『地獄先生ぬーべー』における、妖怪のオリジナル要素

90年代にジャンプで掲載されていた、オカルトとコメディとエッチ(少年誌でギリギリ掲載できるレベル)が融合した漫画、『地獄先生ぬーべー』。妖怪や伝承の類には諸説あるものですが、「これはオリジナル設定なんじゃないのか」と思ったものが結構ありましたので。

首の長い妖怪として有名ですが、作中では…。

中途半端に頭だけ幽体離脱状態になる体質(?)、という設定に。この子はこの話以降もたびたび首をのばしたりしてました。

百目鬼(どどめき)

才女として皆から尊敬されている少女のお話。どういうわけか、彼女の手に「目玉」ができ、何度潰しても出てくる上に「痛い」。ぬーべーは「いつ頃できたか言ってくれないか。ある行為をした人間にしかできないんだ」と水を向けるのですが、「忘れました」と気まずげに言うのみ。実は彼女、才女だなんだと周りから期待されることに疲れ果て、万引きをすることで安心感を得ていたのでした。

せっかくできた友達を失いたくないという気持ちもあって、誰にも万引きのことは言えないと悩んでいたら、全身に目が発生。伝承でも盗癖のある女性が百目鬼に取り憑かれたとありましたが、そこには理由がありました。
百目鬼の正体は「見られているかも」という罪悪感で、罪の告白をした途端百目鬼はきれいさっぱり消え失せました。鬼の手や経文ではなく、彼女自身の行為で「退治」できたわけです。

ぬらりひょん

『鬼太郎』では敵ポジションでしたが…?今作中でも伝承でも、勝手に家に上り込んではものを食べたりしていました。そして言うのです。「わしは誰じゃ?」

神様でした。最後の笑顔が優しい…。

まとめ

伝承も妖怪も、気の持ちようでどうにでも変わります。「洗った食器を雑に積んだ場合。鍋がバランスを崩して音を鳴らせば、昔の人は『鍋が勝手に動いた』と思ったかもしれない。そこから妖怪の概念が生まれたんじゃないか」といったある人物の話を聞いたことがあります。
「人の心が妖怪を生む」とは、ぬーべーでも語られていた言葉。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて言葉もありますが、あまり怖がらず、「この妖怪はこういう意味が?」なんて考えるのも面白いかもしれません。

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