殺し屋1（漫画・映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『殺し屋1（いち）』とは日本のバイオレンスアクション漫画である。原作は山本英夫で1998年から週刊ヤングサンデーに掲載されていた。過激な暴力表現が特徴であり、2001年に三池崇史監督で実写映画化された時にはあまりにも激しい暴力シーンのため、性描写以外では初のRー18指定となった。元いじめられっ子の主人公「城石一（イチ）」は謎の男（ジジイ）のマインドコントロールによって凄腕の殺し屋に仕立て上げられていた。新宿歌舞伎町にある「ヤクザマンション」を中心にした暴力団との攻防・混沌を描く問題作。
二郎・三郎（じろう・さぶろう／演：松尾 スズキ・二役）
左：三郎、右：二郎
垣原が助っ人に呼んだ双子の兄弟。垣原が以前いた九州の阿藤組の生き残りである。顔はほぼ同じだが二郎はリーゼント、三郎はドレッドヘアーで共にダブルのスーツを着ている。実際は三子であり一番上の一郎がいた。一郎は些細なことが原因の兄弟喧嘩のもつれで二郎・三郎により殺されてしまった。垣原が「イカれている」と言うほど誰彼構わず暴力でねじ伏せる要注意人物である。二郎は怪力の持ち主でなんでも素手で引き千切ってしまう。三郎はドスの名手でナイフのような小刀を常に持ち歩いている。凶暴極まりない二人だが唯一垣原にだけは頭が上がらなかった。垣原のどれだけやられてもだんだん強くなる様には流石の二郎・三郎も度肝を抜かされていた。
昇を拷問していた二郎の元へイチがやってきて交戦、イチに腕の関節を切断された後に蹴りで首の骨を折られ絶命する。二郎をイチに殺された三郎は「オレがいつか三郎を殺すはずだった」と怒り、イチを探す。三郎はイチに頭の皿を髪ごとスライスされあっけなく死んでいった。
映画版では二人は警察官という設定で原作とは大きく異なっている。
藤原（ふじわら／演：手塚 とおる）
安生組・垣原組の一員。最後まで残っていた中では唯一の生存者。安生が殺された日にそのことに気づかなかった罰として性器にピアスを埋め込まれた。これまでも何か失敗するたびに垣原に顔や体にピアスを開けられていた。最後まで金子と垣原組に残っていたが、高山・二郎・昇の死体を捨てにいく際金子に「逃がしてくんねェか」と泣きながら懇願した。
垣原組の関係者
カレン（演：Alien Sun）
安生の元愛人でパブ「ヒランドゥー」のホステス。安生の死後、新宿中のネットワークを使い垣原組の手助けをしていた。チンピラをいたぶる垣原を一緒になって痛めつけたり、サディスティックな一面もあるが垣原の期待に添えるものではなかった。垣原が必要とする情報をあらゆる手段を使って用意し、ヘロインの売人や、ミユキの存在も見つけ垣原に差し出した。
しかし実際はジジィについていた人物であり、一連のカレンの行動もジジィの計画通りのものだった。カレンはイチを翻弄するため立花を連想させるマゾ女としてイチに電話をかけていた。垣原が死んだ後、ジジィは用済みになったカレンをイチに始末させる。カレンは妄想に取り憑かれたイチに首を切断され殺された。
映画版ではカレンは中国人で中国語・英語・日本語を混ぜて話す。
鈴木（すずき／演：寺島 進）
安生組と同じ三光連合の傘下「船鬼組」の若頭。ジジィに唆された垣原に拉致され理不尽かつ凄惨な拷問をされ垣原を恨んでいた。全身大火傷を負い入院を余儀なくされる。その間に中国人に扮したジジィの口車に乗りジジィらに垣原組の殺しの依頼を三億円で依頼する。実行されていく殺人を喜んでいたが、イチを探す三郎によって脳天を刺されあっけなく殺された。
中沢 俊至（なかざわ しゅんじ／演：有薗 芳記）
安生組・船鬼組を傘下に納める本家三光連合の会長。昔頭に銃弾を受けたため常にフラフラしている。今でもその弾は頭に残っていると言われている。いつも愛犬のオセロを抱いている。垣原が鈴木を根拠なく拷問したことで安生組と船鬼組に溝ができ、その間に入って仲裁しようとした。しかし、垣原の一方的なケジメによって問題は有耶無耶のまま終わった。
