チャップリンからの贈りもの(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『チャップリンからの贈りもの』(チャップリンからのおくりもの)とは、2014年のフランス映画。1978年に実在する伝説のコメディアン、チャールズ・チャップリンの遺体を金銭目的で「誘拐」した男たちの実話にスポットを当てた伝記コメディとなっている。チャップリンの実子であるユージーン・チャップリンと、孫であるドロレス・チャップリンが出演していることでも話題となった。コメディ作品かと思えば意外にシリアスで、しかしその中でも時折クスリとさせてくれるのが魅力的な作品である。

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銀行家(演:バンサン・オーベール)

ヌールの治療費を工面しに行ったオスマンを担当した銀行員。

チームメイト(演:アデル・バンシェリフ)

オスマンの友人。

『チャップリンからの贈りもの』の用語

チャールズ・チャップリン

サイレント映画時代に名声を博した、実在する伝説のコメディアン。1914年に映画デビュー。山高帽を被り、大きな靴とちょび髭にステッキというコスチュームがトレードマーク。
セリフを必要としないコミカルな動きと表情、作品に込めた痛烈な社会風刺で世界的な人気を博し、その伝説的な活躍から「喜劇王」と呼ばれている。自身の出演する映画のプロデュースや監督なども行った。1977年12月25日、自宅で睡眠中に脳卒中のため88歳で死去した。
作中では死去のニュースに際し、エディとオスマンに遺体を誘拐されている。
また、本作の作中でローザの経営するサーカスで働いていた支配人の男を演じた、ユージーン・チャップリンは四男、チャップリン夫人を演じたドロレス・チャップリンは孫である。

『チャップリンからの贈りもの』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

チャップリンの墓を訪れるオスマン一家

妻のヌールの治療費のために、喜劇王の遺体を誘拐するという「とんでもない犯罪」に打って出ることになってしまったオスマンだが、彼を救ったのは喜劇王、チャールズ・チャップリンの妻だった。彼の窮状を知ったチャップリン夫人は、自身が被害者という立場であるにもかかわらず、多額の医療費を肩代わりし、オスマン一家を救ってくれたのである。
すっかり完治して退院したヌールと娘のサミラを伴い、オスマンはチャップリンの墓を訪れる。そして、溢れんばかりの感謝を伝え、援助してもらった金銭は必ず返済すると誓うのであった。そしてオスマンの相棒だったエディもまた、サーカスの道化師として新たな人生を歩み始める。
世界中を笑わせてくれた喜劇王とその妻が、貧困に喘いでいた2人の男に希望を灯したことを表した、美しいラストシーンだ。
本作のタイトルにもなっている「チャップリンからの贈り物」とは、一体なんだったのか。人は誰でも過ちを犯し、それによって人生を狂わせてしまう人も多くいる。しかし、もしそこで人生をやり直す機会をもらえたなら、と思うことも少なくない。そして、それこそがチャップリンが男2人に与えたものではないかとも思える。

『チャップリンからの贈りもの』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

実際に誘拐されているチャップリンの遺体

作中、エディとオスマンがチャップリンの遺体を誘拐するシーン。驚愕の実話事件が元になっている。

困窮する男たちによるチャップリンの遺体誘拐を描いた本作『チャップリンからの贈りもの』だが、実際にモデルになった事件が存在している。
チャップリンの死後2ヶ月と少しが経った1978年の3月1日、彼の棺は移民の失業者であるポーランド人のロマン・ヴォルダスとブルガリア人のガンチョ・ガネフによって墓から盗み出されるという被害に遭っている。
棺を盗んだ彼らは、チャップリンの妻であるウーナに60万スイス・フランの身代金を要求するという大胆な犯行に打って出たが、警察が施行した大規模な作戦により逮捕された。犯行の動機は、自動車修理工場の開業資金を得るためだったという。
同年5月、チャップリンの棺は墓地に近いノヴィーユ村の麦畑に埋められている状態で発見された。帰ってきた遺体は、再発を防止するために鉄筋コンクリートで周りを固め、同じ墓地に埋め戻されたという。

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