『友よ、さらばと言おう』(原題:Mea Culpa)とは、2014年のフランス映画。感情をセリフではなく行動と表情で語る演出と、フランス映画らしい実写スタント重視のカーアクションで好評価を獲得したハードボイルド・アクション作品である。かつて敏腕刑事だったシモンは、酒気帯び運転による事故で妻子を傷つけ、同僚の信頼も失って警察を追われてしまう。警備員として静かに暮らしていた彼だが、息子が偶然殺人現場を目撃したことで、マフィアとの闘いに身を投じていくことになる。
『友よ、さらばと言おう』の概要
『友よ、さらばと言おう』(原題:Mea Culpa)とは、2014年のフランス映画。監督と脚本をフレッド・カヴァイエが務め、持ち味である「感情をセリフではなく行動と表情で語る」を活かしたハードボイルド・アクション作品となっている。フランス映画らしく、CGをほぼ使用しない実写スタント重視のカーアクションでも好評価を獲得し「王道アクションの職人芸」と称賛の声が上がった。
ハードボイルドの醍醐味はやはり「渋さ」にある。出演する登場人物の渋みや汚らしい衣装も一層うらぶれた感を演出しており、アウトローな雰囲気を醸し出すための工夫が随所にみられる。また、街中や電車の中で容赦なく発生する銃撃戦に対しても「やはりハードボイルドはこうでなくては」と評価されている。
かつて敏腕刑事だったシモンは、酒気帯び運転による事故で妻子を傷つけ、同僚の信頼も失って警察を追われてしまった。警備員として静かに暮らしていた彼だが、自身の息子が殺人現場を目撃したことで、マフィアとの闘いに身を投じていくことになる。
原題の『Mea Culpa』にはラテン語で「私の過ち」という意味があり、登場人物の懺悔と再生を余すことなく描いている。
家族を守るために奔走するシモンと、それをサポートする元同僚のフランクの2人が織りなす、「よくありがちなコンビもの」ではあるが、ラストの切なさ溢れる展開でタイトルの意味を察することができる構成となっている。
『友よ、さらばと言おう』のあらすじ・ストーリー
事件を目撃してしまうテオ
銃犯罪の横行するとある町で警備員を務めるシモンは、過去の飲酒運転で事故を起こして懲戒免職を受けた元刑事。シモンはある日、迎えに来た元同僚の刑事のフランクの車に乗り、職場まで送ってもらった。懲戒免職を受けてしまったシモンにも親切なフランクは、シモンの元妻や息子にも目を掛けてくれている親切な友人だった。
シモンは元妻であるアリスと、息子のテオの送り迎えについて口論になってしまっていた。テオの空手の試合に間に合わなかったことをアリスに責められ、さらにテオから彼女に新しい恋人がいる事を聞かされ、シモンは意気消沈する。
しかし、アリスの新たな恋人と出かけた闘牛場で殺人現場を目撃してしたテオは、幼いながらに犯人たちに追われる身となってしまう。
バディ再結成
目撃者のテオは、警察に保護されることになった。彼を引き取りにきたシモンは、警察署の前で待ち構えていた犯人グループと銃撃戦になってしまう。
テオはなんとかその場を逃れ、犯人グループの1人を一人を殴り倒したシモンと共に、フランクの家に匿われることになった。その家では娘のマノンがフランクの帰りを待っていた。
怯えるテオを寝かしつけたシモンは、息子を守るため、一人で犯人に立ち向かうことを決意した。
職場である警備員の事務所から銃や弾薬を持ち出したシモンが外に出ると、待っていたのはフランクだった。親身な彼は「昔みたいに二人で組もう」とシモンを誘い、それでも一人で行こうとするシモンを説得すると自身の運転する車に乗せた。
シモンは自身が病院送りにした犯人グループのメンバーにアジトを聞き出し、犯人グループが麻薬取引で使用している「ホワイノット」という店の名を吐かせるのであった。
絶体絶命のシモン一家
「ホワイノット」は、売春宿も兼ねている店のようだった。店に乗り込んだ二人はその場所を聞き出そうとするが、その場にはフランクを知る女性が居合わせていた。彼女が「警察が来た」と叫ぶのと同時に銃撃戦が発生し、取引に来ていた犯人グループにも気づかれてしまう。
シモンとフランクは組織の一団に外の倉庫まで追いつめられてしまった。撃たれて負傷したフランクと言い合う一味の若者をシモンが撃ち殺し、2人は何とか難を逃れた。
