クリムゾン・ピーク(Crimson Peak)のネタバレ解説・考察まとめ

『クリムゾン・ピーク』(Crimson Peak)は、2015年のアメリカ映画。『パンズ・ラビリンス』などで知られるギレルモ・デル・トロ監督作のゴシック・ホラー映画で、死者の魂と通じ合う能力を持つひとりの女性作家が、屋敷に巣食う幽霊たちに導かれながら、夫と義姉がひた隠しにする真相を暴くまでを描いている。ミア・ワシコウスカやトム・ヒドルストンらをはじめとする豪華な出演者や、あらゆる視覚情報を細部にまで拘って制作された、美しい映像でも話題となった。

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『クリムゾン・ピーク』(Crimson Peak)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

細部までこだわって制作された本作の世界観

「豪華絢爛」という言葉がピッタリの屋敷内装に、ゴージャスな衣装。灯りの入れ方も効果的で重厚感が漂っている。この時代のファンでも、そうでなくても、ウットリすること間違いなしだ。

本作『クリムゾン・ピーク』には、細部にまでわたり、監督を務めたギレルモ・デル・トロのこだわりが凝縮されている。物語の舞台となる屋敷はCG合成ではなく、カナダのオンタリオ州トロント近郊に実際に建てられた撮影用の屋敷を使用し、デル・トロ自身が美術スタッフと共に建築にあたったという。内装の色彩や構造はすべて「血」と「土」と「腐敗」をモチーフとして一から作られており、細かい部分までこだわったものに仕上がっている。
さらに、本編中に登場する多くの家具は、登場人物の感情を表現するため、シーンごとにサイズを変えて作られている。ただ座るシーンひとつとっても、家具の大きさがそのキャラクターの心理状態を反映するように工夫をこらしているという。
衣装にもこだわりを発揮しており、物語の黒幕として登場するルシールの真っ赤なドレスは、狂気と情熱を象徴するようにデザインされた。
また、映画に登場する幽霊たちは、実際の人間の死後の姿を忠実に再現するため、特殊メイクとCGを駆使し、極限までリアリティを追及。特に、終盤の最重要シーンで登場したトーマスの幽霊は、彼の内面の葛藤を表現するために細部までデザインにこだわったといわれている。
視覚から得られる情報全てに気を配って制作され、デル・トロ自身も「最高傑作」と自画自賛するほどの、うっとりするような映像美で作り込まれた本作は、新世代のゴシック・ホラーの金字塔として多くのファンを掴んでいる。

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