ライアー×ライアー(Liar×Liar)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ライアー×ライアー』とは金田一蓮十郎による少女漫画作品。講談社発行の月刊デザートにて連載されている。ある日、ノリで友達の高校時代の制服を借りて街に出た湊は義理の弟の透に遭遇してしまう。別人であると嘘をついた湊だが、透は女子高生姿の湊、”みな”を気に入ってしまい猛アプローチをかけてきた。弟の女癖を治すためとしばらくみなになりきることにした湊だが、徐々に透の真剣な気持ちに惹かれていく。

『ライアー×ライアー』の概要

『ライアー×ライアー』とは金田一蓮十郎による日本の少女漫画作品。講談社発行の月刊デザートにて2010年4月号から不定期連載されている。血はつながっていないが姉と弟というタブー間でのラブストーリーでありシリアスな話になりそうな設定なのだが、登場人物たちの優しい性格のおかげでポジティブな気分で読むことができる名作である。2015年には第39回講談社漫画賞少女漫画部門にノミネートされた。

『ライアー×ライアー』のあらすじ・ストーリー

ある日、軽い気持ちで友達の高校時代の制服を着て街に出かけた主人公の湊は、義理の弟の透にその姿を発見されてしまう。慌てて透とは初対面であるとしらを切った湊であったが、その変装した湊を透は気に入ってしまった。
透から熱烈なアプローチを受け、湊の変装した女子高生”みな”は透と付き合うことになってしまう。湊は女遊びの激しい弟をこらしめてやろうという気持ちで付き合い始めたが透はみなを真剣に愛していて、今までのひどい女癖が嘘のように大事にしてくれる。実は透は子供のころから湊のことが好きだったのだ。しかし湊のほうでも大学のサークル交流会で再会した小学生時代の塾仲間、烏丸に告白され、あれよと言う間に二股状態になってしまう。

だましていることに罪悪感を感じた湊はなんとか別れようと親の転勤話をでっちあげたが、透のあまりの憔悴ぶりに挫折。同時に透が好きなことを自覚した湊は烏丸に別れを告げ、透のみなへの気持ちが冷めるまでみなを演じ切ることを湊は決意したが、一向に透の気持ちが冷めることはなかった。
徐々に湊はいびつな関係がいつかは終わってしまうことに不安を抱き、湊として透にアプローチしていき、好きであるからこそ透に全てを話そうと決めた。透のほうも険悪だった姉との関係が良好になってきたことから改めて湊のことが好きであることを思い出した。だが、ついに自分がみなであることをカミングアウトしようとしていた湊は透のほうから別れ話を切り出され、透が湊自身のことをずっと好きであることを知ってしまい自分のことを言い損ねてしまう。

その後もやもやとした気持ちのまま就職活動を終えた湊は一人暮らしの準備を進めようとするが母親の反対にあい、なんと透とルームシェアすることになってしまう。二人の生活は意外と順調だったが、透は以前のように来るもの拒まずな女性との付き合い方をするようになってしまった。湊や両親の幸せしか関心がなさそうな透を見て湊は透を幸せにできるのは自分だけだと思い透に好きだと告白するが、透は中学、高校の湊との仲たがいから告白を本気だと受け止めず混乱してしまう。サークル旅行で二人が同じ部屋になったのを機に湊はあらためて自分が透を好きであることを説明し、透はやっと湊の言葉を受け止めた。
その後、なんと湊がみなの携帯電話を出しっぱなしにしていたのを透が発見してしまい、みなと湊が同一人物であることがばれてしまうが、透は自分がよほど浮かれていたのだといい受け入れてくれた。
最終的に隠し事がなくなった二人にとって、両親へ自分たちが付き合っていることをカミングアウトすることが最後の最大の試練となった。連れ子同士とはいえ、姉弟という立場で育ててくれた両親にとってはショックな話をどうやって告げるかを二人は悩み、ついに母親(湊の実母)にカミングアウトした。

『ライアー×ライアー』の登場人物・キャラクター

主要人物

高槻 湊(たかつき みなと)

