溺れるナイフ(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『溺れるナイフ』とは、朝倉ジョージによる大人気少女漫画である。2004年より『別冊マーガレット』により連載された。思春期の危うく繊細な感性と切ない恋を描いた人気作であり、2016年に実写映画化された。
父の仕事の都合で東京から田舎町の浮雲町に越してきた夏芽は、華やかな生活を思い出しては拗ねる日々を送っていた。そんなある日、美しい少年・航一朗と出会い、航一朗を手に入れたい、勝ちたい、と強く思うのであった。

夏芽にとってコウは神様のような存在だった。いつも強気で、不思議な魅力があるコウは、不可能さえもなくしてしまうような、夏芽にとって完全な存在だったのだ。そんなコウは、夏芽が拉致され襲われた事件の日から夏芽を守り切れなかったことに苦しみ、これまで見せたことのなかった孤独で脆い素顔を見せ始めまる。夏芽もまた、そんなコウとの距離に悩み、二人の関係が変わってしまったことに激しく苦しむ。

大友に、どうしてコウと別れたのか、と聞かれ、夏芽が発したのがこのセリフ。自分にとって全てであり、完璧な存在であったコウ、が自分の事件のせいで変わっていくことが耐えられなかったのだ。

どうせ 俺安いけぇ

火付け祭りの事件後、破局してしまった夏芽とコウ。夏芽はその後、大友との距離が縮める。以前よりも打ち解けた二人だが、会えば冗談と互いの悪口を言い合うような関係で、学校生活はそのまま何気なく過ぎていく。ある日修学旅行に訪れた夏芽は、大友と二人で山道で迷ってしまう。道を踏み外しかけた夏芽をかばって、大友は手に傷を負ってしまい、夏芽は持っていた絆創膏で手当てを施す。夏芽の母にも以前優しく手当てをしてもらったことがあると話す大友に、「安い!」と笑い飛ばす夏芽。大友は夏芽の母に好意を持ち慕っていのです。

「私のことも好きになったりしないでよ!」と冗談ぽくたしなめる夏芽でしたが、切ない表情を浮かべ、勝利はこうつぶやいたのでした。

映画『溺れるナイフ』

『溺れるナイフ』は、2016年に実写映画化された。

ヒロイン望月夏芽を演じたのは小松奈菜。長谷川航一朗を菅田将暉、大友勝利を重岡大毅、そして松永カナを上白石萌音が演じた。原作の切なさと美しさはそのままに、実力派の若手人気俳優たちのフレッシュで繊細な演技が『溺れるナイフ』の世界の魅力をさらに広げた。原作ファンの人はもちろん、これから『溺れるナイフ』の世界に浸りたい、という人にも楽しめる作品となった。

fujiseyoshihisah6
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@fujiseyoshihisah6

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