ひゃくえむ。(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ひゃくえむ。』とは、ウェブコミック配信サイト『マガジンポケット』(講談社)にて2018年11月6日から2019年8月6日まで連載された、魚豊によるスポーツ漫画、およびそれを原作としたアニメ映画。生まれつき足が速いトガシと、つらい現実を忘れる為にただがむしゃらに走っていた小宮の2人が、100m走に魅せられ成長する物語。才能と努力、ライバル関係、なぜ走るのかという根源的な問いを描いている。映画版は監督・​​岩井澤健治、トガシの声を松坂桃李が、小宮の声を染谷将太が演じ2025年9月に公開された。

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『ひゃくえむ。』の概要

『ひゃくえむ。』とは、ウェブコミック配信サイト『マガジンポケット』(講談社)にて、2018年11月6日から2019年8月6日まで連載されたスポーツ漫画、およびそれを原作としたアニメーション映画。『チ。―地球の運動について―』で手塚治虫文化賞マンガ大賞を最年少受賞した魚豊(うおと)の連載デビュー作である。
生まれつき足が速く、友達も居場所も当たり前のように手に入れてきたトガシと、つらい現実を忘れるためがむしゃらに走っていた転校生の小宮(こみや)。トガシは小宮に速く走る方法を教え、放課後に2人で練習を重ねていく。打ち込めるものを見つけた小宮は貪欲に記録を追うようになり、いつしか2人は100m走を通じてライバルとも親友ともいえる関係となる。陸上競技100m走の約10秒の世界に魅せられた小学6年生のトガシと小宮が、 狂気と情熱に揉まれ成長し、社会人になり日本陸上で競うまでの軌跡が描き、才能と努力、ライバル関係、そしてなぜ走るのかという根源的な問いを読者に投げかけている。
映画版は2025年9月19日に公開。松坂桃李がトガシ、染谷将太が小宮の声を演じ、監督はアニメーション映画『音楽』(2020年)の岩井澤健治。TVアニメ『葬送のフリーレン』で演出・絵コンテを手がけた小嶋慶祐がキャラクターデザイン・作画監督を務め、アニメーション制作は岩井澤が代表を務めるロックンロール・マウンテンが担当。脚本は​​むとうやすゆきが担当している。主題歌は​​原作にインスパイアされて書き下ろされたOfficial髭男dismの「らしさ」である。

『ひゃくえむ。』のあらすじ・ストーリー

トガシと小宮の出会い

生まれつき足が早かったトガシは、小学6年生にして自分には足が速いことしか取り柄がない事を知っていた。そして、その足の速さは自分に不満も、不遇もなく、争いもいない世界を作ってくれていた。努力せずに速く走れていた為、走ることに対し全く熱がなくこだわりもなかった。しかし、転校生の小宮(こみや)が辛い現実から逃れるためにがむしゃらに走る姿を見てトガシが変化し始める。クラスメイトからオバケといじめられていた小宮にトガシは走り方を教えると、小宮は走る事に夢中になりどんどん速く走れるようになる。そんな小宮の姿はトガシにとって面白く、速く走れるようになった小宮もどんどん陸上にのめり込んでゆく。これ以上自分が教えられることはないとトガシが感じた頃、父が陸上の日本代表選手で自身も陸上をしている中学生の仁神武(にがみたけし)が、職場体験実習の為トガシと小宮のクラスにやってくる。二人の走りを見た仁神はトガシを絶賛し、小宮の走りは速いだけで無茶苦茶で危険だと諭す。仁神の言葉に納得できなかった小宮はトガシに勝負を挑む。学校帰りの河川敷で勝負した二人は激しく競り合った末、小宮がゴール寸前で疲労骨折を起こし倒れてしまう。小宮は救急車で運ばれる事になるが、トガシはこの一件で初めて全力疾走の気持ち良さを味わい100m走への熱が湧く。それと共に、もし小宮が倒れていなかったら負けていた、と敗北の恐怖も知ってしまった。この勝負の後、小宮は入院し家庭の事情で九州に転校する。

