DAYS(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『DAYS』とは2013年から安田剛士が『週刊少年マガジン』にて連載を開始した高校生サッカー漫画および、それを基にしたアニメ作品である。いじめられっ子の柄本つくしと金髪長髪でカリスマ性を漂わせる少年、風間陣。「つくしはさ、サッカー好き?」この一言をきっかけとして西東京の名門「聖蹟高校サッカー部」に入部することとなる。たった1年、されど1年。その言葉に隠された本質を伝えていくために、今らしい高校生が抱える不安・葛藤・熱意・期待を全て詰め込まれている。

『DAYS』の概要

『DAYS』とは2013年から安田剛士が『週刊少年マガジン』にて連載している高校生サッカー漫画である。単行本は全42巻であり、2015年には第39回講談社漫画賞・少年部門にノミネート、第40回講談社漫画賞・少年部門を受賞している。累計発行部数は2021年6月時点で1300万部を突破した。また2016年7月にはテレビアニメ化もしており、全国高校サッカー選手権大会東京予選準決勝となる京王河原戦までが放映された。同作品は2016年12月まで放送され、その後は原作単行本限定版に付属するオリジナルアニメーションもリリースされている。

本作品の作者である安田剛士はロードレース・陸上競技といったスポーツを題材とした連載を経験している。

嵐の夜、同い年だが住んでいる世界が違うまで言えてしまう二人の少年が出会った。何の取り柄も特技も無く、ただただ隠れながらも毎日を暮らしていたいじめられっ子の柄本つくし。そこに突然現れた金髪長髪でカリスマ性を漂わせる少年、風間陣。「つくしはさ、サッカー好き?」この一言をきっかけとして西東京の名門「聖蹟高校サッカー部」に入部することとなる。サッカーどころか運動神経もないつくしは、初日から練習についていけず離脱させられてしまう。ただ彼は諦めなかった。決して諦めることのない忍耐力と、周囲へのプレッシャーを背負いきった向上心で成長していき、徐々にチームメイトもつくしの姿に心を動かされていく。「サッカー」を通して、仲間たちが絆を深めていき、高校生だからできる成長する姿が描かれている。

『DAYS』の魅力は登場するキャラクターだ。主人公は柄本つくしだが、聖蹟高校サッカー部に所属する部員、そしてライバルとなる高校生など全員にフォーカスした作品でもある。同サッカー部内でもつくしの大親友「風間陣」やサッカー部キャプテン「水樹寿人」、チームの司令塔を担う2年生「君下敦」や1年マネージャー「生方千加子」。彼らが聖蹟サッカー部での日々を送る中で思い巡らす葛藤は、私たちが不安を抱える毎日に何かを問いかけるようなストーリーが描かれている。

『DAYS』のあらすじ・ストーリー

柄本つくし、聖蹟高校サッカー部入部

運動音痴で引っ込み思案な中学生、柄本つくし(つかもと)。いじめられっ子の彼はある日、容姿端麗な金髪の少年・風間陣(かざまじん)に窮地を救ってもらうのだった。彼はつくしに「サッカーは好きか?」と尋ねる。陣は「天才」と呼んでも差し支えないほどの実力を持った、名サッカープレイヤーだった。
つくしはサッカーの経験はなかったが、陣がつくしと同じくサッカーの名門「聖蹟高校」へ進学すると知り、流れのままサッカー部へと入部することとなった。

サッカー未経験に加えて極度の運動音痴だったつくしは何とか入部試験をパスしたものの、練習初日ですでにばててしまう。また名門サッカー部であるがため、未経験のつくしを疎ましく思うものの少なくなかったのである。
それでも陣のおかげでサッカーの楽しさを知った彼は諦めることなく、ひたむきに努力を続けていくのだった。その努力が実を結びめきめきと腕をあげていくつくし。最初は彼の事を邪魔者扱いしていた部員たちも次第につくしの事を認めるようになり、いつしかサッカー部に欠かすことができない存在へと変わっていったのだった。

