ゴーストバスターズ(2016)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴーストバスターズ(2016)』とは、2016年に公開されたアメリカの超常現象コメディー映画で、1984年に誕生した『ゴーストバスターズ』のリブート版にあたる。従来のシリーズ同様、イタズラ好きでどこか憎めないゴーストたちを退治するべく街中を奔走するストーリーだが、今作では主人公が4人の女性となっているのが特徴。旧作品に登場する代表的なゴーストやキャストも登場して話題となった。

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『ゴーストバスターズ(2016)』の概要

『ゴーストバスターズ(2016)』は、2016年に公開されたアメリカの超常現象コメディー映画で、1984年に公開された『ゴーストバスターズ』のリブート作品。アメリカでは2016年7月15日に公開され、日本でも同年8月19日から公開された。
2016年にはティーン・チョイスアワード、キッズ・チョイスアワード、Women Film Critics Circle Awards、ピープルズ・チョイスアワードなど4つの賞で計24部門にノミネートされ、うち5部門では受賞をするという上々の興行成績を残している。

もともとは1989年に公開された『ゴーストバスターズ2』に続くシリーズ第3作として構想があった作品で、前作の出演者たちを再登場させ、新しい出演者たちにその後の物語を継承させる脚本で予定されていた。しかし、『ゴーストバスターズ』シリーズのオリジナルメンバーであるイゴン・スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスの逝去などの影響を受け、前2作で監督を務めていたアイヴァン・ライトマンが降板してしまう。その後、新監督として就任したポール・フェイグの提案により、本作は続編ではなくリブート作品として製作されることになり、2015年6月から2015年9月にかけて、全編アメリカのニューヨーク州とマサチューセッツ州で撮影された。
監督を降板したライトマンが本作には製作として参加している。さらに、オリジナルメンバーのひとり、レイモンド・スタンツ博士役を演じたダン・エイクロイドは製作総指揮を務める他、タクシー運転手の役でカメオ出演もしている。その他のオリジナルメンバーたちも、故人であるハロルド・ライミスと、既に俳優業を引退したリック・モラニスを除いて全員がカメオ出演していることや、旧作でも登場したゴーストたちが登場していることもファンの間では大きな話題になった。
なお、エンドクレジットには「ハロルド・ライミスに捧ぐ」という一文も添えられている。
旧作品では男性たちが街を騒がせるゴーストたちを退治するかたわら、彼らの友情や恋を描いたものだったが、本作でゴースト退治に奔走する主人公は、物理学者や素粒子学者、果ては地下鉄構内の職員など、さまざまな職歴を持った、個性豊かな4人の女性たち。日本語吹き替えでは主人公のエリン・ギルバート役にお笑い芸人の友近、アビー・イェーツ役に渡辺直美をそれぞれ起用していることも話題を呼んだ。

『ゴーストバスターズ(2016)のあらすじ・ストーリー』

「ゴーストバスターズ」ができるまで

コロンビア大学で物理学者を務めるエリン・ギルバートは、終身雇用の審査を目前に、仕事に精を出す日々を送っていた。そんなある日、彼女の元に「オルドリッジ邸のゴースト退治」の依頼が舞い込んでくる。
なぜ自分に幽霊退治を依頼するのか、と戸惑うエリンに対し、依頼者の老人は、ネットで買ったという「過去からのゴースト」という本を見せる。
その本はかつて、他でもない彼女自身が、親友であるアビー・イェーツと共同で書いた、幽霊(ゴースト)の存在を分析するものだった。それが世に出回っていることに疑問を持ったエリンが調べると、アビーが自身の研究資金を稼ぐため、本を勝手に売っていた事が発覚。
本の販売をやめてもらいたいエリンがアビーの勤務先であるヒギンズ理科大学を訪ねると、アビーは「幽霊を見つける」という夢を、原子力エンジニアのジリアン・ホルツマン(通称ホルツ)という仲間を得てまだ追い続けていた。
オルドリッジ邸の話を聞き、相談者を紹介しろと迫るアビーとホルツを案内するエリン。そこで3人はゴーストに遭遇したが、その時に撮影した動画がネットに流れ、超常現象を研究していることが発覚してしまったエリンはインチキ科学者扱いされてしまい、終身雇用どころか大学をクビになり、彼氏にもフラれてしまう。
そしてその動画に一緒に写っていたアビーとホルツも、教職の場から追い出されることとなり、仲良く無職になってしまった3人。彼女たちは「超常現象の研究をしている」というだけで周囲から変人扱いされてしまう、という現実に直面するが、幽霊の実在を証明した初めての科学者となることを決意し、ゴーストを捕獲して管理下に置いて研究するための「超常現象究明研究所」を設立する。
捕獲事業とゴースト研究を始めるため、中華料理屋の2階にオフィスを借りたエリン、アビー、ホルツ。そして受付に、イケメンだがおバカな青年、ケヴィン・ベックマンを雇用し、彼女たちは新たな人生のスタートを切ることになった。

