Pink Floyd(ピンク・フロイド)の徹底解説まとめ

ピンク・フロイドとは1965年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンドである。その前衛的な音楽性とサイケデリックなサウンドは世界的な賞賛を得ている。哲学的な歌詞、実験的なサウンド、綿密な曲構成やユニークなライブパフォーマンスによって、彼らはポップ・ミュージックの歴史の中で最も成功した影響力の強いグループであると見なされている。作品の総売り上げは全世界で2億3000万枚以上を記録している。

Meddle(おせっかい)

01 One of These Days
02 A Pillow of Winds
03 Fearless
04 San Tropez
05 Seamus
06 Echoes"

1971年10月31日にリリースされたピンク・フロイド6枚目のアルバム。
シド・バレット脱退後のバンドが外部スタッフやミュージシャンの力を貸りずに自分たちのみで作り上げた作品である。メンバーのニック・メイスンはこの作品によって初めてピンク・フロイドがスタートしたと語っている。一番最後に収録されている曲「Echoes」は「Atom Heart Mother」に続く20分を超える大作でファンからも大変人気のある曲である。全英3位、全米70位を獲得している。

Obscured by Clouds(雲の影)

出典: i.scdn.co

01 Obscured by Clouds
02 When You're In
03 Burning Bridges
04 The Gold It's in the...
05 Wot's... Uh the Deal?
06 Mudmen
07 Childhood's End
08 Free Four
09 Stay
10 Absolutely Curtains

フランス映画「La Vallée」のために制作された1972年リリースの7枚目のアルバムである。
フランスのパリ郊外で2週間かけてレコーディングされた今作では多くの曲が5分以内のシンプルな作品である。
バンドの作品としてはあまり日が当てられない地味なアルバムだとされているが批評家からの評価は高い。
アメリカでのみ、「Free Four」がシングルカットされリリースされている。

The Dark Side of the Moon(狂気)

出典: stat.ameba.jp

01 Speak to Me
02 Breathe
03 On the Run
04 Time
05 The Great Gig in the Sky
06 Money
07 Us and Them
08 Any Colour You Like
09 Brain Damage
10 Eclipse

1973年にリリースされたピンク・フロイドの8枚目のアルバムである。
創設時のメンバー、シド・バレットの存在からインスパイアされ、「衝突」、「強欲」、「時間の流れ」、「精神障害」などをテーマとして扱った作品である。アルバムはリリース後すぐさま商業的にも音楽的にも成功を収め、ビルボードチャートのトップを獲得し、1973年から1988年までの741週間チャートに居続けた。お金のSEやミニマルなシンセサウンドが使用されているなど実験的な側面が多い。今作からは「Money」と「Us and Them」の2曲がシングルカットされている。

Wish You Were Here(炎〜あなたがここにいてほしい)

01 Shine On You Crazy Diamond (Parts I–V)
02 Welcome to the Machine
03 Have a Cigar
04 Wish You Were Here
05 Shine On You Crazy Diamond (Parts VI–IX)

1975年9月にリリースされたピンク・フロイドの9枚目のアルバムである。
ヒプノシスによる体が燃えている男性が握手をしているアートワークが有名である。
収録曲は全5曲で大作である「Shine On You Crazy Diamond」の2部作が1曲目と5曲目に位置しており、挟まれる形で他の3曲が収録されている。「Shine On You Crazy Diamond」はかつてのメンバーである、シド・バレットに捧げられた曲だと言われている。今作レコーディング中に変わり果てた姿のシドがスタジオに現れ、メンバーがその姿からすぐにシドだと認識することが出来なかったという話がある。

Animals(アニマルズ)