強豪校との闘いと悔しい敗北

東京都大会に進出したつくしたち。王者は強豪の桜木高校だった。

迎えた初戦だが、極度の緊張から普段の実力をなかなか発揮することができず、拮抗状態のままゲームが進んでいた。そこで状況を変えるために投入されたつくし。彼の実力はまだまだ低かったもののプレーへの情熱は誰にも負けておらず、チームメイトたちを鼓舞する。そして終盤一点をもぎ取り、勝負を制することができたのだった。

順調に準決勝まで進出した聖蹟高校だったが、相手のラフプレーに苦戦してポイントを取ることができない。そこで監督はゲーム終盤、膝の故障から復帰したばかりの水樹寿人(みずきひさひと)を投入したのだった。
故障明けとは思えないほどの実力を見せつけた水樹のおかげでようやく得点を奪取した聖蹟高校。いよいよ桜木高校との最終決戦が行われることとなった。

聖蹟高校は陣を中心にプレーを展開していき、スタメン復帰した水樹が固い桜木高校のガードを抜けて一点を先制した。桜木高校も負けてはおらず、「死神」のあだ名を持つストライカー・成神(なるかみしゅうじ)によってペースを乱し、キャプテンの犬童かおる(いぬどう)が同点ゴールを決めたのだった。

同点のまま迎えた後半戦、疲れが見え始めていた聖蹟高校のネットを成神が鋭く揺らして逆転される。監督はつくしを投入して陣と共にキャプテンの犬童を二人で抑えるよう指示を出した。やがてつくしに絶妙なパスが出されて大きなチャンスを得たが、つくしはゴールを決めることができずそのまま2対1で敗北を喫してしまうのだった。

自分のミスが原因で敗北してしまったつくしは激しく落ち込むが、チームメイトからの励ましを受け、大好きなサッカーを陣と共に続けるため再起を誓った。

合同合宿

10校による総当たり戦の合同合宿に参加した聖蹟高校。桜木高校に敗北した悔しさをばねに努力を続け、順調に勝ち上がっていった。一方聖蹟高校と同じく全勝していた青森の青函高校と、決勝戦でぶつかり合う。
青函高校は一年生ながらにエースを務めている火村や、水樹と拮抗する実力を持つ平を擁していた。

陣の好調な活躍ぶりで早々に一点を先取した聖蹟高校だったが、相手の反則行為によって靭帯を痛めてしまう。それを堪え執念でフリーキックを決め2対0としたが、つくしが陣の以上に気付いて監督に進言したことにより、陣は後退を余儀なくされたのだった。

つくしによって活躍の機会を奪われた陣が不機嫌になってしまったこともあり、空気が悪い中で後半戦に突入する。火村にハットトリックを決められ、瞬く間に逆転されてしまうのだった。このまま負けるわけにはいかないと執念を見せた水樹が同点ゴールを決め、さらに相手の行動を観察していたつくしがこぼれ球を見事に救い上げてチャンスを繋ぎ、追加点を奪取。
聖蹟高校は見事な勝利をおさめたのだった。

東京都大会決勝

選手権東京都予選の決勝戦、絶対王者・東院学園との戦いはしのぎを削る争いとなっていた。両校無得点で終わった前半から一転、後半に東院学園が1点を先制し、聖蹟高校は苦戦を強いられていた。しかし、後半残り20分から投入された陣の活躍で1点を返して同点に追いつく。試合終了まであと3分を切ったところで、つくしのハンドにより東院学園にPKを許してしまう。観客の誰もが東院の勝利を確信している中、聖蹟高校のメンバーはこれをチャンスと捉えた。キーパー・猪原進のファインセーブからの陣のパス、そして水樹のシュートにより逆転勝利を掴み取り全国大会出場となった。

全国大会

いよいよ始める冬の全国高校サッカー選手権。初戦は風間陣と因縁のある神奈川県代表の由比ヶ浜高校。そしてその先には一星学園、音羽学院、そして絶対王者梁山高校へと強豪高校が控えている。

由比ヶ浜高校は集団プレイに重きを置いており、かつて陣がプレイしていた頃も彼に集団プレイを強いていた。個人プレイの方が得意だった陣はチームを抜けてしまったが、そのことで陣に恨みを抱く選手もいたのである。松本は裏切り者の陣が許せず、何とか陣からボールを奪おうとして逆にファウルを与えてしまう。風間のフリーキックによって先制点を獲得し、前半を終了した。後半戦も陣やつくしのアシストによって順調に得点を重ね、4対0と大勝した。

