22年目の告白 -私が殺人犯です-

22年目の告白 -私が殺人犯です-

『22年目の告白 -私が殺人犯です-』は、2017年6月に公開された日本映画。2012年製作の韓国映画『殺人の告白』を原作にリメイクしたスリラー映画である。主演は藤原竜也と伊藤英明が務めた。連続絞殺事件の時効から7年を迎えたある日、犯人を名乗る男・曾根崎雅人(藤原竜也)が突然、告白本と共に世間に姿を現した。なぜ今になって犯人だと名乗りでたのか。曾根崎の言動は日本中を翻弄する。

22年目の告白 -私が殺人犯です-のレビュー・評価・感想

22年目の告白 -私が殺人犯です-
6

「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」(2017)主演二人の圧巻の演技に引き込まれ、邦画サスペンスに目覚める

<作品概要・あらすじ>
22年前、残忍な手口で5人の命が奪われる連続殺人事件が発生した。
当時の担当刑事の牧村(伊藤英明)は、あと一歩のところまで犯人を追いつめるが、上司を手にかけられた上に犯人を取り逃がしてしまう。
事件は時効を迎えたが、曾根崎(藤原竜也)という男が突如その殺人事件の犯人であると告白。
殺人手記を発表し、派手なパフォーマンスと容姿から、日本中がその男に引きつけられ、日々メディアやSNSで拡散されていく。
曾根崎に熱狂する日本国民だったが、それは新たな事件のはじまりで…

公開:2017年6月10日
監督:入江悠
原作:韓国映画「殺人の告白」(2012)
出演:藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平

<レビュー>
藤原竜也といえば日本を代表する演技派俳優だが、「カイジ」などの作品の影響もあってか、演じる役どころは「クズ」「ゲス」なものが多いイメージだ。
この作品も、いきなり過去の殺人を手記にして発表しだすような男の役どころということで、どんな「クズさ」をみせてくれるかと期待した方も多いだろう。
たしかに物語前半の藤原竜也演じる「曾根崎」は、マスコミを引き連れて被害者遺族のもとへ謝罪に訪れたり、手記のサイン会をしたりと、なかなかトリッキーである。
しかし物語後半、その印象はガラッと変わる。
ここで重要なのが、伊藤英明演じる「牧村」とのからみだ。
牧村は22年前の事件から犯人を追い続けている刑事なのだが、実はこの曾根崎と牧村、真犯人をあぶりだすために手を組んでいたのだ。
この事実がわかる物語後半からは、藤原竜也の激情を抑えた演技が素晴らしく引き込まれ、感情移入させられる。
さらに物語前半の伊藤英明の周囲をだます演技力と、藤原竜也と同様、真犯人を追いつめるという執念と悲しみの演技が圧巻である。
最終的に2人の執念で真犯人はあぶりだされるのだが、この真犯人の動機が、犯罪だからこそ手放しで肯定できないものの観る人を考えさせるものだった。
この作品は、出演者の演技に引き込まれ、登場人物の感情にも感情移入することができる。
今まで邦画サスペンスに魅力を感じなかった人も、きっとその魅力に目覚める作品だろう。

22年目の告白 -私が殺人犯です-
8

テンポが良く、おもしろい

時効の成立した殺人について、俺が犯人ですと告白したことから起こるサスペンス映画です。
遺族にとっては時効が成立したことは忌々しいし、犯人が誰かは知りたかかったでしょうが、わかっても捕まらない、しかも、なんか人気が出てきたなんて、すごく苦しいだろうなと思いました。
まあ、藤原竜也は、端正な顔立ちですし、雰囲気がありますから、人気が出るのもわかる気がします。
でも、ひどいです。なんで今更、もっと早く言えよと思ったでしょう。
二転三転する話で面白かったです。
オチは途中でわかっちゃう人もいるとは思いますが、それでも、どちらにも取れるような演出なので、その巧みさが面白いと思います。
最後の方は畳みかけるように物語が進展し、すごくテンポがよかったです。
キャストも豪華でした。
藤原竜也さんはいつもの通り、変わった役ですごくはまり役でしたし、伊藤英明さんがすごいなと思います。
もう結構な年なのに、若い役で違和感がないし、すごいです。
もともとすごく込み入った話をよくまとめたなと思いました。
本作は韓国映画のリメイクだそうです。
その元の映画は見たことはないのですが、それも見てみたいと思いました。
藤原竜也と韓国の方の主役と、同じ感じの演技プランなのか、違うのか、とても楽しみです。

