『ひゃくえむ。』とは、ウェブコミック配信サイト『マガジンポケット』(講談社)にて2018年11月6日から2019年8月6日まで連載された、魚豊によるスポーツ漫画、およびそれを原作としたアニメ映画。生まれつき足が速いトガシと、つらい現実を忘れる為にただがむしゃらに走っていた小宮の2人が、100m走に魅せられ成長する物語。才能と努力、ライバル関係、なぜ走るのかという根源的な問いを描いている。映画版は監督・岩井澤健治、トガシの声を松坂桃李が、小宮の声を染谷将太が演じ2025年9月に公開された。
体育祭での部活対抗リレーで、陸上部男子部員のなか紅一点の浅草葵に対し大丈夫なのかと冷やかしの声が上がる。それを聞いた椎名スズメは、中学の頃から練習熱心だった浅草葵の姿を思い出し「多分毎日地味に1人で練習してきたから”日常の差”で勝つ」と、いつもの冷ややかな態度からは考えられない言葉を吐き周囲を驚かせる。
仁神武「折れた骨が固くなる!切れた肉が肥大する!一度諦めた俺は!粘り強いだろ!!」
体育祭の部活対抗リレーのアンカー仁神は、引きこもっていたため、数ヶ月のブランクがあり走り込めていない。後半の体力が尽きてきた時に、「折れた骨が固くなる!切れた肉が肥大する!一度諦めた俺は!粘り強いだろ!!」と、諦めた自分自身をも味方にし自身を鼓舞する。
トガシ「俺がまだ走りたいんだッ!俺だけはまだ!勝ちたいんだッ!」
株式会社クサシノ陸上部の契約を切られたトガシは、公園で今後のことを考え途方に暮れていた。その時、小学生が走る練習をしていて思わずアドバイスする。アドバイスしているうちにどんどん涙が込み上げてきて「俺がまだ走りたいんだッ!俺だけはまだ!勝ちたいんだッ!」と、自分の本心に気づく。
トガシ「真剣になる為」
インターハイでの勝負から月日が流れ、トガシと小宮は日本陸上の決勝当日に再会する。この時小宮は決勝に進んだものの、自身の走る理由に迷いが生じていた。同じく決勝に進んだトガシに走る理由を問うと、今までの憑き物が落ちたかのように「真剣になる為」と答える。
小宮「「勝ちたい」がまだ残ってる!」
日本陸上決勝は後半、トガシと小宮のデッドヒートになる。競り合うなかで小宮は記録がどうのではなく、ただ「「勝ちたい」がまだ残ってる!」と、純粋な気持ちが芽生えてくる。
『ひゃくえむ。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
漫画『ひゃくえむ。』誕生のきっかけはオリンピック
『ひゃくえむ。』の作者・魚豊は、スポーツには無縁で詳しくもなかった。たまたま家で2016年開催のリオオリンピックを見ていた魚豊は、陸上100m走でたった2回のフライングで失格になっている選手を見て驚く。今の一瞬の揺らぎで次のオリンピックのチャンスは4年後、そのオリンピックすら出場できないかもしれない。などといろいろな考えが湧いてきて、究極に緊張感が凝縮された世界であり職業だと惹き込まれた。一瞬という単位で切り取ったら、この緊張感はどんな職業にも勝る世界だと感じ、作品にしたいと強く心に響いた。フライングで失格という瞬間に遭遇しなかったら『ひゃくえむ。』は誕生しなかった。
Twitterの反響の多さで単行本出版が決まった漫画『ひゃくえむ。』
スポーツ漫画は、物語がある程度進んで魅力的なキャラクターが出揃うまで人気の面で苦しむ事が多い。漫画『ひゃくえむ。』も、ラブコメやサスペンスなど比較的序盤から人気が取りやすいジャンルに比べると苦労している。連載していたウェブコミック配信サイト『マガジンポケット』自体が当時始まったばかりの媒体で、スポーツ漫画をほとんど掲載していなかったので運営側も評価しづらかったようだ。閲覧数やいいねの数はあったがあまり反応がなかった。徐々に人気は上がっていたものの単行本出版の決定が下りず、魚豊自身がTwitterで単行本が出版されない旨を投稿すると、想像以上の反響があった。最終的には作品の人気が上がったことが単行本出版の大きな要因だが、Twitterでの反響も単行本出版の大きな後押しになった。
新しい技術で作られたアニメーション映画『ひゃくえむ。』
アニメーション映画『ひゃくえむ。』は、絵コンテを設計図にしてアニメーターが映像にするという通常のアニメーション作りとは違う進め方をしている。