その後も危うい場面はありながら準決勝まで勝ち上がった聖蹟高校。相手は青函高校を討ち取った、因縁の桜木高校だった。
1対1で進んでいたゲームだったが、試合終了10分前に何と逆転を許してしまった聖蹟高校。キャプテン水樹にボールを集中させてゴールを狙い続け、何とか同点に追いつく。
しかしここで水樹が足を痛めてしまいまさかの退場。後を託されたのはつくしだった。チーム一丸となってゴールを狙い、陣にパスをつなげる。しかし犬童にマークされていた陣はつくしにパスを出し、つくしは執念のゴールを決めて聖蹟高校は桜木高校に打ち勝つ。

そして優勝決定戦。沖縄中央高校との試合は水樹とつくしが負傷で不在のなか3対1と好調な試合運びを見せる。そして後半投入された水樹とつくしが1点ずつゴールを決め、5対1という大量得点で全国優勝を果たしたのだった。

『DAYS』の登場人物・キャラクター

聖蹟高校関係者

柄本つくし(つかもとつくし)

CV:吉永拓斗
東京都出身、ポジションはFW。身長156cm、体重49kg、利き足は右足。学年は1年生であり、特技はプリンをきれいにぷっちんできることだ。本作品の主人公であり、高校からサッカーを始めるも、舞台は全国大会も狙える名門のサッカー部であった。初日に課されたシャトルランもやりきれず、ボールを空振ってしまうときもある。しかしその強靱なメンタルと努力が報われ、夏のインターハイ予選ではベンチ入りを果たす。柄本つくしのプレーは攻守ともにしつこいほど顔を出す献身的な姿勢が特徴的である。自分にできることが少ないことを自覚し、誰よりもたくさん走り、ポジション関係なくいかなる場面にも顔を出す。その能力はルーズボールを半永久的に拾い続けるアシストのプロへと進化する。

風間陣(かざまじん)

CV:松岡禎丞
神奈川県出身、ポジションはFWでライトウィングを主に務める。身長172cm、体重61kg、利き足は右足。学年は1年生であり、好きなものは巨乳・嫌いなものは貧乳だ。ファストフード店で柄本が不良に絡まれていたのを助けたことから柄本をサッカーに誘う。飄々とした性格で、皆の前では努力する姿を見せないが、早朝に自主練をしているのを柄本に見られたことがある。1年生ながら周りからは個人技なら聖蹟1と言われており、選手権で風間のプレイを見た平からは「十傑に匹敵する」とまで言わしめる程。中学のころ監督に反抗したことにより中学校での最後の大会は出場できなかった。「ブルース・リー仕込みのヌンチャク術」という名の顔面パンチを繰り出したことがある。様々な方面に知り合いが多い。頭は良く、夏休み前の期末試験では全教科満点を取っている。家庭環境が複雑であり、母親とは別居している。後述の青函の火村とは鹿児島合宿中にサウナ対決をするなど、互いにライバル視している。

生方千加子(うぶかたちかこ)

CV:伊瀬茉莉也
東京都出身、マネージャー。身長は162cm。学年は1年生であり、柄本を日頃からパシリに使う。特技は速読術だ。ぱっつんのロングヘア。性格は男勝りでぶっきらぼう。切れ長のきつい目付きが圧倒的な目力を生む。小説を書くことに夢中になっていたがコンテストでほとんど落選し挫折した経験を持つ。そのためか、毎日努力を重ねるつくしに苛立っている。当初はつくしにきつく当たっていたが、毎日愚直に努力を重ねるつくしの姿に影響される。何となく入ったサッカー部だったが、選手の情熱にさらに影響を受け自分もチームの一員として他校に偵察に行ったりと積極的に行動するようになる。全国大会では自ら作戦を提案したり、対戦する相手チームの特徴や要注意選手などを選手に教えるなどしており、チームに貢献している。来須から「小さいおっぱい」と評されるくらいの貧乳娘の一人。それ故に浴衣や和服が似合う。

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