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癒される絵本のような作品
森の中に住む小さな人たちと、動物や昆虫たちの物語。
メインの登場人物は北海道のアイヌの伝承に出てくるコロポックルのような小人族です。
小人が主人公の作品は、普通の人間との交流を描くものが多いのですが、この作品には普通の人間は登場しません。
主人公のハクメイとミコチを中心に、森での日常生活が描かれています。
日々の生活での、ちょっとした出来事が各エピソードとなっています。
面白いのは、ハクメイ、ミコチたち小人はもちろん、動物、昆虫を含めて社会を形成していること。
彼らは言葉でコミュニケーションをとり、それぞれ職業を持ち、お金を稼いでいるのです。
職業集団は種族に関係なく、ハクメイはイタチの大工に雇われています。
朝起きて仕事に行き、帰って来てご飯を食べてお酒を飲む。
ごく当たり前の日常が見ていて何とも穏やかな気分になります。
料理や食事のシーンではハクメイ、ミコチに対して野菜や果物が相対的に大きいので、これも見ていて楽しいですね。
作中に出てくるお酒は実際に飲んでみたくなりました。
設定はいろいろと謎な部分がありますが、気にしないで作品世界に浸ることをおすすめします。
絵本を見ているような、癒された気分になれます。