凪のお暇

凪のお暇

『凪のお暇』は日本の漫画作品。原作者はコナリミサト。秋田書店刊行の『Eleganceイブ』にて、2016年8月号から連載。2022年8月号に掲載後は休載していたが、2023年7月号より連載を再開。
大島凪は、都内で働く28歳のOL。常に場の空気を読み周囲に合わせて目立たず謙虚に振る舞い、くせ毛を時間をかけてストレートに整えるなど女子力の高い自分を作り上げていた。そんな人の顔色を見てばかりの凪は、彼氏の我聞慎二(がもんしんじ)の一言で過呼吸を起こして倒れてたあと、自分の人生を見つめ直し、仕事を辞め、家も引き払い、彼氏との連絡も断ち、SNSも辞め携帯も解約し、人生のリセットを決意する。逃げ出した先で新たに出会う人々に囲まれながら成長していく、凪の人生リセットストーリーである。
自分の意見を言えずに我慢してしまう人、周りの空気を読んで合わせてしまう人など共感の声も多数寄せられる。2019年にはTBSテレビの金曜ドラマ枠でテレビドラマ化された。大島凪を黒木華、我聞慎二を高橋一生が演じる。

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凪のお暇のレビュー・評価・感想

凪のお暇
9

大好きな作品の一つです。

主人公の大島凪(女/28)、会社では空気のような存在。
趣味は家で一回使った豆苗を育てたり、待機電力日々の『節約』に小さな幸せを見いだす地味なアラサー女。
お昼のランチでは常に同僚の話に同調しては、駄目だしをされ、マウンティングをされる。
でもそんな凪でも一つだけ自慢できる事、それは会社で王子様的存在の我聞慎二と付き合っている事。
冴えない毎日、ささやかな生活の日々、ずっと空気を読む事で自分をひた隠しに隠していた。
ある時、会社の残業中にひょんな事から彼氏の本音(?)を聞いてしまう。
『一回食べた後の野菜とか育てて何回も食べてるし、作るご飯も貧乏臭いし、そういうケチ臭い女は生理的に無理。アッチがいいから会ってるだけ!』
その出来事を機に、仕事も辞め、毎朝丁寧に伸ばし続けたサラサラヘアーも卒業し、お洒落な家具も捨て、都心2LDKから郊外の六畳一間への都落ちを選んだ。
28歳無職、不安は色々あるものの、色々なしがらみから解放された凪は本当のお暇を手にしたのであった。
クーラーも何もない家が、住んでいた家よりも遥かに快適で楽しい事に気付く。
日々日常の中にこんなにも幸せがあるんだとほっこりさせてくれるお話。
何気に感じているモヤモヤが、この本を読んだ事によって形になったような気持ちになる。
読めば読む程ハマる一冊でした。

凪のお暇
10

疲れたアラサーが共感できる漫画

テレビドラマで人気ですが、漫画の方が面白いです。
会社にいて笑いつかれて何のために生活しているのかわからなくなり、唯一の希望の彼氏にまでひどい一言を浴びせられ、何もかも捨てたくなる。一生懸命働いても他人の評価になり、趣味もなく、親族には結婚をせかされる。貯金もなく、友達とよべる友達もいない。作り笑顔に疲れて一気にはじける。はじけとぶ。今の生活をすてて、無になってみようと思い立つ。
そんな想いから始まる話です。28歳人生リセットなんてなかなかできません。リセットしたいって私も思っていました。何のために働いているのかわからなくなってきたときに出会った漫画です。
凪は東京のはずれに引っ越し、自分を見つめなおす機会がいっぱい。自分が悪いって思っていても、やっぱりどこかで擁護していて、他人が悪いから自分がこうなんだって思ってしまってます。
自分にもすごくあてはまりました。自分で踏み出せないことを他人のせいにしていたかもしれません。この人はこうなんだって決めつけていたかもしれません。今の自分に足りないものや自分の考え方について、凪から教えてもらえることがたくさんある漫画です。あと、凪の節約術から学べるものも多いです。豆苗を育てたくなります(笑)。

