FEMM(フェム)の徹底解説まとめ

FEMM(フェム)とは、2013年に活動を開始した日本の女性マネキンラップデュオ。「機械じかけのマネキン」「謎の組織によって命を与えられたプラスチック製の人形」というコンセプトのもと、従来のクラブミュージックとは一線を画す重厚かつ無機質な楽曲やダンスを持ち味として活動。従来の日本のエレクトロ・ミュージックシーンを覆すかのような斬新な音楽性と、キュートなルックスで人気を博すが、2023年に惜しまれつつ解散した。

初期のFEMMの音楽性を語る上では外すことのできない一曲。タイトルの「UFO」は、まさにFEMMという存在そのものの比喩で、人間社会に降り立ったマネキンが、観察者として地球の文化を分析するという視点で描かれている。
エフェクトやFzのラップ、FEMMの無機質な声とコントラストを成しており、リリース当時の2014年、日本のプロジェクトで発表するには「異色」とも語られるほどの衝撃をもたらした。

We Flood The Night

重厚なベースラインとキラキラなシンセサウンドが共存している、まさしく夜を感じるようなクラブライクなナンバー。無機質なボーカル加工と、夜の街のネオンのようなサウンドがFEMMの「マネキン的な美学」を体現した、ファンの間でも人気の高い一曲。

Unbreakable

初期の冷たくデジタルな印象が強いFEMM像からの転換期にリリースされた美しい楽曲。トラップ調の重く沈むビートでありながら、繊細に重ねられたシンセの層が印象的な一曲に仕上がっている。

FEMM(フェム)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「人間かマネキンか分からない」演出を徹底したRiRiとLuLa

徹底して「機械」「マネキン」を追求した二人

RiRiとLuLaはユニットの「機械じかけのマネキン」というコンセプトに基づき、活動初期から「人間かマネキンか分からない」演出を徹底していた。
MVやライブでの表情のほとんどが感情を抑えた無表情で、観客が本当に「AIなのか人間なのか」を迷うように計算されており、公式インタビューでも「マネキンです」と言い切ることが多く、ファンはそのギリギリ感を楽しんでいた。
また、ロボティックな動きで彼女たちの持ち味となった「マネキンダンス」に関しても計算されつくしており、完璧に同期させるわけではなく、わずかに人間味を感じる微妙なズレを残すことで「人工的なのに生っぽい」絶妙な違和感を生み出しているという。
FEMMの公式アカウントでも最後まで「人間じゃない視点」で投稿を続けるなど、徹頭徹尾「マネキン」として行動していた彼女たちは、イベントやライブでのコメントにおいても機械のように抑揚のないテンションで返すことが多く、こうした小さな仕掛けの数々が、FEMMの「謎めいた存在感」を増幅していたとして、解散後も高く評価されている。

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