サマーウォーズ / Summer Wars

『サマーウォーズ』とは、マッドハウスが制作した長編アニメーション映画。細田守監督の作品で2009年に公開された。前作である2006年公開の『時をかける少女』のスタッフの多くが引き続き参加した。興行収入は16.5億円。主人公の健二の声優は神木隆之介が務めた。
舞台は長野県上田市。インターネット上の仮想世界で起きるサイバーテロと戦う主人公たちと、昔ながらの屋敷に集結した大家族の現実世界での奮闘が繰り広げられるストーリー。
第42回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門(Gertie Award)最優秀長編作品賞受賞。第41回星雲賞メディア部門受賞。その他多数の賞を受賞している。2010年に発売したBlu-ray Discの売り上げは初登場で週間ランキング1位を獲得。5.4万枚の売り上げは初動記録としては当時のアニメ作品1位。テレビ放送では、地上波でのテレビ放送だけでなく、CS・BSでも複数回放送されている。2010年にモバイルアプリ『サマーウォーズ~花札KOIKOI~』が配信された。作品中に敵と花札で戦うシーンがあり、そのシーンを題材とした花札ゲームが公開された。

サマーウォーズ / Summer Warsのレビュー・評価・感想

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サマーウォーズ / Summer Wars
6

夏休みっぽい話。

夏休みに憧れの先輩の田舎に行って、そこでとある騒動に巻き込まれるという話です。最初、ポスターだけを見ていた時は、まさかあんなデジタルな話とはわかりませんでした。私はあんまり仮想現実とかそういう面に疎いので、よくわからないところもありましたが、おもしろかったです。いろいろコンピューターで管理されているのは楽ですけど、そこが乗っ取られたら終わりですよね。何気なくしたことが世界を滅ぼしたかもなんてすごく怖いし、でも本当にありえそうなことだからやばいなと思いました。仮想現実での戦いを長野の田舎でするというのもギャップがあって面白い設定です。また、夏希さんがすごくかわいかったです。これは、男の人が好きになるタイプの女性だなと思いました。やっぱり、なんだかんだ言って、ヒロインに監督の好みって出ますよね。女の私からすると、あざといと思わなくもないですが、まあみんなが好きなのは理解できます。最後の花札のシーンは楽しそうだし、家族がたくさんいるのもいいなと思わせてくれました。デジタル社会の話でしたが、ちゃんと昔の夏休みっぽい要素もあって、この映画を見ると、子どもの頃の夏休みを思い出します。その青春映画っぽいところが受けている理由かなと思いました。

サマーウォーズ / Summer Wars
2

サマーウォーズが不満なのは私だけ?

どうしてもサマーウォーズが好きではない。主人公の見せ場があまりなく、ヒロインがまったくかわいくない。まずこの時点で応援したい状況にない。家族の絆を描きたいのだろうが、親戚のおばさんは1番若い嫁に家事をおしつけたり、警察官の親戚はPCを熱くさせないための氷を勝手に別の部屋に移動させたり、何それ?という行動ばかり。あまり良い人たちには見えないのに、最後のところだけ急に協力してきても、感情が追いつかない。家族の絆がすごいと言われても響かない。
描写の仕方もしっくりこない点があった。とくにおばさんが影響力があるという描写で、町中の電力が止まって混乱している中、関係各所に電話をしまくって、何か解決策を言うならまだしも、しっかりしなさい、頑張りなさいの激励だけ。電気が止まって、町中が混乱している様をリアルに書こうしているわりには、おばあちゃんの行動がまったくリアルでない。90過ぎのばあちゃんが、消防署や警察、政府に電話をして頑張りなさいだけで、わーすごいとなるのが、主人公たちにおばあちゃんのすごさをわからせるための雑な描写だとおもった。
まったく性格も見た目も可愛くなく、あまり話の大筋にも入ってこないヒロインが、最後あたりの花札のシーンにだけ急にでてくるのも納得できない。
全体的に腑に落ちない映画だった。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

夏になると見たくなる映画

まず、作画に注目してほしい。
細田監督の作品はデジモンや時をかける少女で幼い頃から目にしてきたが、独特の線のタッチや色使いがとても綺麗で、正直映画の内容よりも絵の印象がとても強いかも。

今作の特に印象深いシーンは、栄おばあちゃんが亡くなった後に家族みんなが薄暗い屋内の縁側に等間隔で座り、その背景にうんざりするほど綺麗な青空と大きな入道雲が描かれているところ。
私自身、田舎の原風景というものを正直見たことはないだが、なぜかこのシーンを見ると「ああ、懐かしい」と思えてしまうほど美しい作画。
夏になると必ず見たくなる映画たる所以はこのシーンの存在が大きいのかも…

また、細田作品には欠かせない王道の恋愛ストーリー、もちろん今回も登場。
パソコン部の冴えない根暗な高校二年生の主人公 小磯健二と、高校三年生で学校のアイドルのヒロイン 篠原夏希の甘酸っぱい恋愛ストーリー。
こちらも夏に相応しいキュンとさせてくれるシーンが盛り沢山なわけだが、特に印象的なのはやはりラストのキスシーン。