新たな仲間

その頃、地下鉄で働くパティ・トランは、「第四の終末戦争が始まる」と告げる不審な男性に遭遇する。線路内に入っていった男性を追い出そうとするパティだが、そこに突然ゴーストが現れるのであった。
不安に思い、超常現象究明研究所へ相談に訪れるパティ。依頼を請け負った彼女たちが現場へ向かうと、そこにはゴーストの姿があったものの、ホルツが開発した試作段階の捕獲ビームを使い、なんとか追い出すことに成功する。ゴースト発見現場からは、謎の部品が見つかった。
地下鉄での一件を解決後、パティが「仲間に入れてほしい」とオフィスを訪ねて直談判してくる。ニューヨークの地理に詳しく、叔父さんに借りた霊柩車を使ってもいいというパティを快く受け入れたメンバーたち。こうして4人となった超常現象究明研究所の面々は、仕事仲間として、大切な女友達として絆を深めていく。
そんなある日、研究所にゴースト発見の連絡が入る。パティが用意したつなぎを着て、ホルツが対ゴースト仕様に改造した霊柩車に乗り、現場であるストーンブルック劇場へ颯爽と乗り付けるゴーストバスターズ。
そこには謎の装置と、マネキンに憑依したゴーストがいるのを発見する。悪魔のような外見のゴーストはその場を逃げ出し、上の階でやっていたライブに侵入するが、4人は無事にゴーストを捕獲する。
人目があるところで幽霊退治を成功させたことで一躍有名になった4人だが、それを見咎めたオカルト排斥論者で科学者のマーティン・ハイスという人物が、ゴーストを見せてほしいと研究所を訪ねてくる。
意地になって捕まえたゴーストを見せる彼女たちだが、ゴーストはハイスを窓から突き落として脱走してしまうのであった。

ゴースト出没の秘密

マーティンの一件が原因で、4人は市長のもとに連れていかれる。国土安全保障省から派遣される捜査官2人が調査を引き継ぐことを理由に、4人には手を引くよう命じる市長。
更に市長はライブ会場でゴーストを捕まえたことに関しても、彼女たちのいたずらとして処理してほしいと頼んでくる。
「街のパニックを避けるため」と説得されてしまった上、活動そのものを継続することに対する許可は下りたため、4人は渋々とはいえ納得するしかなかった。
しかし市長秘書が自分たちの努力を「いたずら」として説明している会見を見てしまうと、嘘だとわかっていても落ち込みを隠せない。

そんな中、これまでのゴースト発見場所と、今噂になっているゴースト出現地域をつなぐと、レイラインになることを突き止めたエリン。
超常現象が起こる場所をつないで出来るレイラインの交点は、パワースポットになると言われている場所だった。そしてその交点にあるメルカドホテルのスタッフには、パティが地下鉄構内で出会った不気味な男がいることに気づく。
その男の目的が「この世をゴーストだらけにして支配すること」であると気付いたゴーストバスターズたちは、メルカドホテルに急ぐ。
そこにいた問題の「不気味な男」であるローワンは、巨大な装置を作っていた。しかしゴーストバスターズに追い詰められ、逃げ場が無いと悟ったローワンは、その場で自殺してしまう。
エリンとアビーが共著した「過去からのゴースト」の本を元に、彼が計画を立てていたことを知ったエリンは、やりきれない思いに包まれる。

