スキップ・ビート!(スキビ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

漫画家、仲村佳樹により描かれた日本の少女漫画作品。白泉社発行の花とゆめにて2002年から連載されている。日本ではテレビアニメ化、台湾ではドラマ化とメディアミックスも果たしている。幼馴染への復讐のために芸能界入りした少女、キョーコが演技の面白さに目覚め、今まで他人を中心に動いてたのとは対照に自分のために俳優になることを目指すラブコメディである。ショート漫画も掲載されたファンブックも発行されている。

『スキップ・ビート!』の概要

仲村佳樹により描かれた、日本の少女漫画作品。白泉社発行の花とゆめで連載され、年間人気を博している長期連載作品である。2002年から連載を開始した。テレビアニメが2008年10月から2009年3月まで放映された。日本ではドラマ化は果たしていないが、台湾にて2011年12月から2012年4月までテレビドラマが放映された。仲村佳樹らしくテンプレートな少女漫画の主人公とはかけ離れた思考の少女が主人公となっており、何回も読み返したくなる一作である。

『スキップ・ビート!』のあらすじ・ストーリー

主人公の最上キョーコは、幼馴染で歌手の松太郎と同居していた。生活費全般をキョーコが負担、高校も行けない、そのうえ松太郎は滅多に帰ってこない。しかし、小さいころから白馬の王子様と松太郎を信じているキョーコにとってはそんな生活でも幸せだった。ところがある日、松太郎に会いにテレビ局に行った際に事件は起こった。松太郎にとってキョーコは家政婦のようなものであり、女性としては全然見ていないとマネージャーと話していたところに出くわしてしまったのだ。
当然キョーコは激怒し、歌手として既に成功を収めている松太郎を輝かしい舞台、芸能界において敗北させることを決意した。
もちろんそれは、芸能界に憧れている人間ですら難しい復讐手段であり、芸能界に興味がなかったキョーコにとってはオーディションすら一層高いハードルとして立ちふさがった。オーディションを受けた事務所であるLMEにおいてトップ俳優の敦賀蓮にも、復讐のために芸能界入りを目指すキョーコは悪印象を持たれてしまう。
それでもキョーコは持ち前の根性でオーディションを突破していくが、自分を見ず知らずの人にも愛してほしいと思う心が足りないという理由で落選してしまった。ところがLMEの社長、ローリィはキョーコに興味を持ち、愛を理解するために立ち上げたセクション、LOVE ME部にキョーコを放り込んだ。そしてLOVE ME部としてスタッフのお手伝い、CM出演、ドラマ出演を経ていくうちに、キョーコは敦賀蓮のようなトップ俳優になりたいと思い始める。実は蓮はキョーコが京都にいたころ会ったことのあるコーンという男の子と同一人物であり、LMEで仲良くなるにしたがい蓮はキョーコのことを思い出すがキョーコはコーンが妖精であると信じているため別人だと思っている。
先輩と後輩という仲から二人は徐々に惹かれあっていくがいくが、キョーコはもう恋なんて愚かなことはしたくない、蓮は昔の自分と決別したいという事情もあり中々両想いに気づかないというすれ違いが続いてしまうが、やっとキョーコの”恋なんてしない”という決心は覆された。

主な登場人物・キャラクター

最上キョーコ(もがみ きょーこ)

京都府出身。連載開始時は16歳だったが、松太郎のために身を粉にして働いていたため高校には通っていなかった。夢見がちで妄想力が非常に強い少女で、その癖が功を奏し役者としての才能を開花させた。子供の時は母親に非常に厳しくしつけられていたのと、松太郎の実家である旅館で仲居として働いていたため礼儀正しく成績優秀、人の心理を読み料理もプロ並みと働くうえではかなり有利なスキルを多数持っている。
松太郎を呪う気持ちを具現化させるのも得意技で、度々生霊をボール状にして相手にぶつけるという少女漫画の主人公にはあり得ない必殺技も持っている。
松太郎にもて遊ばれた為、愛や恋といった感情に対しては嫌悪感どころか憎しみを抱いており、日本において愛の一大行事であるバレンタインデー(Valentine’s Day)は、彼女によればベインデー(Vain Day)、すなわち空虚な日らしい。

アニメCVは井上麻里奈。

敦賀 蓮(つるが れん)[本名:クオン・ヒズリ]

LMEのトップ俳優兼モデル。連載開始時で20歳だった。日本人離れしたプロポーション、ハンサムフェイス、人当たりの柔らかさから、抱かれたい芸能人1位に選ばれたこともある。普段は優しいが仕事に対しては極めてストイックで、キョーコが復讐するために芸能界入りすると告げたときからしばらく、キョーコのことが嫌いだった。キョーコによる調査から、同じ笑顔であっても怒っているいるときのエセ紳士スマイルと、本気で笑っている神々スマイルがあることが判明している。会ってしばらくしてからキョーコが昔京都で会った少女であると気づいていたが、いまだ本人には自分がコーンであることも含めて秘密にしている。キョーコの何事にも全力で取り組むという元々の性格を思い出してから徐々に惹かれていくが、キョーコ自身が恋愛関連の感情が死滅しているのと蓮が日本で恋人は作らないと決めていたことから、甘い展開が起きても必死に我慢している。
実は蓮はアメリカに拠点を移した大物俳優の息子であり、日本で活動するにあたり父親の名前で売れることを嫌い自身の髪の色、目の色、活動を開始する前の経歴を完全に秘密にしていて知っているのはローリィの腹心の部下だけである。
たまに現れるニワトリの着ぐるみに演技などの悩みを相談したりしているが、その中身はキョーコである。
父親であるクーがアメリカと日本のハーフ、母親のジュリエナは見た目しか明らかになっていないが白人のため、蓮自身は本当は金髪で目の色も黒系ではない。普段は染髪して、カラーコンタクトを使用している。

