真月譚 月姫(TYPE-MOON)のネタバレ解説・考察まとめ

『真月譚 月姫』とは、TYPE-MOONの同人ゲーム『月姫』を原作とするテレビアニメ、および漫画である。アニメは2003年10月から12月にかけて放送された。大ヒットした同人ゲーム『月姫』の内容を凝縮し、12話編成にしたものである。ミステリアス且つラブコメ要素もあるアニメで、人気を博した。
事故で「モノ」が壊れやすい線が見える遠野志貴は、ある時、衝動的に見知らぬ金髪の少女をバラバラにしてしまう。吸血鬼だった彼女に責任を取らされる形で、志貴は彼女の吸血鬼退治のサポートをさせられることになる。

『真月譚 月姫』の概要

『真月譚 月姫』(しんげつたん つきひめ)とは、TYPE-MOONの同人ゲーム『月姫』を原作とするテレビアニメ、および漫画作品である。テレビアニメは2003年10月9日から12月25日にかけて放送された。全12話。
同人ゲームとしては異例の大ヒットとなった『月姫』の映像化で、ゲームの内容を凝縮して12話編成と短編にしたものである。内容がカットされた部分もあるが、その分遊びの無い充実した内容になっている。ミステリアス且つラブコメ要素もあるアニメで、人気を博した。
漫画版は『月刊コミック電撃大王』で2003年10月号から2010年9月号にかけて連載が開始された。単行本は全10巻。

事故をきっかけに「モノ」の壊れやすい線が見える異能力に目覚めた遠野志貴(とおの しき)は、遠野家当主である父から疎まれ、分家である親戚の家に預けられて育った。8年後、高校生となった志貴は、父の訃報を機に妹の遠野秋葉(とおの あきは)が当主となった実家へと転居することに。
ある日の下校中、偶然出会った金髪の少女に耐え難い殺人衝動を覚えた志貴は、自身の能力とナイフで彼女を切り刻んでしまう。自身の狂気に錯乱する志貴だったが、翌日、志貴は少女と再会する。自身を吸血鬼と称する少女、アルクェイド・ブリュンスタッドは、「私を殺した責任をとってもらう」と言い、連続猟奇殺人事件の黒幕である吸血鬼退治のサポートを志貴に持ち掛けるのだった。

『真月譚 月姫』のあらすじ・ストーリー

異能の力の覚醒と日常への帰還

遠野志貴(とおの しき)は、幼い頃の交通事故が原因で、「物を殺す線」を見る能力(直死の魔眼)に目覚める。しかし、その力を制御できず周囲を恐れた志貴は、遠野家当主である父から疎まれ、分家である親戚の家に預けられて育った。
8年後、父の死に伴い、志貴は遠野家の現当主となった妹の遠野秋葉(とおの あきは)の呼び出しを受け、実家へと戻った。しかし、遠野家には、秋葉を筆頭に、使用人の琥珀(こはく)と翡翠(ひすい)姉妹など、どこか影を持つ人物が多く、謎めいた空気が漂っていた。
志貴は新しい高校生活を送り始めるが、突如として彼の視界に、常人には見えないはずの「線」が溢れ出し始める。それは、彼が持つ異能の力が、この街に潜む異形の存在に反応していることを示していた。

吸血鬼との邂逅

ある日の下校中、志貴は衝動に駆られ、偶然通りかかった謎の美しい女性を、直死の魔眼で見た「線」に沿って衝動的に切り刻んでしまう。翌日、志貴は昨日の女性と瓜二つの人物に遭遇する。その女性は自らをアルクェイド・ブリュンスタッドと名乗り、自分が真祖の吸血鬼であることを告げた。

アルクェイドは、志貴に殺されたことで力を大きく失い、回復のために志貴に協力を要求する。吸血鬼という非日常的な存在に困惑する志貴だったが、罪悪感から彼女の要求を受け入れ、街に潜む吸血鬼の討伐に協力することになる。志貴は、普通の人間として生活する傍ら、夜な夜なアルクェイドと共に街を徘徊し、彼女の敵である使徒(死徒)と呼ばれる吸血鬼を追っていく。
アルクェイドとの共同生活を通じて、志貴は吸血鬼の存在、そして自らの魔眼の秘密と、それに伴う運命の過酷さを知っていく。また、彼の周りには、アルクェイドの追手である代行者シエルや、志貴の高校の同級生である弓塚さつき(ゆみづか さつき)といった、吸血鬼を巡る事件に関わる人間や、その犠牲者が現れ始める。

