THA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ)の徹底解説まとめ

THA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ)とは、1997年に北海道札幌で結成されたヒップホップグループ。1998年に1stアルバム『STILLING, STILL DREAMING』をリリースし、精力的なライブ活動で全国各地に熱狂的なファンベースを築いてきた。自身のレーベルである「THA BLUE HERB RECORDINGS」を運営し、メンバー個々でもソロ活動を行っている。特徴的なトラックとMC、練りに練られたリリックで、従来のヒップホップとは一線を画す存在として常に注目を集めている。

静かでありながらも力強い希望が宿る、内省的で壮大なアンセム。困難な時代における祈りや決意が、魂を揺さぶる言葉と音像で表現されている。2011年に発生した未曾有の大災害、東日本大震災やそれによる原発事故を題材にした曲である。MVはリリースと同時に発表した訳ではなく、実際に彼らが東北の地を訪れてライブをし、目で見て、耳で聞いたものを映像化している。
リリックも含めてサウンドはどこか枯れていて、言葉の一つ一つを大事にしていることがよく分かるものとなっている。

Ame Ni Mo Makez

宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」をモチーフに、逆境に立ち向かう人間の精神性を、力強くも叙情的なサウンドで描いた壮大なヒップホップ賛歌。

路上

実際にネパールを訪れたBOSS THE MCが、自身の目で見た現地の現実を綴って完成した楽曲。残酷な現実を鋭く見つめる視点が胸に刺さる。
カトマンズの夜を題材にし、路上で薬物を売る青年の生活と世界を書いたリアリティのあるリリックが印象的。

智慧の輪

哲学的な問いかけと、困難な状況を切り開くための思索を巡らせた、深い洞察に満ち溢れている楽曲。タイトなビートに乗せた言葉の数々がリスナーの耳に残る。中毒性が高い一曲でもある。

ILL-BOSSTINO(イル・ボスティーノ)名義でのコラボ楽曲

クラムボン featuring ill-bosstino「あかり from here」

あかり from hereのライブバージョン

クラムボン特有の浮遊感あるサウンドとミトの美しい歌声に、ILL-BOSSTINOの重厚で力強い言葉が絡み合い、それぞれの個性が絶妙に融合した幻想的かつ骨太なコラボレーション・ナンバー。異なるジャンルの才能が、互いを尊重しながら新たな光を生み出している。生音のドラムと打ち込まれたドラムの境が自然であり、ピアノの音、ボーカルが深みを出していて非常に心地が良い。
元々CDショップの企画で誕生したコラボレーションで、若干の批判があったが、こちらのライブ映像では自然と会場のボルテージも上がっていき、最後には感動すら覚えるものとなっている。

THA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ)の名言・発言

BOSS THE MC「俺が好きなんだろうね。叙情性とか、ひとりの旅の空とか。まぁ言葉もひとりで書くし、結局は個だよね。そこからは逃れられない。」

5thアルバム『THA BLUE HERB』リリースに際してのインタビューで、楽曲の方向性について尋ねられたBOSS THE MCは「寂しくて、あったかい曲が好き」と答えており、寂しさというキーワードについて言及している。その際の一言が「俺が好きなんだろうね。叙情性とか、ひとりの旅の空とか。まぁ言葉もひとりで書くし、結局は個だよね。そこからは逃れられない。」というものだ。孤高であることに意義を見出し、常に自身から湧き出る言葉と向き合ってきた男の一言は、独自の重みがある。
人は孤独を恐れ、避ける傾向があるが、それを受け入れることの重要さを噛みしめられる一言だ。

このインタビューの全文は、CINRAのウェブサイトで読むことが可能。

www.cinra.net

THA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

拠点を札幌に置き続ける理由は「徹底した独立精神」

日本のヒップホップシーンの中心は東京であると思われがちだが、THA BLUE HERBは北海道の札幌を拠点に活動し続けている。これは「流行に流されることなく、自分たちのペースで、自分たちの信じる音楽を追求する」という彼らの独立した精神を象徴しているともいわれ、雪深い北の大地で培われた彼らの音楽は、時に孤独感や内省的な深みも持ち合わせる一要素として知られている。
また、BOSS THE MCは居住区域の詳細まで公開していることから、地元付近でしばしば目撃情報が上がっている。

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