凪のお暇
7

自分を見つめることもできる漫画

『凪のお暇』は凪という主人公の女性が自分を見つめ直す物語です。
凪はとても人に気をつかう女性で、同僚にも彼氏にも毎日笑顔で接します。彼氏はもてるタイプの男性で、凪のストレートヘアーと作る料理がお気に入りです。しかし実は凪はくるくるの天然パーマ。それを隠すために毎朝早起きをして髪の毛の手入れをしています。彼氏は偶然それを見かけますが、「健気でかわいい」と思うのです。しかし、彼氏は素直に自分の感情を表現するタイプではなく、自分の友人に「あの女は身体が良いから付き合っている」という内容のことを話します。それを偶然聞いてしまった凪はすべてがどうでも良くなり、会社を辞めすべての交友関係を「断捨離」するのです。
無色になった凪はおんぼろのアパートで暮らし始めますが、そこのアパートの住人との出会いで、お金がなくても工夫をして人生を楽しむことを覚えます。彼氏は突然いなくなった凪をなんとか見つけ出すのですが、素直になれずに暴言ばかりで、凪に本音は伝わりません。
凪はアパートに住むDJと恋をしたり、母子家庭の子どもと仲良くなったり、貧乏でも人生を楽しんでいるおばあちゃんとの出会ったりしていくことで、心が豊かになるということの素晴らしさや、自分が無理をしない付き合いをすることの良さを知り自分らしさを見つけます。
読んでいると節約して人生を楽しんだり、公園で綺麗な景色を見たりすることの楽しさを思い出します。また元カレと凪のすれ違う恋愛模様もコミカルに書かれていてとても面白いです。

凪のお暇
9

誰もが持っている弱さを持った主人公

ストーリーは、主人公が仕事を辞めるところから始まります。
主人公の凪は空気を読むことに一生懸命なOL。頼まれたら嫌といえないし、人と違っていると心配になる。どういう行動をするのが正解?これがあってる?といつも不安。
そんな凪が唯一人に誇れるのが、彼氏の慎二。営業のエースと呼ばれる彼とは内緒の付き合いだけど、でもこれが凪の心の支えだった。
しかし彼が同僚に彼女の存在をこき下ろすのを聞いて、平穏な日常は崩壊。凪は仕事を辞め、携帯を解約し、アパートを引き払い都落ち。そうして、凪のお暇が始まる。
日本人は特に人と違うことが不安になりがちな民族だと思うので、主人公の凪に共感できる人は多くいると思います。特に昨今の普及したSNSは不安をあおるばかり。みんな何をしてるのか、自分がハブられてないか、楽しいばかりではありません。
そんな一切合切をいさぎよいほど捨ててしまった凪が、とっても羨ましくなるときがあります。
凪はすべてを捨てて、新たな価値観を少しずつ探していきます。お隣さんの母子との交流、近所の激安八百屋さんでのやりとり、就活中の女性との会話、たまたま入ったスナックのママやお姉さんたち、いろんなものが凪を変えていくのが面白いです。そして勿論恋愛も。
凪を追ってくる慎二に、入れ墨していてヤバそうなのに不思議に心惹かれる隣人ゴンなど、目が離せません。

凪のお暇
10

どこにでもいそうな現代女子の凪から目が離せない

さらさらロングヘア都内勤めのどこにでもいそうなOL・大島凪が、仕事や人間関係全てを捨てて一から人生をやり直すお話です。
独特な絵柄なので最初は敬遠しましたが、読み始めると止まりませんでした。どこにでもあるような設定で、主人公は漫画の主人公にはしないよねっていうような、暗くて大人しくてみんなの顔色ばっかり伺って愛想笑いを浮かべて合わせているようなキャラで新鮮です。
よくある漫画だったら、こういう暗い主人公はパッとしないけど実は底抜けのいい人っていう美談にいきそうなのですが、そうではなく保身に走ってみんなに合わせているようなところとか、そういう主人公みたいな女の子に悪気があるのかないのか多分無意識にマウント取っちゃう女子とか、ドロドロとまでは言いませんが普通に三次元の善人でも悪人でも無い普通の女子たちがよくやっているよねっていう内容がさらっと自然に描かれています。
凪の職場のメンツや仕事を辞めてからのご近所さんとか母親とかバイト先とか本当にたくさんのキャラが登場するのですが、どのキャラも善悪で判断できないリアルの人間に近い多面性がすごくうまく描かれており、一面だけを見て人を判断することの無意味さに気づかせてくれます。
今後凪がどんな新しい人間に出会い変わってどこに向かっていくのか自分のことのように目が離せません。

