『ミッドサマー』とは、2019年に公開されたアメリカのフォーク・ホラー映画。白夜の村で行われる夏至祭において、異様な共同体が引き起こす惨劇に巻き込まれる若者たちの姿を描く。公開当時は、その強烈な映像表現と観る者の価値観を揺さぶるストーリーが話題を呼び、世界各国で賛否両論を巻き起こした。特にラストシーンの解釈や登場人物への共感の分かれ方については、SNSやレビューサイトを中心に議論が広がり、「観た後に語りたくなる映画」として評価されている。
アッテストゥパン
アッテストゥパンの資格者となった、72歳の男女
72歳になった老人が崖から身を投げる儀式で、日本の「姥捨て山」伝承に近い価値観で行われる。
ホルガ村の村人は72歳になると同時にアッテストゥパンの資格者となり、代替わりとして自死するという価値観を持つ。儀式当日は村人全員で食事をとり、資格者は椅子に座ったまま、近くの崖の山頂へ運ばれる。運搬者数人を除いて、他の村人は麓で待機。この崖の山頂には多くのルーン文字が刻まれた墓がある。
資格者は手をナイフで切り、墓に血を塗りつけたのち、祈りを捧げて自ら落下。即死しなければ、鈍器を持って待機していた村人が殴りつけて殺すという形で進行する。
儀式のあとに遺体は火葬され、村はずれにある倒木に遺灰をかけて終了となる。
また、夏至祭中に捧げる9人の生贄の中にカウントされており、最終シーンで火をつけられた小屋の中には、作中で身を投げた2人の老人の代替と思わしき案山子が置かれていた。
メイ・クイーン
メイ・クイーンに選ばれ、花で飾られたダニー
夏至祭における象徴的存在となる女性。村の若い女性たちが興奮作用のあるハーブティーを飲んだ状態で踊り続け、最後まで倒れずに残った1人が選ばれる。
メイ・クイーンとなった女性は村中から祝福を受け、祭りの進行において重要な役割を担うほか、儀式の中で重大な選択を委ねられることもある。作中ではダニーが選出され、終盤における生贄の選択に関与する。
血のワシ
アッテストゥパンの儀式中、激昂して騒ぐという禁忌を犯したサイモンの処刑方法として登場。背中から取り出された肺を翼に見立てて吊るされるという衝撃的な見た目で、多くの視聴者を震え上がらせた。なお、実在する北欧伝承に由来する処刑法としても広く知られている。
その他
ルーン文字
アッテストゥパンの儀式に登場した、ルーン文字が刻まれた墓石
古代北欧で使われていた文字体系のことで、アルファベットのように言葉を記す役割を持つ。この一方、魔術的、呪術的な意味合いも持つと考えられていた記号としての側面もある。占いや儀式などに用いられ、それぞれの文字には固有の意味や象徴が与えられている。
北欧神話などの思想の影響が色濃い、ホルガ村の文化の根底にあるものといえる。
ルビ・ラダー
ルビ・ラダーの著者となるルビン
ホルガ村に代々伝えられ、村人たちの指針となってきた聖書のようなもの。門外不出で、写真撮影や模写なども不可となっている。
ルーン文字で綴られており、執筆に携われるのは「ルビン」という役割の者に限られている。ルビンは理性よりも純粋性や無垢の象徴として扱われるという理由から、村の中での意図的な近親婚の末に生まれ、何かしらの障碍を持つ人物が就任するという掟がある。
『ミッドサマー』(映画)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
ペレ「人生は季節だ。18歳までの子供は”春”。18歳から36歳までは巡礼の旅をする。”夏”だ。そして36歳から54歳は労働の年齢。季節は”秋”。54歳から72歳は人々の師となる。」
ホルガ村の信仰をペレがわかりやすく説明したセリフに、「人生は季節だ。18歳までの子供は”春”。18歳から36歳までは巡礼の旅をする。”夏”だ。そして36歳から54歳は労働の年齢。季節は”秋”。54歳から72歳は人々の師となる。」というものがある。
この村では人生は四季に例えられていると説明するものだが、「72歳以降は?」と聞かれたペレは、黙って首を切るジェスチャーをしてこれに応じた。
この翌日、老人たちが崖から飛び降りる「アッテストゥパン」の儀式があり、彼らはペレの言葉の真意を知るところとなるのだ。
物語における不穏な展開を示唆した、重要なセリフである。
ラストシーンのダニーの笑顔
燃え盛る小屋を見て笑顔を浮かべるダニー
クリスチャンを最後の生贄に選んだダニーは、燃え盛る小屋を悔しそうに眺めた後、何かを吹っ切るように笑顔を浮かべた。このラストシーンについては多くの視聴者から様々な考察が集まっている。
ホルガの共同体の一員として迎え入れられ、新たな仲間を得て解放されたともとれるこのシーンだが、アリ=アスター監督自身は「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と脚本に書きつけていたというエピソードで知られている。
『ミッドサマー』(映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ミッドサマーのロケ地はハンガリーのブダペスト
目次 - Contents
- 『ミッドサマー』(映画)の概要
- 『ミッドサマー』(映画)のあらすじ・ストーリー
- ホルガ村への旅
- 不穏な祝祭のはじまり
- 相次ぐ犠牲者
- 最後の生贄
- 『ミッドサマー』(映画)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ダニー・アーダー(演:フローレンス・ピュー)
- クリスチャン・ヒューズ(演:ジャック・レイナー)
- クリスチャンの友人たち
- ジョシュ(演:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)
- マーク(演:ウィル・ポールター)
- ペレ(演:ヴィルヘルム・ブロムグレン)
- 旅行客
- サイモン(演:アーチー・マデクウィ)
- コニー(演:エローラ・トルキア)
- ホルガ村の村人
- ダン(演:ビョルン・アンドレセン)
- エバート(演:マキシミリアン・スラッシュ・マートン)
- 『ミッドサマー』(映画)の用語
- 地名
- ホルガ村
- 夏至祭関連の儀式
- 夏至祭(ミッドサマー)
- アッテストゥパン
- メイ・クイーン
- 血のワシ
- その他
- ルーン文字
- ルビ・ラダー
- 『ミッドサマー』(映画)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ペレ「人生は季節だ。18歳までの子供は”春”。18歳から36歳までは巡礼の旅をする。”夏”だ。そして36歳から54歳は労働の年齢。季節は”秋”。54歳から72歳は人々の師となる。」
- ラストシーンのダニーの笑顔
- 『ミッドサマー』(映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ミッドサマーのロケ地はハンガリーのブダペスト
- 当初からダニーが目的だったと推測されている「笛吹き男」のペレ
- ペレがダニーに目をつけていたと推測した視聴者の感想の数々
- ダニーの妹のテリーの不幸とペレの関係を疑う声も
- ペレの関与によって引き起こされた賛否の別れるエンディング
- 視聴者をざわつかせた「9日間の夏至祭のうち5日間しか経過していない」説
- ダニーの行く末を心配する声が多数
- メイ・クイーンの決定に「八百長」を疑う声
- 多くのトラウマを残したアッテストゥパンの儀式
- アッテストゥパンに恐怖と興味をそそられる人々の投稿
- 「なぜ生きている」というツッコミも発生した血のワシ
- 「なぜ生きている」と疑問視する投稿
- 罪に対して罰が重すぎるというツッコミ
- 劇場での上映期間中にAmazon Prime Videoでレンタルが開始して話題に
- サブスク視聴をおすすめするファンの投稿
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