
この2つの映画の構成要素はバラバラで映されることもありますが、相互に絡み合うこともしばしばあります。
サウンドトラックは時折り画面に現れる視覚効果に対応することもありますが、映画のビジュアルが提示するストーリーは会話と、サウンドトラックと重なり合い、時に競合する音声から成り立っています。

鋼の錬金術師 / ハガレン / Fullmetal Alchemist
9

錬金術師の兄弟の話

幼くして亡くした母親を生き返らせるため、兄弟は錬金術を独学で学び、人体練成という禁忌を犯した。
その結果、弟は体そのものを失い、兄は命からがら弟の魂を鎧に練成し、兄は最終的に片腕と片足を失った。
その後、まだ幼い兄弟が元の体を取り戻すべく、世界を旅する物語。
冒頭から絶望的な状況で物語が始まり、引き込まれてしまう。
その絶望の中でも、兄弟が前向きに進み続ける姿が印象的。
旅の途中で出会う錬金術師の中で、真理を求めるあまり、自分の研究を優先して、妻や娘を錬金術でキメラにしてしまうシーンは特にゾッっとしました。
人間の欲望や闇に触れるシーンも鮮明に描かれており、登場する大人が、主人公である子供に諭されるシーンなど、見ていて深く考えさせられる物語です。
登場する仲間達も、それぞれの意志や考え方の違いが明確にわかるようになっているので、非常に魅力的です。
敵役として登場する人物も、完全な悪役とは言えず、それぞれの信念を持って行動しているのがわかりやすく描かれています。
だから敵役の登場人物も非常に魅力的でした。
戦闘シーンもスピード感があり、見ていて飽きません。錬金術での攻撃もかっこいいです。
最終的には目的を遂げ、新たな旅に出ます。最後まで前を向いて歩み続ける兄弟が最高でした。
物語の始まり方、魅力的な登場人物、戦闘シーン、各章での深いテーマ、どれをとっても秀逸といわざるを得ません。
是非、おすすめしたい作品です。