出典: prognote.net

01 Pigs on the Wing 1
02 Dogs
03 Pigs (Three Different Ones)
04 Sheep
05 Pigs on the Wing 2

1977年にリリースされたアルバムで全英2位、全米3位を獲得した。
小説家ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」に影響を受けたと言われる、人間を動物に例え社会批判するというコンセプトのアルバムである。これまでの浮遊感のある幻想的なサウンドは鳴りを潜め、オーソドックスなロックサウンドになっている。タイトルにあるように動物の鳴き声のSEが随所に使用されている。アルバムアートワークには南西ロンドンにあるバタシー発電所の写真が用いられている。

The Wall(ザ・ウォール)

Disc1
01 In the Flesh?
02 The Thin Ice
03 Another Brick in the Wall (Part I)
04 The Happiest Days of Our Lives
05 Another Brick in the Wall (Part II)
06 Mother
07 Goodbye Blue Sky
08 Empty Spaces
09 Young Lust
10 One of My Turns
11 Don't Leave Me Now
12 Another Brick in the Wall (Part III)
13 Goodbye Cruel World

Disc2
01 Hey You
02 Is There Anybody Out There?
03 Nobody Home
04 Vera
05 Bring the Boys Back Home
06 Comfortably Numb
07 The Show Must Go On
08 In the Flesh
09 Run Like Hell
10 Waiting for the Worms
11 Stop
12 The Trial
13 Outside the Wall

1979年11月30日にリリースされたピンク・フロイドの11枚目のアルバムで2枚組のコンセプト・アルバムである。
ロジャーウォータースを投影したと言われる本作の登場人物"ピンク"の人生を中心にストーリーが展開されていくロックオペラであり、ほとんどの曲をロジャーが1人で書き下ろしている。前作「Animals」のツアー時にロジャーが馬鹿騒ぎする観客に唾を吐きかけたことが発端で、観客とステージの間に壁を作り上げるアイデアを思いついた。今作のツアーでは実際にステージに壁を作りながらライブを行っている。全世界で3,000万枚を売り上げる大ヒット作品である。

The Final Cut(ザ・ファイナル・カット)

01 The Post War Dream
02 Your Possible Pasts
03 One of the Few
04 The Hero's Return
05 The Gunner's Dream
06 Paranoid Eyes
07 Get Your Filthy Hands Off My Desert
08 The Fletcher Memorial Home
09 Southampton Dock
10 The Final Cut
11 Not Now John
12 Two Suns in the Sunset

1983年にリリースされたピンク・フロイドの12枚目のアルバムであり、ロジャー・ウォータースが参加した最後のアルバムである。
前作「The Wall」に続き、ロジャーがアルバム制作の主導権を握り、ほぼ1人で作り上げており、ロジャーのソロアルバムであると揶揄されることが多い。制作中にロジャーと他のメンバーとの関係がどんどんと悪化していき、最終的にはロジャーが脱退し、バンドの活動を停止させようと目論み、のちに裁判沙汰になるほどの騒ぎになってしまう。これまでの作品と比べセールスは芳しくなかったが、イギリスではチャートで1位を獲得している。

A Momentary Lapse of Reason(鬱)

01 Signs of Life
02 Learning to Fly
03 The Dogs of War
04 One Slip
05 On the Turning Away
06 Yet Another Movie
07 Round and Around
08 A New Machine (Part 1)
09 Terminal Frost
10 A New Machine (Part 2)
11 Sorrow

1987年にリリースされたピンク・フロイドの13枚目のアルバム。
前作「The Final Cut」発表後、これまでバンドの主導権を握っていたロジャー・ウォータースが脱退。一方的にバンドの解散を企んだロジャーとの裁判を経て、新たにスタートした新生ピンク・フロイド第1弾のアルバムである。
今作からはロジャーに変わりデヴィッド・ギルモアがリーダーシップをとり制作されており、多くの外部ミュージシャンを起用している。デヴィッドはこれまで作詞経験がほとんどなかったため、ロジャーに似たシニカルな詞を書く作詞家を協力者として参加させている。
イギリスにある海岸に実際に700以上のベッドを並べた写真を用いたジャケットが有名である。

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