高坂桐乃（俺の妹がこんなに可愛いわけがない）の徹底解説・考察まとめ

高坂家の主であり、京介・桐乃の父。警察官をしている。強面かつ頑固な性格をしており、有言実行を信条としている。
全く隙のない人物で、桐乃はもちろん、京介も腕力では太刀打ちできず、嘘や方便も通用しない相手である。
桐乃がファッション誌の読者モデルの仕事をしていることについては、学業やスポーツと両立させることを条件に認めている。

高坂 佳乃（こうさか よしの）

京介・桐乃兄妹の母。専業主婦。口が軽く、プライベートな事柄も周囲に話してしまうため、桐乃からは相談相手として信頼されていない。得意料理はカレーだが、実際のところは作るのが楽であるためである。
原作では桐乃からは「お母さん」と呼ばれており、名前についてはアニメ版で明かされた。

新垣 あやせ（あらがき あやせ）

桐乃の同級生で親友。桐乃と同じくファッション誌のモデルをしている。桐乃にはモデルの仕事に不慣れだった頃に助けてもらったり、また勉強を教わったりと公私共に世話になっており、憧憬に近い感情を抱いている。明るく人当たりのいい性格だが、やや考えすぎる傾向があり思い込みが激しい。オタクに対しては強固な偏見や生理的嫌悪感を抱いている。

高坂桐乃の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

クズヒロインの汚名が着せられた理由

高坂桐乃は、インターネット上などで「三大クズヒロイン」の筆頭として挙げられることがある。なぜこのような悪評が立ってしまったのか解説する。

そもそもライトノベルの作品構造が誤解を与える

高坂桐乃は三大クズヒロインという汚名がつけられてしまっているが、このような非難・批判は実は物語構造上仕方ないことである。理由は以下に述べる。

この作品はすべて主人公京介の視点で語られている。
つまり、最初から偏向がかかっているのである。主人公の京介は最初から「妹は自分のことがキライ」と思い込んでいるので、ことさらひどく描かれている。このキャラクターの性格上、おとなしく「お願いする」ことはないが、本当は異なる性質・性格を持っている可能性も少なくない。もともと実際の妹は兄には冷淡かつ傲慢な態度を取ることが多いため、「リアルな描写」と言ってしまえばそれまでである。
そうなると、彼女が言ったわがままは、本当はもっと異なるものであるはずだった、と言えないこともない。物語は京介視点で書かれるために、最後の最後まで彼女が何を考え、何を思い、どうしてそのような行動に至ったか語られないのである。
2期の終盤にて、やっと気持ちがエピソードとして語られるが、極端な話、最初にこの話が語られていたらもっと人気は出ただろう。
つまり、彼女の悪評の大半は、この叙述トリックのせいと言っても過言ではないのだ。

萌えアニメ（ラノベ）の性質上京介にはモテ期が必要

萌えアニメ（ラノベ）の構造上、萌えキャラを複数登場させなければならない。大人の事情で複数のキャラのかわいいところを描かなければならないのだ。
しかし、本作は「兄から見た妹」が「実は重度のブラコン」というギャップ萌えがテーマであり、実の兄妹で必要以上に仲良くなってしまうことが目標であることから、他のキャラとのフラグは物語の添え物でしかなくなる。それ以上にこの兄妹の異常性を際立させるための演出の一部になる。
しかし、兄のモテ期は、「実の妹のわがままをこんなに聞いてくれるなら、恋人になったらもっとすごい」という「妹ありき」のものである。

存外、この2人、一年間をかけてリアルなギャルゲーをプレイしていたのではないだろうか。
2人にとっては「ゲーム」、つまり「本気の遊び」をしていたということと、そういう見方をしてみれば、この作品の評価も変わってくるかもしれない。

真の戦犯は京介と桐乃の幼馴染である田村麻奈美の恋愛観

この2人を「ゲーマー」にしてしまったのは、間違いなくこの人、京介と桐乃の幼馴染、田村麻奈美さ恋愛観にある。
この幼馴染の恋愛戦略は「待ち」の一手。素朴に幼馴染が結婚相手になると信じている。その偏見に近い先入観が、2人を暴走させてしまったと言えなくもないだろう。
さっさと話を進めていれば、2人の暴走もなかったし、視聴者をやきもきさせることはなかったはずだ。
ここで学ぶべき教訓は、恋愛に「待ち」の一手は相手が肉食系の時に限るということである。