キルミーベイベー(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『キルミーベイベー』とはカヅホによって、2008年より芳文社の月刊誌『まんがタイムきららキャラット』に掲載されている日常系4コマ漫画である。ごく普通の学校に通う「殺し屋」・ソーニャと、その友人・折部やすなが織りなす日常生活をコミカルで少しバイオレンスに描く本作。登場人物が基本的に3人(+1人)と極めて少ないことが特徴である。「殺し屋」のソーニャに自らの危険を顧みず、いつもまとわりつくおバカなやすな。たまに「忍者」のあぎりも登場。仲が良いのか悪いのか今日もやすなが煽ってソーニャがキレる。

昔々、受けた仕事は必ずやり遂げる「キル太郎(ソーニャ)」という日本一の殺し屋がいた。ある日キル太郎はある筋から依頼を受け鬼退治に向かった。そこへ1匹の犬(やすな)がついていきたいと声をかけてきた。あまりのしつこさにキル太郎はドクロマークの付いた袋から明らかに毒入りのきび団子を犬に与えた。犬は団子を片手にその場に倒れた。次に現れたのは雉(あぎり)だった。雉は仲間にしてもらいたいのではなく、「鬼殺し」と書いた鉄砲型の武器を売ろうとキル太郎に声をかけてきた。キル太郎はそれをきっぱり断り普通に通り過ぎた。後ろから猛ダッシュで猿(没キャラ)が「なんでもしますから鬼退治に連れて行ってください!」と正当な言い分で仲間を申し出てきたのだが、キル太郎はすでに向こう岸に向かって船を出した後だった。キル太郎は艱難辛苦の旅路の末、ようやく鬼がいる島に辿り着くことができた。そこには桃がたくさん実っていた。その一つをキル太郎は切り取って食べた。すると村に住む子供(やすな)や村人(全員やすな)に囲まれて桃を食べたことを「鬼だ!」と囃し立て非難された。大量の村人に「鬼」コールされ、苛立ったキル太郎は、剣を抜いた。その島はのちに「鬼ヶ島」と呼ばれるようになった。

キルその12「ちょこがねむけてけがしっぷ」

「ターゲット」の写真を持ち歩いていたソーニャに対して、やすなはソーニャが殺し屋という仕事をしていることを思い出した。そしてやすなは「ソーニャを更生させること」を使命としていたことも思い出し、一人張り切りはじめた。
やすなはソーニャに殺し屋なんてそんな危ないことをやめさせるため、ソーニャを自分のような立派な一般人にさせようとした。試しに背後から声をかけても反射的に攻撃しないかやすなが後ろから肩を叩いた。ソーニャは余裕で何もしなかったが、やすながついでにほっぺに指を立てたことに怒りやり返した。やすなはソーニャがすぐ怒るところを直した方がいいと訓練させようとするが、ソーニャは全くそんな気がなくいつものように襲いかかってくるやすなを撃退した。次にやすなはソーニャは優しさが足りないと指摘した。そしてやすなは自ら犬になり、動物に優しくしてみようと提案した。犬のように扱っていいと言われたソーニャはやすなに「待て」をひたすら要求した。お弁当も「待て」されたやすなは我慢できなくなり、犬をやめ代わりに「ぴょんすけ3号」と名付けているクタクタなウサギのぬいぐるみを取り出した。やすなは「抱きしめると優しい気持ちになれるよ」と言ってソーニャに渡した。ソーニャは胸にぎゅっとぬいぐるみを抱きしめ、そのまま思いっきり力を込めた。ぴょんすけ3号はあっけなく破裂し中の綿が舞った。ぴょんすけ3号の亡骸を前にやすなは打ちひしがれた。
なかなかソーニャを更生するのが難しいと悟ったやすなは、ソーニャに殺し屋をやめて接骨院で働いたらどうだと提案した。そしてその光景を想像した。白衣を着たソーニャが首が痛いという患者の骨を間違えて折ってしまうところを想像して、やすなは「やっぱダメか…」と青ざめた。

キルその13「きるがみーしてべいべする」

ある放課後、やすなはソーニャに一緒に帰ろうと声をかけたがソーニャは「用事がある」と言って断った。ソーニャがきっぱり断る様子にやすなは社会的に良くないこと(殺し屋の仕事)をするんじゃないかと察した。どうしてもそれを阻止しないといけないと思ったやすなは、どうにかしてソーニャを引き留めようと決意した。ソーニャはそれを冷静に回避し帰宅していった。やすなはソーニャが本当に仕事するんじゃないかと心配し後をつけていくことにした。しつこく後を追いかけてくるやすなを振り払おうとソーニャは足を早め逃げ出した。ソーニャを見失ったやすなは道に迷ってとぼとぼ歩いていると、目の前に飴を餌にしたわかりやすい罠が仕掛けてあった。罠だと気づいていながらもそこに置いてある飴に惹かれ、やすなは罠に手をかける。案の定やすなは罠に引っかかり、そのまま落とし穴に落ちた。なんとか落ちるのを耐えていたやすなにソーニャは「そこでおとなしくしてろ」と覗き込ん言った。踏ん張っていた手が限界になったやすなはソーニャに向かって手を伸ばし、落ちる寸前でソーニャのネクタイを掴んだ。二人は一緒に穴の底へと落ちていった。中で揉め始める二人だったが、ソーニャはやすなを簡単に騙して、やすなを踏み台にし穴を脱出した。その場を去ろうとするソーニャにやすなは泣きながら大声で「ソーニャちゃん!言っちゃダメだよ!殺し屋なんてやってちゃダメだよ!いつか酷い目に遭っちゃうよ!」と必死で訴えた。ソーニャは歩みを止めてその声を聞いた。やすなは泣きながら「私…ソーニャちゃんと遊べなくなっちゃうよ」「行かないで」と穴の外に向かって言った。すると上からロープが下され、上には戻ってきたソーニャの姿があった。
一緒に帰る帰り道、ソーニャは人と会う約束は変更になったのだと言った。それに満足したやすなはうっかり背後からソーニャの肩を触れてしまった。やっぱりすかさず手首を折られてしまったやすなだった。

