寄生獣のネタバレ解説・考察まとめ
『寄生獣』とは、岩明均による漫画作品、及びそれを原作とするアニメ、実写映画。人間に寄生し、人間を食らう寄生生物。そんな生物(ミギー)が右手に寄生してしまったため、数奇な運命に翻弄されることになった泉新一。単なるモンスター物、ホラー物ではなく高度な哲学性、テーマ性が物語を彩っており、今なお根強い人気を誇っています。
平間警部
壮年の警察関係者で、パラサイト対策を執り行っています。加奈の事件の際新一の髪を抜いたこともありました。パラサイト関連の事件に関し大いにやる気を見せ、倉森のレポートに書かれていた協力者が新一であると確信、またわずかな特徴から田村玲子を見抜き、額を銃で打ち抜くなど警官としてはかなり有能な人物。一方で被害者に対しては少し無神経な面もあり、島田秀雄やAの事件があった新一の学校まで来て我々がパラサイトに勝つと声高に宣言。里美から直接ではないものの嫌悪感をぶつけられますが、意にも介していないようでした。
田宮良子→田村玲子
人間だった頃の地位や名前をそのまま受け継ぐ、稀有なパラサイト。高い知能を有し、高校で数学を教える、名前と身分を捨てて後はパラサイトを組織化するなどしました。男性に寄生したパラサイト、Aとの間に子供をもうけ実験体として育て、用が済めば食べるとまで言いましたが、次第に母性や人間性のような感情が芽生えていきます。
出典: anipla.net
倉森を無意識に殺害して赤ん坊を助ける、警官隊の銃撃から守るなどしながら新一の母の顔を再現。自分たちの存在意義など、あらゆる疑問を考え、答えを見つけても「ああ、そうか」と思うだけだったことや、人間と同じ食事でも生きていけることを話した後、人間たちに赤ん坊を託し絶命。赤ん坊の泣き声から「母の死」を連想した新一は、様々な回想、命に関する思考の果て涙を取り戻しました。
A
田村玲子が田宮良子だった頃に、子供を作る実験の相手をさせられたパラサイト。やや短気な性格で、新一らを紹介された時は「こんな奴らが仲間と言えるか」と戦闘態勢に入りかけました。新一を危険と判断して白昼堂々学校に侵入。戦闘に関しては人間を見くびっている部分もあり、新一をミギーの付属物、もっと言えばお荷物程度にしか考えていなかった様子。防御にのみ徹するミギー、攻撃をする新一という分業により、心臓付近にあっさりと、へし折られた机の脚を刺されて出血。止血の為背中まで貫通させはしましたが自身の肉体がもう使えないと判断。後田宮良子の肉体に同居すべく彼女のいる部屋へと向かい、爆死しました。原作ではどうやって殺されたのかの詳細は描かれませんでしたが、アニメ版では爆発性のガスが充満した部屋に誘い込まれていました(田宮良子は逃走)。ミギー曰く「楽天的で行き当たりばったりな奴」。Aというのは特に名前がないからと便宜上付けられたものですが、世間的にまだパラサイトのことが広まっていなかったこと、上半身がほぼ吹き飛んでいたことなどからずっと殺人鬼Aのままでした。ちなみに、本格的に登場する前動物園から脱走したライオンを殺しています。
島田秀雄
田村玲子により新一の通う高校に派遣されたパラサイト。役目は新一やミギーの監視。口では「人間を食べていない」と言いますが、見た目のいい男性の容姿で女性を釣って文字通り食べていました。その際餌の状態を冷静に分析、田舎で健康的に育った餌をナンパする形での捕食を行っていましたが、女性が食いつきやすい顔の割に中々釣れないことに関し、人間の好みの複雑さをおぼろげに感じながらも「理解しきれない」と踏み込むことはせず。
偶然正体を知った裕子により硫酸を浴びてしまい混乱。十数名を殺した挙げ句、新一とミギーによる石の投擲によって心臓を破壊されて死亡。警官隊も含め多くの死者を出したことから、世間にパラサイトの存在を知らしめるきっかけにもなりました。
立川裕子
島田秀雄のクラスメイトで美術部員。警官の兄曰く絵の才能があり、観察眼も鋭く彼の正体を見抜きます。兄たちが追っているのが化け物であると確信し、念のためにと硫酸を持ち出して殺人行為を止めるよう説得。しかし聞く耳など持つはずもなく、殺されかけます。意を決して窓から木に飛び移り大怪我を追い、そのまま物語から退場。島田秀雄が浴びたのは、自衛の為に彼女が投げた硫酸でした。
【アニメ】新一、里美のクラスメイトとして登場。島田秀雄の事件の後も登場し、特に事件に関してトラウマ的なものを負っている描写もなく島田秀雄事件のきっかけになった点、容姿、名前を受け継いだ程度でした。
草野
田村玲子が集めたパラサイトの一人。仲間たちとは毛色の違った性格の彼女を危険視し、仲間二人と共にリンチにかけ殺そうとしますが、人間の体内なら生きていられる、仲間の脳波(特に敵意や殺意)を感じるというパラサイトの能力を利用した知略で、三人とも返り討ちにされます。
