どこにでもいそうな現代女子の凪から目が離せない
さらさらロングヘア都内勤めのどこにでもいそうなOL・大島凪が、仕事や人間関係全てを捨てて一から人生をやり直すお話です。
独特な絵柄なので最初は敬遠しましたが、読み始めると止まりませんでした。どこにでもあるような設定で、主人公は漫画の主人公にはしないよねっていうような、暗くて大人しくてみんなの顔色ばっかり伺って愛想笑いを浮かべて合わせているようなキャラで新鮮です。
よくある漫画だったら、こういう暗い主人公はパッとしないけど実は底抜けのいい人っていう美談にいきそうなのですが、そうではなく保身に走ってみんなに合わせているようなところとか、そういう主人公みたいな女の子に悪気があるのかないのか多分無意識にマウント取っちゃう女子とか、ドロドロとまでは言いませんが普通に三次元の善人でも悪人でも無い普通の女子たちがよくやっているよねっていう内容がさらっと自然に描かれています。
凪の職場のメンツや仕事を辞めてからのご近所さんとか母親とかバイト先とか本当にたくさんのキャラが登場するのですが、どのキャラも善悪で判断できないリアルの人間に近い多面性がすごくうまく描かれており、一面だけを見て人を判断することの無意味さに気づかせてくれます。
今後凪がどんな新しい人間に出会い変わってどこに向かっていくのか自分のことのように目が離せません。