ドリフターズ(Drifters)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドリフターズ』とは、月刊誌『ヤングキングアワーズ』にて2009年6月号より連載中の歴史ファンタジー漫画である。作者は平野耕太。
世界中にその名を残す歴史上の人物が、時代も国も超えて集まる異世界。彼らは「漂流者(ドリフターズ)」と呼ばれ、すべてを滅ぼそうとする「廃棄物(エンズ)」たちと壮絶な戦いを繰り広げる。
関ヶ原の合戦に加わっていた島津豊久は、突然その異世界へと飛ばされた。彼はそこで織田信長や那須与一と出会い、武士の本能に従って、血で血を洗う戦へと身を置き、やがて「国盗り」を志す。

左からスキピオ、キャシディ、キッド、ハンニバル

紀元前200年頃に活躍したローマの軍人であり、ハンニバルの好敵手とされる人物である。没年はハンニバルと同時期(紀元前183年頃とされる)だが、彼よりは10歳ほど若い。ハンニバルと同じ頃にこの世界にやってきて、再会し大喧嘩しているところを十月機関に拾われた。その後、ハンニバルとともにカルネアデスの北壁で黒王軍の進行に出くわしたが、安倍晴明によって逃された。
しかし、ハンニバルとともに豊久らの一団に加わるべく進む道中で黒王軍に襲われ、ひとり馬車から落ちてはぐれてしまった。森の中をさまよううち、菅野直と出会う。当初言葉は通じなかったが、やがて十月機関に発見され会話できるようになったようである。その後は菅野とともに犬族や猫族を指導し、領土拡大のため進行を続けるオルテと戦っていた。

ブッチ・キャシディ(CV:小野大輔)

1900年ころのアメリカで名を馳せた強盗である。映画『ワイルドバンチ』や『明日に向って撃て!』などで知られる人物で、キッドととにワイルドバンチという強盗団を結成していた。黒髪にマントが特徴である。
自らも漂流者と思われるが、十月機関の一員として、漂流者たちを監視している。符術は使用せず、銃による攻撃を行う。また、馬車の運転技術に長けているようで、黒王軍の追撃を振り切っている。
ハンニバルを豊久らのもとに送り届けた際、信長に銃とガトリング銃を与えた。しかし豊久らの軍勢には参加せず、十月機関として漂流者のもとを行き来しているようである。後にスキピオとも再会し、彼に安倍晴明からの手紙を渡したほか、菅野に山口多聞からの手紙を渡した。また、マモン間原の戦いにおいては黒王軍の動きを見張り、彼らの到着をいち早く信長らに知らせた。

ザ・サンダンス・キッド(CV:高木渉)

キャシディと同様に、ワイルドバンチの一員として暴れた強盗である。こちらの世界でもやはり彼と行動をともにしており、2人揃って十月機関に所属し、漂流者の間を行き来している。帽子をかぶり、スーツを着用している。口ひげが特徴である。

サンジェルミ伯(CV:杉田智和)

18世紀のヨーロッパなどで活躍したとされる人物である。作曲家兼バイオリニストとして活動したのち、化学や錬金術の研究も行っていたという。
いつ頃からこちらの世界にいるのかは不明だが、オルテが建国されたという50年前にはすでに来ていたようである。当時、オルテの国父とされるヒトラーに協力し、オルテ建国に尽力したという。その報酬として、帝国の1/3をもらったとのこと。以後、オルテの行う戦いには参加せず、傍観してきた。しかし豊久らがエルフを解放したことを知ると、彼らにオルテの全権を渡す(彼の言葉では「国を売る」)ために豊久らに近づき、国盗りに協力した。以降、信長とともに彼らの頭脳として活躍する。また、500名の精鋭からなる軍を持ち、戦力としても有力である。頭脳明晰かつ交渉術にも長けており、信長が要求する無茶にも答え、グ=ビンネンとの和平交渉も成功させている。
歴史に詳しく、彼の生きた時代よりも古い時代の生まれの人物のほとんどを知っている。日本人にも詳しく、信長や豊久、与一、晴明だけでなく、信長が話題に挙げた松永弾正のことも知っていた。黒王の正体にもいろいろと考えを巡らせているようである。
派手な外見と、オカマ口調が特徴。もちろん男性が好きである。配下の兵も、全員が同じ性癖である。名前の呼ばれ方が「セントジェルミ伯」「サンジェルマン伯」などに変わることもあるが、本人が知らないところではだいたい「オカマ」と呼ばれている。