凪のお暇
7

空気を読み過ぎて疲れた方へ

主人公の凪は節約が趣味なOLとして都内で生活を送っていました。
社内では空気の読める女性を演じていて、SNSでいいねをしたり、ランチで複数の女性たちに付き合って食事をしたりしていましたが、そういったことに疲れて過呼吸で倒れて体を壊してしまいます。そのとき、凪は初めて「空気は読むものではなくて、吸うものなんだ。」と認識を改めるようになります。
凪には付き合っている同じ会社の営業部の我聞慎二という男がいます。彼は表向きは同僚などの前で凪のことを馬鹿にしたり罵倒したりします。そういったDVまがいのことをされた慎二にも愛想を尽かして別れてしまいます。しかし、慎二は凪の長くてさらさらな髪が好きで、凪の貧乏臭い手料理などを含めて本当は彼女のことが好きであったことに気付きます。凪の前では素直になれないだけで、本当は凪のことが好きだということを接待で使う店のキャバ嬢にも指摘されてしまいます。凪は会社を退社してボロ屋のアパートに引っ越しをして人生をリセットすることにします。凪の人生のリセット方法、誰でも挑戦できる節約方法など、こんなことを良く思いつくなと目から鱗な方法がたくさんあります。転居先の隣人のイベントオーガナイザーの男といい関係になったり、母子家庭の子どもと仲良くなったり、ハローワークで自分と同じような境遇の女性と友達になったり、様々な出会いがあります。凪と慎二の関係がどうなるのか、お暇機関で何を得るのか物語が楽しみです。

凪のお暇
9

今の生活に疲れた人にオススメ

この作品では、主人公の凪が会社でそつなく生きるために空気を読んで読みまくって倒れるところからスタートします。このころの凪の、周りに合わせなきゃって無理してしまうところにすごく共感しました…。きっと多くの人が私もこんなことある…って感じるところだと思います。心に我慢させすぎて倒れてしまいますが、そこから仕事を辞め、住居を変え、付き合っていた彼氏ともおさらばし、しばらくお暇することになります。それからはいろいろ見えてなかったものが見えてきたり、表情が豊かになったりと凪に明るさが出てきます。現実では、現状を変えたいと思っていてもなかなか行動するのが難しいと思いますが、凪は行動します笑 しかし、それでお話は終わりではありません。引っ越した先で出会った人たちにいろいろな形で影響されていきます。ここがこの作品の奥の深いところだと思います。最初は良い方に向かってると思ったところでもだんだん転落していってしまいます…。勤めていたころの元カレや、引っ越し先の同じアパートの住民、ハローワークに通う求職中の人、などいろんな人が凪の心に影響しています。そこで間違った方に進んでしまったり、意外なところで目が覚めたり、と現実でもありそうなことが起きます。この作品は身近に、もしかしたら自分にも当てはまることがあるような、等身大の物語だと思います。もし少しでも気になりましたら、ぜひ手にとって読んでみてください。

凪のお暇
10

頑張るアラサ―女子に読んでほしい!

本当はそう思ってなくても分かる~と同調したり、SNSチェックしてイイね押しまくったり、仕事を押し付けられても嫌な顔一つせず、、とにかく人に合わせて合わせて生きてきたアラサ―女子の話です。たいしてやりたいこともないけど、今の彼氏と結婚できれば逆転できると思ってはいたものの、そんな自分を変えたい!と仕事も彼氏も手放す主人公の凪。少しお暇をもらって、心の底から変えたいと思った人生を変えることが出来るのか?
誰もが感じている仕事や、人間関係での憂鬱を凪が代弁してくれるので、アラサ―女子ならきっと共感できると思います。今までになかった体験や、人との出会いを通して、感じたことにない気持ちになったり、行ったことにない場所へ行ったり、人に意見をいうことが出来るようになったりする凪を応援したくなります。また、一筋縄では変われない自分にやきもきしたり、新しい恋愛がうまくいかなかったりと、結構リアルなシーンも描かれているので、その葛藤すら共感できます。
お前は変われないよ、と登場する元彼氏、他にもそれぞれ悩みを抱える様々な人間模様が描かれ、周りの登場人物との関係も必見です。
そんな凪の唯一の趣味は節約。
漫画の中で、節約術や節約レシピも出てくるので、参考にするのも楽しいです。

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