誰もが持っている弱さを持った主人公
ストーリーは、主人公が仕事を辞めるところから始まります。
主人公の凪は空気を読むことに一生懸命なOL。頼まれたら嫌といえないし、人と違っていると心配になる。どういう行動をするのが正解?これがあってる?といつも不安。
そんな凪が唯一人に誇れるのが、彼氏の慎二。営業のエースと呼ばれる彼とは内緒の付き合いだけど、でもこれが凪の心の支えだった。
しかし彼が同僚に彼女の存在をこき下ろすのを聞いて、平穏な日常は崩壊。凪は仕事を辞め、携帯を解約し、アパートを引き払い都落ち。そうして、凪のお暇が始まる。
日本人は特に人と違うことが不安になりがちな民族だと思うので、主人公の凪に共感できる人は多くいると思います。特に昨今の普及したSNSは不安をあおるばかり。みんな何をしてるのか、自分がハブられてないか、楽しいばかりではありません。
そんな一切合切をいさぎよいほど捨ててしまった凪が、とっても羨ましくなるときがあります。
凪はすべてを捨てて、新たな価値観を少しずつ探していきます。お隣さんの母子との交流、近所の激安八百屋さんでのやりとり、就活中の女性との会話、たまたま入ったスナックのママやお姉さんたち、いろんなものが凪を変えていくのが面白いです。そして勿論恋愛も。
凪を追ってくる慎二に、入れ墨していてヤバそうなのに不思議に心惹かれる隣人ゴンなど、目が離せません。