菅野直(かんのなおし / CV:鈴木達央)

太平洋戦争において追撃王と呼ばれた日本の海軍軍人である。1945年8月1日、戦闘機に乗ったままこちらの世界に飛ばされ、カルネアデスの北壁の戦いに乱入した。竜などを見て驚くも、眼下が火に包まれていることに激昂し、黒王軍を攻撃する。これにより晴明には漂流者であると認識された。
その後、十月機関と接触しないままオルテの北に住み着き、そこに暮らす犬族たちを無理やり従わせていたようである。犬族からは「空の神様」「空神様」と呼ばれている。後に十月機関とはぐれたスキピオと合流した。
やがて十月機関と接触し、彼らとも言葉が通じるようになる。また、グ=ビンネンにいる山口多聞から手紙を受け取ると、彼に会うために洋上に出向いた。そこで多聞の持つ九九艦爆、九七艦攻、零式艦戦などの戦闘機を見つける。
マモン間原の戦いにおいて、豊久が死にかけていたところに現れる。
猫が好きなようで、猫族をすぐに手なづけている。

山口多聞(やまぐち たもん / CV:仲野裕)

第二次世界大戦中、多くの戦果を挙げた軍人である。ミッドウェー海戦(1942年)において戦死したとされているが、こちらの世界に来ていたようである。グ=ビンネン通商ギルド連合の主導者のひとりである。彼の指導のもと、グ=ビンネンは洋上起動艦隊である鷹母、飛鷹、隼鷹を製造し、海洋の覇権を握った。しかし、グ=ビンネンに心を許してはいないようで、彼らに招かれ食事をごちそうになっても軍帽は取らない。共ににこの世界にやってきた空母・飛龍に寝泊まりしている。
グ=ビンネンの人々と言葉が通じていることから、早くから十月機関と接触していたようである。彼らを通じ、軍事である菅野の存在を知り、彼に手紙を送った。ただ、同じ海軍軍人ではあるものの、菅野のことは知らなかったようである。菅野が会いにやってくると、多聞は彼に飛龍の中身を見せ、九九艦爆、九七艦攻、零式艦戦、21型などの戦闘機を見せた。そのほとんどが壊れているが、この世界の戦いにおいては十分な威力があるとしている。また、菅野に比べると歴史等の知識も深く、彼とともに現れたスキピオの名を聞いて驚いた。その後、スキピオに彼の時代から多聞の時代までの歴史を教えたようである。

アドルフ・ヒトラー

第二次世界大戦中、ドイツを率いた独裁者である。豊久がこの世界に来るよりはるか前に、こちらで自害したとのこと。オルテを建国した「国父」であり、国民から広く慕われている。彼がいた頃のオルテは、世襲による悪癖を取り除き、富を分配するなど平和な国だったようである。サンジェルミ伯も彼を高く評価している。サンジェルミ伯によれば、漂流者であったようである。

十月機関(じゅうがつきかん / オクト)

安倍晴明(あべの はるあきら / CV:櫻井孝宏)

平安時代の陰陽師として知られる人物である。十月機関を率いており、オルミーヌたちからは「大師匠様」と呼ばれている。「晴明」は「せいめい」ではなく「はるあきら」と読むと本人が明言したため、信長をはじめ十月機関でない人々は彼を「はるあきら」と呼んでいる。
人の可能性を信じており、黒王の進軍を止めるべく漂流者たちを集めている。符術が得意で、戦いに利用するほか、竜を操ったこともあり、また偵察に使用することもある。自分が生きていた時代には存在しなかった武士という人々に、黒王に勝つ可能性を見出している一方で、恐れているふしもある。
若く見えるが、実は83歳である。

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@urio2n7

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