『キルミーベイベー』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

折部 やすな(おりべ やすな)

CV:赤﨑 千夏
本作の主人公の一人。茶色い髪のショートボブヘア。テレビ版序盤では「たぶん高校生」「おおよそ高校生」「おそらく高校生」という自己紹介があったため、やすなたちは高校生だと思われる。
自称「ソーニャの友人」であり、いつもソーニャを煽ったり思いつきの行動で彼女を巻き込んだりしている。最後にはソーニャが怒ってやすなが打ちのめされるのがお決まりパターンである。性格は天然ボケでおバカなキャラだが、物語終盤になるにつれ卑劣さや意地汚さも目立つようになってくる。反面、殺し屋であるソーニャを心配しており、必死に仕事へ向かうソーニャを阻止しようと試みる。しかしそのほとんどはソーニャが上手なことによって失敗に終わっている。体が尋常じゃないほど丈夫であり、ソーニャに何回やられてもすぐ復活する。
ソーニャのことは「ソーニャちゃん」と呼び、あぎりに対しては「あぎりさん」と呼んであぎりに対しては敬語で話す。
金銭感覚が狂っていて、お腹が空いていても食べ物を買わず有り金全部を遊びに使ってしまったり、明らかに計画性がない無駄遣いばかりしている。

ソーニャ

CV:田村 睦心
本作の主人公の一人。金髪のツインテールで青い瞳をしている。やすなと同じクラスの自称殺し屋の少女。常に冷静に物事を判断するが、非常に「ビビり」で臆病な一面もある。本人曰く臆病なのではなく「用心深い」らしい。ゴキブリや幽霊の類も苦手。気安く触るやすなの手首を職業病でつい折ってしまったりするが、すぐに直すこともできる。
普段はやすなとともに普通の学校生活を送っているが、携帯電話に依頼がくるとそのまま仕事に向かったりする。直接「仕事」をしている描写はなくたまに返り血を浴びて帰ってきたりと間接的な描写はある。ソーニャは大きい組織に所属しており上に依頼されそれをそのままこなす仕組みになっている。
基本的にクールで冷静なツッコミ役だが、実は感情的になりやすくイタズラを仕掛けてくるやすなに対して怒りを露わにして容赦なく叩きのめす。やすなと同じく己のために相手を平気で踏み台にするようなところもあるが、なんだかんだやすなの友人であることを認めている。好物は焼きそばパン。

呉織 あぎり(ごしき あぎり)

CV:高部 あい(テレビアニメ)/篠田みなみ(きららファンタジア)
ソーニャと同じ暗殺組織に所属している自称忍者の殺し屋。黒紫のロングヘアーでやすなやソーニャよりも長身であり、普段は糸目なことが多い。性格はおっとりしていて間の抜けた感じ、その上結構いい加減なところがある。神出鬼没で、よくやすなとソーニャが困った時に登場してきては得意の忍術でなんとかしようとする。しかし、大抵失敗に終わり状況は改善するどころか悪化することが多い。忍術を得意としているが実際は下手な手品のようなインチキ臭いものばかりである。しかし自分に危害が加わわりそうな時などにはちゃんと忍術っぽいことをやってやすな達を驚かせる。おそらく得体の知れない謎の力を持っている。自宅にはカラクリがたくさん仕込まれていて忍者屋敷のような仕様になっている。
ゆっくりと間延びした話し方はテレビ版からの逆輸入であり、テレビ版では金に強欲という特徴が強く描かれている。

没キャラ(ぼつキャラ)

CV:釘宮 理恵
やすな達の学校に通う生徒で、容姿は赤毛で三つ編みポニーテール。名前の通り「ボツ」になったキャラクターで、ストーリーに直接関係した登場はしていない。自身を没キャラと自覚しており、なんとか出番が欲しくてやすなたちに接触しようとするがあと少しのところで失敗する。なのでやすなたちは没キャラの存在を認識していない。設定としてはソーニャとあぎりの属している暗殺組織に敵対する組織の者で、ボケ要員だった。しかし、このキャラクターが諸般の諸事情により没になったため、ボケの要素はそのままやすなに吸収された。
時たま出てきては不運に逢い、やすな達に無視し続けられるというかわいそうなキャラだが他3人のキャラよりも素直でまともな人格である。

敵対組織の刺客たち(テレビ版にも登場)

ヒットマン

CV:チョー
第4話に登場。ソーニャを狙って尾けていたナイフ投げが得意なヒットマン。空き教室のロッカーに身を潜めていた。空気よ読まずに攻撃してきたあぎりに一瞬でやられてしまいロープでぐるぐる巻きにされてしまった。

偽やすなA

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@nicotouch12124

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