それでも続く垣原の暴挙に中原は垣原を破門にした。
船鬼（ふなき／演：國村 隼）
安生組と同じ傘下にいる船鬼組の組長。武闘派で通っている安生組に対して船鬼組は金を稼ぐことに執着しているインテリヤクザである。若頭の鈴木を拷問されたことで垣原と確執ができ、垣原破門後は鈴木に垣原の後始末を一任した。
安生 芳雄（あんじょう よしお）
新宿の暴力団の中でも武闘派として恐れられている安生興業の組長。本作はこの安生の死から物語が始まる。ヤクザマンションの一室で十七歳の愛人との性交中にイチに愛人共々惨殺される。その際、ベッドの下に血で「1」とダイイングメッセージを残した。垣原は安生の暴力に惚れていたが、それは所詮垣原が望んだからやっただけのお遊びでしかなかった。カレンは安生の愛人だった。
その他
セーラ（演：後藤 麻衣）
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目次 - Contents
- 『殺し屋1』の概要
- 『殺し屋1』のあらすじ・ストーリー
- 泣き虫の殺し屋
- 残虐なマゾヒスト
- いじめられっ子のサディスト
- 抗争
- 拷問
- 攻防
- 兄弟
- ラブコメディ
- 計画
- 『殺し屋1』の登場人物・キャラクター
- はぐれ者グループ
- イチ（演：大森 南朋／中学期：三浦 アキフミ）
- ジジィ（演：塚本 晋也）
- 昇（ノボル）
- 龍（りゅう／演：KEE）
- 井上（いのうえ／演：新妻 聡）
- 垣原組
- 垣原 雅雄（かきはら まさお／演：浅野 忠信）
- 金子 修二（かねこ しゅうじ／演：SABU）
- 高山（たかやま／演：菅田 俊）
- 二郎・三郎（じろう・さぶろう／演：松尾 スズキ・二役）
- 藤原（ふじわら／演：手塚 とおる）
- 垣原組の関係者
- カレン（演：Alien Sun）
- 鈴木（すずき／演：寺島 進）
- 中沢 俊至（なかざわ しゅんじ／演：有薗 芳記）
- 船鬼（ふなき／演：國村 隼）
- 安生 芳雄（あんじょう よしお）
- その他
- セーラ（演：後藤 麻衣）
- セーラの情夫（演：木下 ほうか）
- 金子 タケシ（かねこ たけし／演：小林 宏至）
- 立花（たちばな）
- ミユキ（演：青木 理央）
- マリナ
- ミカ
- ヤクの売人（演：風祭 ゆき）
- 「ヒランドゥー」の店長（演：川屋 せっちん）
- 映画版オリジナルキャラクター
- 「ヒランドゥー」の客（演：森下 能幸）
- イチのバイト先の店長（演：モロ師岡）
- 垣原組の下っ端（演：佐藤 佐吉）
- 風俗店の店員（演：迫 英雄）
- 中沢の付き人（演：森羅 万象）
- ヤクの売人（演：菅原 香織）
- 『殺し屋1』の用語
- ヤクザマンション
- 北新宿中央総合病院
- パブ「ヒランドゥー」
- ピアス用ニードル
- 「イチによる平和の新宿（ハイキョ）計画」
- SM用語
- マゾ（マゾヒスト）
- サド（サディスト）
- サブインシジョン
- 『殺し屋1』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 龍「对不起（ゴメンネ）……」
- 垣原「待っていた…オマエみたいな変態を」
- ジジィ「なんてロマンチックなんだ」
- 垣原組発足の見せしめシーン
- 映画版セーラの情夫の切断シーン
- 『殺し屋1』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- ヤクザマンションは実在する
- 映画版ラストの意味とは
- 本作に出てくるヤクザの名前はU系プロレスラーの名前が多い
- 『殺し屋1』の主題歌・挿入歌
- OP（オープニング）：Karera Musicacion「1」
- 挿入歌：Boredoms「Space on Space」