アニメCVは小西克幸。

不破 尚(ふわ しょう)[本名:不破 松太郎(ふわ しょうたろう)]

キョーコの幼馴染で、老舗旅館の息子。京都出身。親と喧嘩別れして上京しており、おまけにキョーコを家出に巻き込んでいるため母親は立腹している様子。自信家でわがまま、「キョーコは自分の物」と復讐のターゲットにされている今でも信じている。実際キョーコと松太郎はお互いがお互いのことを知り尽くしており、キョーコは今でも松太郎の心理を見透かし、松太郎はキョーコの好みのもの(化粧品、食事、スウィーツなど)を決して外さない。
性格は最低でも才能は本物で、歌っている曲は自分で作曲している。軽井沢で松太郎の曲が盗まれたときは曲のストックのなかからあっという間に売れるものに手直ししたり、聴く相手に確実に伝わるメッセージ性のある曲と音階選びを即興で考えたりと、天才ぶりを発揮している。
キョーコが母親に辛く当たられていたのをずっと見てきており、キョーコが泣いていても恵まれた環境にいる自分が何を言っても自慢にしか聞こえないのではと子供のころから感じ、キョーコに泣かれると何も言えなくなってしまう。
普段はカッコつけてテレビは見ない、甘いものは食べない、好き嫌いなしと公言しているが、実はお笑い番組が松太郎に夢中な時期のキョーコが引くぐらい好き、プリン大好き、甘い卵焼きが嫌い。

アニメCVは宮野真守。

琴南 奏江(ことなみ かなえ)

キョーコのLMEにおける同期かつ同級生。瞬間記憶能力を持っており、本や台本を一度速読しただけで覚えることが可能なためオーディションのときにはLMEの各セクションに大きな印象を残した。しかし彼女も人間に対する愛に関しては無関心な人間であったことから、愛する心を育てるためにローリィによりLOVE ME部に放り込まれた。俳優という仕事に対してはかなりの愛を見せており、ずっと続けているバイトもリクエストされた人間の役を一般の人を相手役として演じるという、演技の練習になるバイトである。
小学校のときにお金持ちのお嬢様から学芸会にて主役の役を奪ってしまったため目の敵にされていて、中学、高校はその子の目を盗んで演技の勉強をしてLMEに応募した。
口癖が「もー!」なのでキョーコから”モー子さん”と呼ばれているが、かなえの方はキョーコをほぼ”あんた”としか呼んでいない。
現在は一人暮らしだが、実家は大家族でありそのため家事全般手馴れている。弟妹の元気さが異常であり、その弟妹たちと遊んでいるうちに子供は投げ飛ばして遊ぶものという誤った認識が定着していた。それが原因で大物子役の機嫌を損ねてしまったこともあるが、今は仲直りできている。

アニメCVは早水リサ。

ローリィ宝田(ろーりぃ たからだ)

LMEの社長。派手好きで、自称愛の伝道師。孫までいるイケオジなのだが、派手好きの度が過ぎているため周りの社員を度々びっくりさせている。
蓮の父親であるクーとは友人であり、蓮が荒れていた時に日本に来て芸能活動をすることを進めたのもローリィである。愛の伝道師だけあって人の感情の変化には敏感であり、蓮がなにか隠し事をしていても読み取ってしまう。どうやら連とキョーコの仲を応援しているらしく、極秘プロジェクトで気持ち悪いくらいベタベタする兄妹の役を演じさせたりした。
腹心の部下にミス・ジェリー・ウッズというメイクアップアーティストがおり、この人が本当は金髪の蓮の髪の毛を染めたりしてくれている。

アニメCVは石井康嗣。

最上 冴菜(もがみ さえな)

キョーコの実の母親。職業は弁護士であり、恩師が開業している法律事務所で現在働いている。見た目通りクールで才色兼備、周りからは氷の女王扱いされており、気持ちがすぐに眉間のシワに表れてしまう。
弁護士として駆け出しのころにキョーコの父親である御園井と出会い恋人になるが、その恋人は担当案件のスパイであり大切な企業データを奪われてしまう。そのスパイを見抜けなかったことから自分自身を許せなくなり、その気持ちがキョーコに対する冷たい態度として現れていた。
キョーコが早苗に意を決して会いに行ったことで多少わだかまりが解け、早苗はキョーコの俳優になりたいという夢を応援してくれる様子である。

保津 周平(ほづ しゅうへい)[本名:クー・ヒズリ]

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