主人公。連載開始時20歳。中学のころに透と彼女の情事を偶然目撃してしまい、そこから潔癖症になり、こじらせて掃除マニアになった。親友の真樹によると自動おそうじロボット”ルンバ”を連想させる掃除ぶりとのことで、本人は少しきれい好きなだけと主張しているが周りから見ると”わりとガチな潔癖症”。湊の母親はこのままだと湊は他人と一緒に暮らせない子になってしまうと、心底心配している。
透がモテることが原因で、姉として女性関係のトラブルに巻き込まれることが多かったため透のことが苦手だった。そのため、大学では半径2m以内に近寄らないという念書を透に書かせた。
透と出会った当初は二人とも仲良しで、弟として透を可愛がっていた。
大学では歴史系のサークルに所属していて、コミケで同人誌を発行したりコスプレをしたり充実したサークル活動を送っている。近隣のU大学とも交流会をしたりしており、活発にサークル活動を行っている。
普段はナチュラルメイクで洋服も地味だが、意外とナイスバディである。

野口 みな(のぐち みな)

湊が真樹の高校時代の制服を着用して生まれた架空の人物。野口という名字は、真樹の高校の指定カバンを持ち歩いていたら名字が書いてあり、透が野口と信じたためそのまま定着した。少し渋谷をぶらついてすぐに変装を解くつもりが、透に見初められ長い変装生活が始まってしまった。湊の大学の先輩である塚口にも偶然出会ってしまい、とっさに”みき”という名前も騙っていた。
湊がナチュラルメイクなのに対してみなは濃いめのギャルメイクである。私服も真樹の私服をしばらく使用していて、ギャル系の服装。

高槻 透(たかつき とおる)

湊の義理の弟。連載開始時20歳。中学、高校と荒れた女性関係を繰り返しており、湊に迷惑が及ぶほど。基本的には不愛想なのだが、ハンサムなので女性が放っておかなかった様子である。男友達が皆無であり、サークルに入会するまで桂が唯一の友人だった。バレンタインデーにもらう大量のチョコレートも、桂に全て横流ししていた。
ヤドカリを3匹飼育しているが、湊が潔癖症であることを気にして実家にいたときはこっそり飼っていた。
本気で好きな相手には一途で尽くすタイプ。みなのことも甘やかして可愛がっていた。反面、無理やりではない範囲で強引に恋人関係を進展させようとするところもあり、いきなりキスしたり旅行を計画したりと行動力がある。
実は湊が好きなので同じ顔のみなにアプローチをかけていたのだが、湊本人と恋人になってからは湊への昔からの憧れが強すぎて中々手を出せないでいる。
湊が好きなことをみなに告白した際には、高校、大学と湊を追いかけてきたその過ぎた一途さから湊にストーカー認定されていた。

野口 真樹(のぐち まき)

湊の親友。連載開始時20歳。ギャル系の化粧と洋服が好みで、”みな”をプロデュースしたのは彼女である。自身の悪ふざけがみなと透が付き合うことになった原因の一つであるため、なにかと湊の相談に乗ってあげている。相談に乗る代わりに自分の部屋を湊にピカピカに掃除してもらうという、ギブ&テイクの関係が成り立っている。
湊のことは大事に想っていて、透と烏丸の間で湊が揺れ動いていた時には多少厳しいこともアドバイスしてくれる良い友達である。頭が良い人の中でも、楽するのが上手い人。

烏丸 真士(からすま しんじ)

U大学の日本史サークルの部員。湊が小学生のころ通っていた塾で隣の席だった。そのころほのかな恋心を湊に抱いており、大学で再開したことで再燃した。基本的には優しいのだが、湊が好きな相手が義理の弟の透であることを知ると湊を軽く脅すなど、やや腹黒い面も見せている。最終的には湊と透を応援してくれる味方になった。妹が一人いて、妹のほうはのちに湊の大学に入学して日本史サークルに入会した。
日本史の中でも好きなのは木造建築。木彫りが趣味で、作中で手作りのふくらすずめのキーホルダーを湊へプレゼントしたりしている。
酔うとほめてくれた人に餌付けをしたりと面白い行動を起こす。

透の中学からの友達で、適度に軽薄な性格。大学で透が日本史サークルに入会するまで、透にとっては唯一の友達だった。透の女性関係を心配していたので、みなと付き合ったことで透の女性関係が落ち着いたことをすごく喜んでくれている、良い人である。チョコレートが大好きで、毎年透が貰ってきたチョコレートをすべて横流ししてもらっていた。湊いわく、”チョコレートモンスター”であるとのこと。
湊と透が付き合い始めたときも一番先にカミングアウトするなど、透からの信頼は厚い。

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