寄生獣の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『寄生獣』は、岩明均による日本のマンガ。人間を捕食する寄生生物と右手に寄生生物を宿した高校生シンイチの数奇な運命を描く。
人間の存在が地球に害であるというテーマを掲げており、タイトルの「寄生獣」は前述の寄生生物ではなく、地球に害をなす人間を指している。
その重厚なテーマを背景に、キャラクターによるメッセージ性の強いセリフが多く、作中で多くの名言が登場している。

『寄生獣』の概要

『寄生獣』は、岩明均による日本のマンガである。1988年に講談社の「モーニングオープン増刊」にて全3話の中編作品として連載され、その後同出版社の「月刊アフタヌーン」に1990年から1995年の間、連載された。

人間の脳に寄生し、人間を捕食する謎の寄生生物が地球上に大量落下した夜から物語は始まる。脳への寄生をま逃れ、右手に寄生生物「ミギー」を宿した高校生のシンイチは人間と寄生生物との戦いに巻き込まれていく。

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人間による環境破壊・食物連鎖・生物の本能といった哲学的かつ重厚なテーマを作品全体として掲げている。本能のままに人間を食べる寄生生物側、それに抗う人間側、そしてその中間者といえるシンイチとミギー、それぞれの立場における価値観や倫理感から生まれるセリフが作品に厚みを出している。

『寄生獣』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ミギー「シンイチの言っていることはよく分からん。私の仲間は、ただ食っているだけだろう。生き物なら当然のことだ」

寄生生物たちが人間を捕食していることを知って驚愕する新一に、ミギーは何気ない口調で「シンイチの言っていることはよく分からん。私の仲間は、ただ食っているだけだろう。生き物なら当然のことだ」と告げる。恐ろしい物言いではあるが、「生きるとはそもそもそういうことである」と鋭く指摘するミギーの冷徹かつ合理的な思考が見て取れる。

ミギー「わからん……尊いのは自分の命だけだ…… わたしはわたしの命以外を大事に考えたことはない」

人間に寄生した寄生生物が人間を捕食していることに気づき、自分の立場に悩むシンイチにミギーは「同種が食われるのがそんなにイヤか?」と問いかける。シンイチは人の命は尊いのだから当然だと反論するが、その反論に対してのミギーの返答が「わからん……尊いのは自分の命だけだ…… わたしはわたしの命以外を大事に考えたことはない」である。

ミギー「“バカヤロー”という言葉は自分よりバカな相手に使うべきだ」

シンイチに言いがかりを付けてきた同級生を構わず殴り倒すミギー。「少し手加減しろよ!ミギー!バカヤロー!」と叱責するシンイチに対するミギーのセリフが「“バカヤロー”という言葉は自分よりバカな相手に使うべきだ」である。
冷静かつ知的なミギーの性格をよく表したシーンであり、ミギーファンなら必ず名言としてあげているセリフである。

ミギー「受験勉強?あれは一種の暗号だろ?わたしがほしいのは生きる上で役立つ知識だ」

知的好奇心なミギーは常に勉強している。そんなミギーにシンイチは自分の代わりに大学受験することをお願いする。そんなシンイチの甘えに対して、ミギーは「受験勉強?あれは一種の暗号だろ?わたしがほしいのは生きる上で役立つ知識だ」とのセリフで一蹴する。
読者の中には受験勉強に価値や意味を見出せてなかった高校時代にこのセリフに感銘を受けて、割り切れるようになったという声があがるほど核心をついたセリフである。

ミギー「シンイチ……“悪魔”というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物は やはり人間だと思うぞ…… 人間はあらゆる種類の生物を殺し食っているが わたしの“仲間”たちが食うのは ほんの1~2種類だ……質素なものさ」

自身の正体を明かそうするシンイチに対してミギーは、命を取らずとも口をふさぐ方法はいくらでもあると脅す。シンイチは「悪魔」と罵るが、ミギーは「シンイチ……“悪魔”というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物は やはり人間だと思うぞ…… 人間はあらゆる種類の生物を殺し食っているが わたしの“仲間”たちが食うのは ほんの1~2種類だ……質素なものさ」とのセリフで返す。そして、シンイチは言い返すことができなかった。

ミギー「そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ だがな、それこそが人間の最大の取り柄なんだ 心にヒマ(余裕)がある生物、なんとすばらしい!!」

最終話、ミギーがシンイチの意識の中で問いかけるシーン。シンイチとともに過ごした日々を通して人間の心を理解したミギーが、初めて人間を褒めるシーンで語ったのが「そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ だがな、それこそが人間の最大の取り柄なんだ 心にヒマ(余裕)がある生物、なんとすばらしい!!」というセリフである。
村野里美とのデート中にある事件に巻き込まれ、彼女の身に危険が迫り、シンイチがピンチになったとき、しばらく眠りについていたミギーが助けてくれた感動的なシーンでもある。作品を締めくくるにふさわしい名セリフだ。

ミギー「いつまでもメソメソしてるんじゃない 疲れるから自分で持ちな」

「いつまでもメソメソしてるんじゃない 疲れるから自分で持ちな」とは、作中におけるミギーの最後のセリフである。「心に余裕のある生物」が作品を締めくくる言葉なら、こちらは新一とミギーの関係性を締めくくる最後の言葉である。

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