【詳細】触手を利用して逃走した田村玲子を追い、仲間の一人である男が交戦。田村玲子の触手を切断しますが、それが体内に潜行。脊髄を乗っ取られたのか追ってきたもう一人の仲間(女)の上にのしかかった所で男の体が破裂。田村玲子の触手が女の体内に移動。もう片方は笑い声を上げながら人間の目につく場所を疾走、騒ぎが起こります。草野は無茶苦茶だと評しつつ、2体に分裂した田村玲子はもう終わりと考え、触手のいる方へ。女の首元に寄生した田村玲子を倒す為、じわじわと女の体を切り刻みますが、これらはすべて田村玲子の作戦でした。敵意や殺意を特に強く感じる、人間の体内でないと生きられない。ならばさっさと肉体を破壊すればいいものを、いたぶるように体を刻んだことで、仲間であった女から強い敵意、殺意を抱かれてしまいます。敵意や殺意を抱く肉片が、近づいてくる田村玲子の脳波をかき消した為に、彼女の接近に気づかず敢え無く首を刎ねられ死亡、という流れです。
広川剛志
田村玲子が裏で後押しした、東福山市の市長。彼の演説を聞いたミギーは「教師も驚いたが、今度は政治家か」と興奮していました。掃討作戦の際自衛隊に囲まれて「人間こそ地球にとっての害悪、寄生獣だ」と述べますが、散弾銃を浴びて死去。しかし彼はパラサイトではなく人間でした。
後藤
田村玲子が実験で作り上げたパラサイト。曰く「か弱いが最強」。一つの体に五体のパラサイトが寄生しており、眠った状態のパラサイトを文字通り手足として使役。つまり触手の数では圧倒的に有利であり、新一、ミギーも倒せずに撤退。目や手の動きから弾道を読むことができるので銃も基本的に効きません。またほぼ全身を寄生細胞で覆ってはいますが、その鎧は完全なものではなく隙間が存在。二度目の戦闘の際はミギーと新一を別離させることになります。その後比較的緑ある山中で人間を狩って暮らしていましたが、都会の人間が捨てていく廃棄物の中から毒物の付着した鉄棒を鎧の隙間に差し込まれた上、取り込んだミギーが新一の体に戻ったために形勢逆転。毒を感知し逃げようとする他の寄生体を強制的に抑えつけ、支配下に置こうとしますが、それはいわばピンと張った綱引きのようなもの。わずかな切れ込みだけで破裂します。
出典: m-uroko.com
しぶとく生き残るものの、細胞同士が細かく飛び散りすぎたせいで完全復活は五分五分。それまで戦っていた新一でさえ哀れを感じる姿となりました。一度は天に任せると決めた新一でしたが、泣きながら露出した内臓を破壊。「この種を食い殺せ」という本能が数匹分集まり出来上がった戦闘マシンでしたが、田村玲子の言う通り、最強ながら弱いキャラクターでもありました。
三木
後藤と同じく、五体のパラサイトの統率者となれる個体。無口無表情なパラサイトの中にあってわざとらしいくらい饒舌で表情を変えるのは、餌を釣る為。しかし中々に好戦的で、新一の始末を買って出ました。ただ完全に統率できておらず、ミギーは最初三体分の脳波を感知していました。右手が定位置らしく、名前の由来も恐らくそこから。ミギーを示して曰く「皆呼び名に工夫がない」。
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目次 - Contents
- 『寄生獣』の概要
- 物語の特徴
- 『寄生獣』のあらすじ・ストーリー
- ミギーとの出会い
- 田宮良子の接触
- 母の死
- 流れない涙
- 「母」との再会
- 市役所の攻防
- 生きる者のエゴ
- ミギーとの別れ
- 『寄生獣』の用語
- 寄生生物(パラサイト)
- パラサイトの能力・弱点
- 胸の穴
- 『寄生獣』の登場人物・キャラクター
- 泉新一
- ミギー
- 泉一之
- 泉信子
- 信子を乗っ取ったパラサイト
- 村野里美
- 加奈
- 光夫
- 倉森
- 平間警部
- 田宮良子→田村玲子
- A
- 島田秀雄
- 立川裕子
- 草野
- 広川剛志
- 後藤
- 三木
- 浦上
- 宇田守
- ジョー
- 美津代
- 犬
- 『寄生獣』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 『寄生獣』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ミギーのモデル
- 執筆終了後、作者に起きた出来事
- 後藤は死ぬ予定ではなかった
- 他作家による『ネオ寄生獣』
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