大トラブルからの再スタート

ローワンが残した本を見て彼の本当の目的を悟ったエリンは市長の元へ向かって危険を知らせようとするが、なかなか聞き入れてもらえない。
その頃、ローワンは凶悪なゴーストに変化していた。アビーはローワンに憑依されてしまい、ホルツを殺そうとするが、パティの強烈なビンタで元に戻る。
しかし、パティの体を追い出されたローワンは、そのままケヴィンに憑依してしまった。
ケヴィンの体を操ったローワンにゴーストを解き放たれてしまうったアビーたちはゴースト退治を始めるが、対ゴースト用の強力な装置を乗せたままの車を盗まれた上、バルーンのゴーストに潰されてピンチに陥ってしまう。
その場に駆け付けたエリンに助けられた彼女たちは、ここまでの研究結果を結集した新しい武器を使い、着実にゴーストを殲滅していく。
取り憑かれていたケヴィンは解放されたものの、巨大なゴーストに進化したローワンが4人に襲い掛かる。
別世界につながる渦を見つけた4人は、盗まれた車を落として渦の回転を反転させ、ゴーストたちをもとの世界に戻そうとするが、アビーが連れ去られてしまう。
渦の中に飛び込んだエリンはなんとかアビーを助け出して戻ってくるが、戻ってきた2人の髪の毛は真っ白になっていた。
誰一人欠けることなく事態を収拾し、功績が認められたゴーストバスターズたちは、市長の秘書から超常現象研究の継続を頼まれて「超常現象究明研究所」の新しいオフィスを手に入れる。
こうして研究所設立からすぐに波乱万丈なスタートを切ったゴーストバスターズたちの、騒がしい毎日は続くことになるのであった。

『ゴーストバスターズ(2016)』の登場人物・キャラクター

超常現象究明研究所のメンバー

エリン・ギルバート(演:クリステン・ウィグ)

日本語吹き替え:友近
物理学者の女性。終身雇用されることを目標に大学で教鞭をとり、その審査を目前に控えていたが、突然「オルドリッジ邸のゴースト退治」の依頼が舞い込んだことで一連の事態に巻き込まれる。
その件が原因で友人のアビーと共著した本「過去からのゴースト」の存在がバレてしまい、科学者にふさわしくないとして終身雇用どころか大学をクビになってしまう。その後、同じくオルドリッジ邸の依頼で職を失ったアビーとホルツと共に「超常現象究明研究所」を設立する。
素粒子物理学を用いて心霊現象を解明しつつ、ニューヨークで起こる現象を紐解く一人。ゴーストバスターズたちの中では比較的常識を持ち合わせているが、初めて幽霊に遭遇した時に狂喜してはしゃいだり、事務員の採用面接でルックスが良いことだけを理由にケヴィンを雇用することを決めるなど、残念な一面もある。

アビー・イェーツ(演:メリッサ・マッカーシー)

日本語吹き替え:渡辺直美
ヒギンズ理科大学の心霊現象研究室にて、ジリアンと共にゴーストが存在することを証明しようと日夜研究に励んでいる女性。高校時代、ゴーストの存在を信じるエリンと意気投合し、後に「過去からのゴースト」の本を共著をするほど仲が良かった。その著作を研究の資金稼ぎの為にネットで勝手に販売していた事が、図らずもエリンが失職する原因となってしまう。
研究室にエリンを迎えようと予算を学部長に掛け合うも、自らもホルツと共にクビになってしまい、ゴーストの存在を証明するためにニューヨークでの幽霊退治&捕獲に乗り出すことを決意した。
本物のゴーストを見ることも目的であり、初めて遭遇した際は「美しい」と表現して讃えていた。

ジリアン・ホルツマン(演:ケイト・マッキノン)

日本語吹き替え:朴璐美
通称は「ホルツ」。アビーのもとで助手を務め、アビーと幽霊退治の武器を発明する素粒子物理学者で、原子力のプロフェッショナル。エリンをとても尊敬している。
ゴーストバスターズの対ゴースト用装備開発を担当している。常にハイテンションで、他人をおちょくるのが得意。そうした独特の人間性のためか、アビーに出会うまでは友人がいなかった。
戦闘力が高く、実戦においては二丁のプロトンショットガンで迫り来る幽霊の群れをすべて退け、高らかに勝利を宣言している。

パティ・トラン(演:レスリー・ジョーンズ)

画像中央がパティ。

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