血に抗う吸血鬼と遠野家の秘密

志貴は、アルクェイドと共に吸血鬼を追う中で、一連の事件の黒幕である最強の死徒ロアの存在、そしてロアの転生にまつわる壮大な因縁を知る。ロアは、自らの永遠の命のためにアルクェイドを付け狙っており、その魔の手は、志貴の身近な人間にも及び始める。
さらに、志貴は自分が「遠野家」という一族に伝わる吸血鬼の血(鬼の血)と深い関わりを持っていることを悟り始める。志貴は、妹の秋葉や、使用人の琥珀・翡翠たちが隠していた遠野家の悲しい過去と秘密を知り、自らの出自が、アルクェイドとの戦いと無関係ではないことを突きつけられる。
志貴は、自身の身体に流れる鬼の血と、日常を壊そうとするロアの執拗な追撃に苦しむ。特に、彼自身がロアの転生体の一部であるという疑惑、そして、鬼の血が覚醒することへの恐怖に苛まれ、精神的に追い詰められていく。

運命との対峙と別れ

追い詰められた志貴は、アルクェイド、シエル、そして遠野家の人々の力を借り、ついに因縁の相手であるロアとの最終決戦に挑む。直死の魔眼の力と、自身の運命を受け入れた志貴は、激しい戦いの末にロアを討ち滅ぼすことに成功する。
ロアを倒したことで、アルクェイドを街に留めていた目的は消滅し、彼女の魔力は回復へと向かい始める。吸血鬼としての本能と、志貴への愛情の間で葛藤したアルクェイドは、いつまでもこの街に留まることはできないと悟る。

戦いが終わり、街に平穏が戻る一方で、志貴とアルクェイドは別れを迎えた。志貴は自らの運命と異能の力と共に、普通の人間としての日常に戻ることを選び、アルクェイドは再び永い眠りにつくため、彼の前から姿を消す。志貴はアルクェイドが残した温もりを胸に抱きながら、いつかまた彼女に会える日を信じ、新たな日々を歩み始めるのだった。

『真月譚 月姫』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

遠野 志貴(とおの しき)

CV:鈴村健一

主人公。高校二年生。基本的には誰にでも優しい中立な青年。容姿は整っているが、地味な童顔。
子供の頃の二度にわたる臨死体験がきっかけで、「直視の魔眼」という物質を破壊できる線が視える特殊能力を持つことになった。
偶然、公園で初めて出会ったアルクェイドとの戦いでも、その能力を駆使し倒す。普段は、その力を抑えるために眼鏡をかけている。自身は鈍感で意識していないが、周囲の女性には彼に好意をよせる者が多い。

アルクェイド・ブリュンスタッド

CV:生天目仁美

本作の正ヒロイン。真祖に区分される吸血種。一見、無邪気で自由奔放、感情の起伏が激しく、少しわがまま部分もある。日光を浴びても「なんかだるい」くらいにしか感じず、人間の血を吸うのを自制している変わった吸血鬼である。
しかし実は、12世紀頃から「真祖の吸血鬼」と呼ばれる古くから力のある吸血鬼。「ロア」と呼ばれる化け物の抹殺の為、この時代にもくるが、そこで偶然主人公と出会い、一度殺される。吸血鬼の力で再びよみがえった後、主人公と協力し合いながら、ロアを探す。そして主人公と徐々に惹かれあっていく仲に。

真祖の吸血鬼として力を発動するとき、目の色が獣のように変わる。加えて、血を吸っていかないと生命力は衰えていく。そんなそぶりは見せないが、吸血欲求衝動を抑えるのは、よほどの精神力が必要とか。

シエル

CV:折笠富美子

主人公が通う高校の一つ上の先輩。主人公を温かく見守り続ける優しい存在。
しかし、その実態は、化け物を狩る教会の審問官。槍や剣を自在に操り、主人公に襲い掛かる敵を倒してくれることも。メガネにはあまり度が入っておらず、戦闘時は外していることが多い。
現在一番気にかかることは真祖の吸血鬼のアルクェイドの行動と、「ロア」という化け物の殲滅。昼と夜のギャップが激しい。

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