前作のテーマの決着と新たなるテーマ愛を掲げたファン待望の良作『機動戦士 ガンダムSEED FREEDOM』
今回紹介するのは『機動戦士 ガンダムSEED FREEDOM』です。ネタバレ部分の核心はカットして、レビュー及び見どころを紹介します。
今作の主人公は、シリーズ第一作の『SEED』の主人公、続編の『SEED DESTINY』でも事実上の主人公として活躍したキラ・ヤマトです。
否定した遺伝子によって全人類の人生を管理する「デスティニープラン」を否定したキラでしたが、今作は新たな敵陣営が継承する形で「デスティニープラン」と対立します。
「誰かに自分の人生を決めてほしい」という人も多いということを大義に掲げる敵陣営に、自分自身の思いをぶつけながら戦うキラの姿が注目ポイントです。
本作の感想として、愛が強調された作品でもあるという私見を抱きました。本作のヒロインラクス・クラインはキラと恋人という公式設定ですが、前作までは恋人として仲睦まじく過ごす描写があまり描かれてはいない印象を持ちます。
今作では、敵陣営の中心人物が同じ能力を持つラクスヘ想いを寄せると同時に、キラのこれまでの行いからラクスと共にあるとを否定するシーンも。苦悩しながらもラクスヘの愛を明確化するキラ、そしてラクスがその想いにどう応えるのかという展開は、これまでのシリーズにはなかった新鮮さを感じてとても満足しました。
また、もう1人の主人公とヒロインにあたるアスラン・ザラとカガリ・ユラ・アスハにおいては、前作ではすれ違いが起こっており、両者の「愛」がどのような決着を迎えるのかについては、長年のファンの心配事。
この点がしっかり描写された点も個人的にはとても嬉しく。アスランとカガリの行方が気になる方は要チェックです。
味方陣営、敵陣営問わず様々な愛の描写が描かれており、戦いの中紡がれる愛の複雑さと想いに触れながら観ると感動を覚えます。
本作は『SEED DESTINY』から19年越しの新作になりました。制作決定後難産の末の作品であり、ファンの方も息を長くして待ちわびていました。
内容も前作の消化不良になったテーマに決着をつけながら、新しい愛というテーマを強調した魅力的な作品になっていますので、気になっている方は是非DVDや配信サイト等でご視聴なさってください。