その後フランクは、シモンは組織に顔を知られてしまったので、シモンとアリスとテオの三人に、街を出て、自分の姉の所へ行くようにと忠告した。
そして翌日高速電車に乗るシモンたちを見送ったフランクは、駅に組織の車があるのを見つけてしまう。同じ電車の中に犯人たちが乗っているかもしれないと察したフランクはシモンに連絡を試みるが、携帯電話は繋がらなかった。
フランクは駅に警察を動員するように仲間の警察官に命じ、自分は車に乗り込むと電車を追った。
その頃、車内では犯人の一味がシモン達を探していた。
明かされる真実
車掌たちに止められた追手は二等車に連れて行かれそうになっていたが、シモン達のいる車両の中で発砲した。シモンは自ら銃で応戦し、アリスとテオを逃がそうと奮闘する。彼らが車内を逃げているうちに、異常を察した客が電車を緊急停止させた。
停止した電車に追いついたフランクは線路に降りると車内に入り、犯人たちと戦闘になっているシモンを助けたものの、自身は撃たれて致命傷を負ってしまう。
一方、別の追っ手に追われていたアリスとテオは、捕えられて窮地に陥っていた。しかし、テオが消火器を吹き付けアリスがパソコンで殴り、何とか逃げ出した。
シモンは追手の一人と共に線路に落ちて殴り合ったすえ、追手を電車が通る線路に追い込んで倒すことに成功する。
追手を倒したシモンが車内にいるフランクの元へ戻ると、彼は「許してほしい」と言い残して息を引き取った。
かつて飲酒運転でシモンが懲戒免職された一件は、本当は自分が娘へのプレゼントを取りに行く間に、眠ってしまったシモンの代わりに運転してた自分が起こした事故だったことを告白した。シモンが助手席で死んでいると思った彼は、シモンが起こした事故に見せかけるために、運転席にシモンを座らせ、自分は難を逃れようとしていたのだ。フランクがシモンと彼の妻子にずっと親身にしていた本当の理由は、その罪悪感ゆえだった。
『友よ、さらばと言おう』の登場人物・キャラクター
シモン(演:ヴァンサン・ランドン)
画像手前の男性がシモン
本作の主人公。飲酒運転で懲戒免職された元刑事で、現在は警備会社に務めている。離婚した妻のアリスとは息子のテオの育児方針などでしばしば対立しているが、2人のことを大切に思っている。
フランク(演:ジル・ルルーシュ)
子どもを抱いているのがフランク
シモンの元同僚の刑事で、彼の相棒だった男。シモンが警察を懲戒免職された後も何かと彼を気にかけ、アリスやテオに対しても積極的に手助けをしている。マノンという一人娘がいる。
アリス(演:ナディーン・ラバキー)
画像左の女性がアリス
シモンの元妻。テオの育児方針などを巡ってテオとは対立しがち。新たな恋人がおり、彼と出かけた闘牛場でテオが殺人事件を目撃してしまったことで、一連の事件に巻き込まれる。
テオ(演:マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ)
画像左の少年がテオ
シモンの息子。殺人事件を目撃してしまい、幼いながらに追われる身になってしまう。空手を習っており、いざという時には母を守るために行動できる勇敢な少年。
目次 - Contents
- 『友よ、さらばと言おう』の概要
- 『友よ、さらばと言おう』のあらすじ・ストーリー
- 事件を目撃してしまうテオ
- バディ再結成
- 絶体絶命のシモン一家
- 明かされる真実
- 『友よ、さらばと言おう』の登場人物・キャラクター
- シモン(演:ヴァンサン・ランドン)
- フランク(演:ジル・ルルーシュ)
- アリス(演:ナディーン・ラバキー)
- テオ(演:マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ)
- ジャン=マルク(演:シリル・ルコント)
- 『友よ、さらばと言おう』の用語
- ホワイノット
- 飲酒運転
- 『友よ、さらばと言おう』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- フランクの独白
- 『友よ、さらばと言おう』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 足が遅すぎるマフィア
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