背中に傷をもつ三人の男の物語ギャングース
生まれた時から親に虐待され続け、ろくに学校も行けずに青春期を少年院で過ごした3人の少年は、生き抜くために犯罪者だけをターゲットにしたタタキ稼業を始めます。実際に起こった話を基にした超実証主義漫画になります。
工具全般(バカ)担当リーダーカズキ
窃盗団の工具全般担当でリーダー。めっちゃバカで本名は苗字が神の童と書いて神童、名前が一樹になります。名前だけ聞くとすごいカッコいいですが、性格はとても残念です。年齢は18歳です。少年院の技能教育で学んだ知識で工具を天才的に使いこなします。異常なプラス思考です。しばしば「世界を変える!」などのハッタリをかます。肥満体型でメガネをかけている髪型がいろいろと変わっています。ゲーマーかつアイドルマニアで、「OTW48」のゆきりんがとてもお気に入りです。シングルマザーの家庭で育ち、ひどい虐待を受け、少年院の中でもひどいいじめを受けていした。それらの被害により、背中全体にひどい傷や火傷の痕があります。
窃盗団の車両・機動担当(やさしさ担当)タケオ
窃盗団の車両・機動担当(やさしさ担当)になります。チームで唯一腕っぷしが強い怪力の巨人です。ドライビングテクニックと車両関係の知識が抜群。レトロなアメ車マニアで、性格は優しく、涙もろいです。普段は吃音が激しいが、窃盗の最中は吃らなくなり、そして口調も荒っぽくなり、あまりの人格の豹変振りに周囲が困惑することもしばしば、普段は他のメンバーから「タケオちゃん」と呼ばれているが、吃音が無いときは「タケオさん」と呼ばれます。両親を亡くし叔父一家に引き取られるが、満足に食事も与えられず、一家全員から暴行を繰り返し受けていました。背中に熱湯をかけられてできたひどい火傷の跡があります。
窃盗団の情報収集・標的選定担当(イケメン担当)サイケ
生まれ持った高い頭脳で、タタキで特に重要な情報収集を担っています。グループ1のイケメンで、ツッコミ役です。しかし女性の趣味は極めて特殊(いわゆる「ブス専」)な残念なイケメンになります。昔はイケメンだった兄がいます。
ユンボの免許しか持っておらず、車の運転が出来なく、喧嘩もメンバーの中では弱いです。ドラッグ中毒のシングルマザーの家庭で育ち、ネグレクト状態で育っていて、トイレの芳香剤を食べて飢えをしのいだこともあります。
彼らが行うタタキとは?
タタキとは専門用語になります。窃盗、強盗を行う事を意味しています。不遇の人生を送ってきた3人の少年は窃盗団を結成し、被害届を出せないという理由で犯罪者だけを対象に「タタキ」をしていきます。裏の世界の人間から、全員背中にひどい傷跡を持つことから「バックスカーズ」(Back scars)と呼ばれる様になっていきます。
実際に行ったタタキ
カンパニー(ヤクザ組織に属さない「半グレ系」アウトローで構成される犯罪営利集団)と呼ばれる一発系Sの事務所をタタキます。この時にどのように事務所に入り込むか、金庫を持ち出すかという方法が描写されていますので、防犯の為に役立ててください。
雨で工事が中断している工事現場などを狙っている窃盗団をタタキます。入居日が決まっている新築マンションでは何より納期が最優先事項であり、資材が盗まれることよりも警察の捜査が入って工事が止まり、納期が延期になってしまう方が損害が大きいので、被害届を出さない事が多いそうです。
ギャングースの原案は「家のない少年たち」
原案は鈴木大介氏の「家のない少年たち」になります。著者の鈴木大介氏は、「犯罪をする側の論理」をテーマとして取材活動を行っているルポライターです。『家のない少女たち』、『出会い系のシングルマザーたち』に続いて書かれたのが、この『家のない少年たち』です。『家のない少女たち』読者からの「家のない少女たちの話はわかったけど、家のない少年たちはどうしているの?」という声に答える形で作られたのだそうです。
「
家のない少年たち」のあらすじ
確かに彼らは、生き抜いていた。詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗――家族や地域から取り残され・虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺の仲間となって社会への「復讐」を開始する。だが大金を手にしてもなお見つからない、"居場所"。彼らはそれを探し続けるーー。取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。
出典: www.amazon.co.jp
『家のない少年たち』には少年院で出会った4人の少年たちがつくった「犯罪集団」が登場します。彼らが『ギャングース』の元になる少年たちになります。実際に振り込め詐欺や窃盗など裏家業で稼いだ金を奪う「タタキ」をしています。まるで大名屋敷を専門に荒らした義賊、鼠小僧のようです。機会がありましら是非読んでみてください。