まず、栄おばあちゃんから物語序盤でもらった朝顔柄の浴衣を着た夏希が可愛すぎる。

そんな夏希とのキスを迫られた健二は、勇気を出すも鼻血を出してしまうというロマンチックというよりはコメディーチックなラスト。

いろんなシーンで夏を感じることができる面白い映画なのでおすすめ。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

サマーウォーズのレビュー

舞台は長野。ネット上のOZというシステムが社会基盤になっている世界。主人公の健二は数学が得意なこと以外は特に何もない普通の高校生。彼は高校の先輩である夏希の彼氏役として陣内家を訪れる。そこで過ごしているときに親戚の侘助が作ったラブマシーンというAIがOZを攻撃し世界中で混乱を起こしてしまう。健二はそのAIの暴走を止めるため陣内家の人たちと協力していくという物語になっている。健二は家ではあまり両親と一緒にいることができなかったが、陣内家の大家族に出会うことで家族の温かさ、家族の大切さを知ることになる。見所の一つは個性豊かな陣内家の親戚である。登場してくる人数はかなり多いがそれぞれの個性がかなり強く見ていて楽しい。また、ラブマシーンの暴走を止める準備の場面ではそれぞれが機材を準備するのだが漁船や軍事機材などかなり大掛かりなものが集まる。もう一つの見所は陣内家の人間性で、陣内家はもともと武士の家だったのですがその考えがしっかり受け継がれている。そのせいか、どんなに不利な状況でも決してあきらめず戦い抜くような人たちです。ラブマシーンによって人工衛星が落ちてくる場面でも全員で戦う姿に心を打たれます。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

日本最高峰のアニメ映画。「絆」を描く物語

後に「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」を制作する、実力派アニメ映画監督の細田守さんのオリジナル作品。

小磯健二と篠原夏希、後輩と先輩という弱い繋がりから物語が始まり、篠原の親族、祖母の知人、そして世界へ広がっていく展開に感動しました。

社会全体がインターネットへの依存性をより強くした世界で、夏希の親戚である侘助の作ったAI「ラブマシーン」が世界を混乱に陥れていきます。そんな中、陣内栄が知人たちへ連絡を取り助力を願うのは黒電話からというところが、「昔ながらの人と人とのつながり」の象徴のように感じます。
祖母の電話相手と会話している時のセリフは、相手が政治など広い分野で活躍している大物ばかりで、相手の態度から若い頃栄に物凄く世話になったこと、恩を感じているのを感じさせられました。
「あんたならできる」という、女優富司純子さんが担当した栄のセリフから受ける安心感は、昔の彼らもこの言葉に励まされたのでは、と想像されます。

格闘ゲーム世界一の池沢佳主馬が得意ジャンルでラブマシーンに敗北。
自分たちの生活全てを握るアカウントを賭けて、花札勝負を挑んだ夏希はラブマシーンを追い詰め、しかし反撃を受け、絶望したところで世界中の人々が夏希にアカウントを預けるシーンでは涙が流れました。

最後にはラブマシーンが陣内家に人工衛星を落とそうとするのですが、その軌道をずらすべく、国際数学オリンピックの日本代表の座も狙えたとされる健二が、脳を酷使し過ぎて鼻血が出るほどに自身の数学能力を発揮。見事に暗号を突破してわずかながらに軌道を変えることに成功し、さすが主人公!と唸りました。

ラブマシーンの送ってきた暗号をとき、世に放ってしまったと思ってしまっていた自分の解答に計算ミスが発覚、結果的に自分のせいではなかったということが判明するのも「計算ミスにより2位になった」という伏線を回収していて気持ちのいいラスト。

無駄なシーンが一切見当たらず、ここまで完成された映画を見ることはあまりありません。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

凄く良い映画

凄く良い映画でした。なにより脚本が本当に良い。「諦めなさんな、諦めない事が肝心なんだ、あんたなら出来る」おばあちゃんが電話で片っ端から励ましていた時の台詞クライマックスで、健二が画面に向かってる時聞こえないはずのおばあちゃんの声が聞こえる気がした。もし台詞を、おばあちゃんの声でほんとに被せたりしてたらダサかったけど、それをしてなくて、でも心に焼き付いているから見てるこっちの心に声が響く、素晴らしい計算。「お腹が減ってることと一人でいることが、一番いけない」「人生に負けないように、もし苦しい時があってもいつもと変わらず家族皆揃ってご飯を食べること」やってきた侘助と、世界の終わりの手前で、皆でご飯「食べてる場合なの?」「遺言だからな」みんなでご飯がどんなに大切か痛烈に伝わる皆でご飯は世界を救う。コダマ「ドイツの男の子のアカウント」が現れてからの一連の流れは、インターネットの恐ろしさと同時に存在するインターネットのポジティブな素晴らしい可能性に改めて気付かされた、インターネットがあるから僕らは、世界の裏側の人の顔を見られる想いを交わせる繋がれる。家がボロボロになってもお葬式でもHappyBirtndayを仲良く歌う家族そしてどこまでも続く長蛇の列お葬式は故人の生き様「大切なのは人と人が声を掛け合ってコミュニケーションを取ること」人と人の繋がりで闘うおばあちゃんの凛々しさ。サマーウォーズ夏の戦いといえば甲子園も同時進行で温泉と甲子園の実況がリンクしているのが面白かった。