走りのリアリティを追求するため、第一線で活躍してきた陸上アスリートから協力を得て、彼らの走りを3DCGで再現したものをベースに作画。例えばトガシのスプリントフォームはロンドン五輪の日本代表の江里口匡史をベースに、小宮のフォームは若手有望株の陸上選手の山本匠真の協力によるもので、他にも樺木は鵜澤飛羽、財津は金丸祐三、海棠は朝原宣治と、いずれも実在するトップアスリートの走りが動きに反映されている。この他、ロトスコープ(生身の人間の動きを撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法)も用いられ、これらが観たことのない映像表現の要になっている。
『ひゃくえむ。』の主題歌・挿入歌
主題歌:Official髭男dism「らしさ」
Official髭男dism「らしさ」✕ 劇場アニメ「ひゃくえむ。」コラボレーションMV 構成・編集:岩井澤健治 / 宮崎 歩
Official髭男dismの「らしさ」は、9月19日公開の劇場アニメ『ひゃくえむ。』の主題歌。 藤原聡(Vo/Pf)が原作にインスパイアされて書き下ろし、ギターが引っ張る疾走感のあるバンド・サウンドに、競争の中での葛藤や挫折に抗いながら立ち向かう全ての人へのエール、讃歌となる歌詞を乗せた、心震わせる一曲となっている。
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目次 - Contents
- 『ひゃくえむ。』の概要
- 『ひゃくえむ。』のあらすじ・ストーリー
- トガシと小宮の出会い
- 陸上部で仲間を得るトガシ
- トガシと小宮の日本陸上
- 『ひゃくえむ。』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- トガシ
- 小宮(こみや)
- 鰯第二高校(いわしだいにこうこう)
- 仁神 武(にがみ たけし)
- 浅草 葵(あさくさ あおい)
- 貞弘 聡一(さだひろ そういち)
- 椎名 スズメ(しいな スズメ)
- 寺川(てらかわ)
- 柏木(かしわぎ)
- 平子先生(ひらこせんせい)
- 山根先生(やまねせんせい)
- 後藤先生(ごとうせんせい)
- 鰹西高校(かつおにしこうこう)
- 尾道(おのみち)
- 西沢高校(にしざわこうこう)
- 経田(つねだ)
- 沼野(ぬまの)
- 財津(ざいつ)
- 株式会社クサシノ陸上部
- 海棠(かいどう)
- 樺木(かばき)
- その他
- 森川(もりかわ)
- 『ひゃくえむ。』の用語
- 陸上関係
- S.S(スタンディング スタート)
- セパレレートコース
- テイクオーバーゾーン
- ブロッキング
- オン ユア マークス
- その他
- 鰯第二高校(いわしだいにこうこう)
- 西沢高校(にしざわこうこう)
- 『ひゃくえむ。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- トガシ「たいていの問題は 100mだけ誰よりも速ければ 全部解決する」/小宮「100mだけ… 速く…」
- 浅草葵「馬鹿にされているからこそ得られる活力があるじゃん」
- 椎名スズメ「多分毎日地味に1人で練習してきたから”日常の差”で勝つ」
- 仁神武「折れた骨が固くなる!切れた肉が肥大する!一度諦めた俺は!粘り強いだろ!!」
- トガシ「俺がまだ走りたいんだッ!俺だけはまだ!勝ちたいんだッ!」
- トガシ「真剣になる為」
- 小宮「「勝ちたい」がまだ残ってる!」
- 『ひゃくえむ。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 漫画『ひゃくえむ。』誕生のきっかけはオリンピック
- Twitterの反響の多さで単行本出版が決まった漫画『ひゃくえむ。』
- 新しい技術で作られたアニメーション映画『ひゃくえむ。』
- 『ひゃくえむ。』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Official髭男dism「らしさ」
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