22年目の告白 -私が殺人犯です-
10

最後の最後まで想像ができない結末

これほど面白い映画はなかなかありません。
時効が成立してすぐに犯人だと名乗りあげた藤原竜也。世間は一気に彼に注目します。彼は連続殺人犯。遺族から命を狙われる心配から伊藤英明をボディガードに指名します。伊藤英明の妹も藤原竜也に殺された被害者の1人。
不本意ながらも担当をする伊藤英明。そんなこともお構いなしに藤原竜也はメディアに出まくります。
ここまではまぁ、よくある話です。しかし、この映画の面白さはどんでん返しです。
しかも、1度ではありません。犯人が藤原竜也、藤原竜也を憎んでいる伊藤英明。その関係は中盤には壊れてしまいます。
この2人の本当の狙いは。意外な繋がりに誰もが驚きます。これまでに遺族に挑発してきた藤原竜也。そして、その遺族の関係。
本当の犯人は藤原竜也ではないのです。
後半は真犯人を必死になって探す藤原竜也。本当の犯人はとても意外な人間でした。その事実は衝撃的でした。
そして、ラスト一件落着したと思いきや最後の最後にまたまた波乱が起こります。
これほど自分の推理をことごとく裏切る映画はなかなかありません。観た人誰もが騙されること間違いなしです。これほど内容の濃い映画はなかなかありません。
もう1度観なおしたくなる。そんな映画です。

22年目の告白 -私が殺人犯です-
9

テンポのよい展開に思わず引き込まれる作品

22年前、猟奇的連続殺人事件が起こります。しかし、犯人は捕まらずに時間は過ぎ、時効が成立してしまいます。奇しくも、時効撤廃の前日でした。それから、しばらくして、曽根崎という男が自分が犯人だと手記を発表します。曽根崎は見た目もよく、その衝撃的な内容から爆発的に本は売れます。中には「曽根様~」と黄色い声をかけるものまでいました。
その事件を追い、寸でのところで取り逃がした牧村という刑事がいました。曽根崎を追い詰め怪我を追わせたことから、標的になり自身も狙われますが牧村の代わりに先輩刑事が犠牲となります。そして非公式ながら、当時一緒に暮らしていた牧村の妹は行方不明のままでした。
その事件を追っていたもう一人の人間が仙堂というジャーナリストです。仙堂は自分のニュース番組に曽根崎と牧村を呼び、本当に曽根崎が犯人なのかを問い詰めます。そこにゲストとして、覆面をした男がやって来て「真犯人はオレだ」と動画を流します。牧村のアパートが爆破され、妹が殺されるところを録ったものでした。それを見た曽根崎は激昂し、男をペンで刺してから自分は犯人ではないことを告白します。
何のために?そして、真犯人は?主要な役者に実力があるので、最後まで引き込まれる作品でした。

22年目の告白 -私が殺人犯です-
8

待ち受ける衝撃的な結末に、きっと誰もが騙される!!!

2012年の韓国映画「殺人の告白」をリメイクした本作。アクション・サスペンス調の韓国版に対し、日本版は社会派サスペンスの要素が強く出ています。2010年以降、日本では殺人への公訴時効が撤廃されているため、この映画でもそのことがストーリーのひとつの要素として組み込まれています。
1995年、東京で起きた5つの連続殺人事件。警察は犯人の行方を必死に捜査するものの、手がかりひとつ掴めないまま事件は時効を迎えてしまいます。それから22年後。「初めまして。私が殺人犯です」派手なパフォーマンスとともに、堂々と自分を犯人だと名乗る男・曾根崎雅人が現れます。年齢に似つかわしくない若々しさと容姿端麗さ、世間の人々を魅了する自称・殺人犯は、22年前に起きた連続殺人事件の告白本を発表。この告白本はベストセラーとなり、一躍時の人となった曾根崎は日本中の人々を翻弄します。22年経った今、曾根崎が突然姿を現した理由は一体何なのか。彼は本当に未解決連続殺人事件の犯人なのか。告白本に秘められた、彼の本当の真意とは。映画の始まりから終わりまで、目を離すことが出来ないスリリングなサスペンス映画です。
ハラハラする怒涛の展開に、私自身も「嘘でしょ…」と、それ以外に言葉が出てきませんでした。最後の最後に絶句するほどの衝撃的な結末が待っています。

22年目の告白 -私が殺人犯です-
10

予想もつかない展開

最後まで予想もつかない展開でとても面白い映画です。
藤原竜也さんが演じる時効を迎えた殺人犯「曾根崎雅人」、伊藤英明さん演じる事件を追い続ける刑事「牧村航」、2人の迫力ある演技でとても素晴らしい作品となっています。
曾根崎雅人には殺害するときのルールがあります。そのルールは、近しいものに目撃させ、その人を生かしておくなどの、残酷なルールでした。見るに耐えない映像が多かったです。初めは日本中が時効を迎えた殺人犯の自伝本を買い、メディアも大々的に報道し注目します。メディアの恐ろしさも痛感しました。
ある日、曾根崎雅人は犯人ではなく、自分こそが真犯人だと名乗る者が現れます。その犯人は殺害当時の映像を持っている者でした。そこで、仲村トオルさん演じるジャーナリスト「仙堂俊雄」が曾根崎雅人や牧村航、自分こそが真犯人だと名乗る者を集めTVで生放送を始めます。結果は、曾根崎雅人は犯人ではなく、自分こそが真犯人だと名乗る者もネットで雇われただけで犯人ではなかったのです。その後、曾根崎雅人は仙堂俊雄の自伝本を読み、あることに気づきます。昔仙堂は仲間を殺害された経験があると書かれていたのです。この内容を知ったとき誰もが、犯人は仙堂だとわかるのです。最後の最後まで画面から目が離せず、夢中になってしまう作品です。