元祖西遊記スーパーモンキー大冒険(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』とは、1986年にバップから発売されたFC用アクションRPGである。一行を操作し天竺を目指すが、なぜか台湾から始まる広大なマップを鈍足で歩かされ、ノーヒントで透明なワープを探す苦行を強いられる。食料管理の厳しさや原作を無視した配役も相まり、娯楽性を排した作業感から「史上最悪のクソゲー」と評された。開発者の不適切な隠しメッセージが後に発見されたことでも悪名を馳せた不条理作品である。

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『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』の問題点

無駄に広いマップを歩かされる

本作の最大の問題点は、その広大すぎるフィールドマップと、反比例するような移動速度の遅さにある。
フィールドは約700画面分という、当時のゲームとしては異例の広さを誇る。大陸の縮尺を再現しようとしたかのような広大さに対し、その中身はほとんど何もない赤茶けた大地が続くのみである。そのうえ、一行の移動速度は「1秒間に2マス程度」と極めて遅い。長い読み込み時間の後にフィールドへ投げ出された後、プレイヤーに許された行動は、ほとんど何もない赤茶けたフィールドをただただ歩き続けることだけである。
容量の使い道を誤ったのではないかと疑いたくなるほどの広さと、イライラを誘発する鈍足移動により、快適なプレイはほぼ不可能となっている。

必ず見つけなければいけないものでもノーヒント探索

本作は、本来であれば説明書やゲーム内で解説されるべき基本事項すら一切のフォローがない。プレイヤーは操作方法から目的まで、すべてを暗中模索で進める必要がある。
クリアに不可欠な大陸間のワープポイントは画面上に一切表示されず、出現条件や場所のヒントも皆無である。上述した鈍足移動で、約700画面もの広大なマップをしらみつぶしに探すという、さながら「デバッグ作業」のような苦行を強いられる。
さらに、やっとの思いで見つけたワープポイントが、進行とは無関係な「偽ワープ」であることすらある。また、死んだ仲間を復活させる唯一の手段である「不死鳥鳳凰」は、進行方向とは真逆の場所に目印もなく配置されており、ノーヒントでの発見はほぼ不可能に近い。
本来の冒険であれば得られるはずの地図や伝聞といった手がかりすら存在せず、ただ孤独に広大な虚無を歩き続ける本作の設計は、娯楽としてのゲームの域を逸脱していると言えるだろう。

相性最悪の「食糧システム」

本作には移動に伴い食料と水を消費するというリソース管理の概念があるが、これがゲームデザインの欠陥と相まって、プレイヤーを追い詰める過酷な仕様となっている。
歩くごとに食料と水が刻一刻と減少していき、備蓄が底をつけば一行は餓死(ゲームオーバー)へと向かう。『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』等にも見られるシステムだが、本作においてはその毛色が異なる。
広大なマップを移動するゲームにおいて食料システムは、冒険の緊張感を高めるアクセントになるだろう。しかし、本作のように「広大なマップをノーヒントでしらみつぶしに探す」ことを強いるゲームの場合、ただの「時間制限」という名の嫌がらせでしかない。
目的地が不明なままノロノロ歩かされる中で、常に餓死の恐怖が付きまとう。この仕様により、自由な探索を楽しむ余裕はなくなり、民家の位置を完璧に把握しなければ攻略すらままならないという極めて不自由なプレイを強いられる。

原作を知らないのではないかと思われる『西遊記』台湾設定

本作は『西遊記』を題材としているものの、その物語性や設定の再現度は極めて低く、原作ファンを困惑させる仕様が目立つ。たとえば、三蔵法師一行が天竺を目指す旅の始まりは、本来であれば唐の都・長安であるはずだが、本作ではなぜか「孤島(台湾と思われる場所)」からスタートする。
また、原作では旅の出発時点、あるいは道中の重要なエピソードを経て弟子となる猪八戒や沙悟浄が、本作では広大なマップの特定地点にただ配置されているだけである。出会っても特別なイベントは発生しない。
宿敵となるボスとの遭遇時も、わずか一文のメッセージが表示されるのみで即座に戦闘へと突入する。勝利後も余韻や物語の進展を感じさせる演出はなく、すぐさまマップ探索へと戻される。
つまり、本作には原作の持つドラマチックなストーリー展開は皆無だと言えるだろう。

ボスが雑魚敵に雑魚敵がラスボスに

本作に登場する敵キャラクターの配置は、原作『西遊記』の力関係や物語の順序を完全に無視したものとなっている。本作に登場するボスは「金角大王」「銀角大王」「羅刹女」「混世魔王」の4体しかおらず、原作で三蔵一行を苦しめた屈指の強敵である「牛魔王」や、その息子「紅孩児」が、本作ではあろうことかマップ上に無数に出現する一般の雑魚敵として扱われている。
一方、本作のラストを飾る「混世魔王」は、原作では孫悟空が三蔵法師の弟子になるよりも前、物語の極めて初期段階で倒される最初の敵でる。その名前の響きだけでラスボスに抜擢したのではないかと疑わざるを得ない配役である。
本来、多様な妖怪との死闘が醍醐味であるはずの西遊記だが、本作では主要な妖怪たちが軒並み記号的な雑魚として処理されている。

歴史的なつまらなさでクソゲー史に名を残す

「広大なフィールドマップで透明なワープゾーンを探し出して先に進む」という作業感、連打していれば何とかなる戦術性皆無の戦闘、プレッシャーにしかならない食糧システム、味気ないエンディング画面など、ここまで楽しさの無いゲームはそうそう見つからない。
そして、『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』はその歴史的なつまらなさでクソゲー史に名を残す作品となった。
本作は、いつ・誰が・どうやっても・常に変わらずつまらない 。そんな「究極のクソロールプレイングゲーム」である。他に面白いゲームがたくさんある中でこれをプレイする必要性は皆無だが、どんなクソゲーでも楽しめるという自身があるプレイヤーは挑戦してみるのも良いだろう。

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