陸上部で仲間を得るトガシ

中学に進学したトガシは、陸上に励み中学一年で全日本中学校陸上競技選手権大会で優勝する。周囲の高評価に反してトガシ本人は、自身の才能が劣化しているように感じていた。自分には陸上競技しかないことに焦りを感じながら中学生活を終える。高校は陸上強豪校ではなく地元の高校に進む。才能が劣化している事がバレないように陸上部に入部するつもりはなかったが、アメフト部と陸上部の確執に巻き込まれ廃部寸前の陸上部に入部することになる。入部した陸上部は部員がトガシを入れて4名のみ、しかも部長はアメフト部との確執が原因で不登校になっていた。初めはまとまりのない部員達だったが、アメフト部に打ち勝つために不登校になっていた仁神部長の説得をしたり、誰よりも陸上部を愛する浅草葵(あさくさあおい)との交流を通し仲間との絆ができてくる。孤立を恐れていたトガシは陸上部で一緒に走る仲間を得て100m走への熱を取り戻す。
トガシが、九州に引っ越し転校した小宮に再会したのはインターハイ決勝。
その頃トガシは、無敗選手として名を馳せていた。一方で小宮は、無名選手にもかかわらずトガシを凌ぐ大会記録を叩き出すなど今大会の台風の目として注目されていた。そんな二人の直接対決は大雨の中スタートした。競り合うトガシは、一瞬仲間の応援の言葉が聞こえたような気がし心が緩んでしまい小宮に負ける。このレースでトガシの無敗記録の歴史が終わり、100m走への熱は長い夢が覚めたかのように消えてしまった。

トガシと小宮の日本陸上

小宮に負けたインターハイから10年後、トガシは株式会社クサシノ陸上部に所属していた。小宮は世界陸上で大健闘し期待のホープと言われる選手になっていたが、トガシは結果を出せず陸上部の契約更新もギリギリなありさま。それでも焦るわけでもなく、現状のままで充分だと思っていた。会社からトップ選手に会って話をすれば現状を打破するきっかけになるのではと、新年会に出席するように勧められ出席する。そこで会社の先輩であり長年陸上界でトップアスリートとして活躍する海棠(かいどう)からアドバイスを貰う。海棠の言葉でトガシは、高校時代の仲間や応援してくれている人達を思い出した。そして、どんな逆風でも順位に囚われず全力で走るしかないと奮起する。
勝ち負けだけじゃなく誰かの為に走る事を自分の走る理由だと思ったトガシは、走りが良くなり日本陸上の出場資格を手に入れる。確実に流れが変わってきていると感じていたそんな矢先、肉離れの悪化を理由に日本陸上への出場にドクターストップがかかる。日本陸上への出場が叶わなくなったトガシは、会社の選手契約も解除されてしまう。
日本陸上が開幕した。王者・財津(ざいつ)を破るのは、新生の樺木(かばき)か、宿敵の海棠か、それとも大本命の小宮かと言われていた。
会社との契約を切られたトガシは個人で日本陸上に出場をしていた。足の怪我を抱えながらも、走ることに集中しているトガシは予選を通過する。小宮も予選を通過し勝ち進んでいた。決勝まで勝ち進んだトガシ、小宮、海棠のレースは、競り合いながらも後半はトガシと小宮の一騎打ちの様相を呈した。足に不安を抱えるトガシは今を生き切ることで再生を信じ、記録にこだわっていた小宮はかつての勝ちたいという気持ちを思い出した。一進一退のレースは、ただ走るのが好きだという気持ちがお互いに湧き上がり、フィニッシュの号令とともにゴールした。

『ひゃくえむ。』の登場人物・キャラクター

主要人物

トガシ

CV:松坂桃李/種﨑敦美(小学生時代)
生まれつき足が速く、そのおかげで皆に一目置かれている存在。トガシ自身は、自分にはそれしかないと思っている。孤立を恐れ、皆の輪に入るためだけに走っていた。

小宮(こみや)

CV:染谷将太/悠木碧(小学生時代)
自身が放つ暗い雰囲気のせいで虐められており、その辛い現実を紛らわしたくてただがむしゃらに走っていた。トガシに、100mさえ速く走れるようになったら世界が変わると走りを教わり速く走れるようになる。

鰯第二高校(いわしだいにこうこう)

仁神 武(にがみ たけし)

CV:笠間淳
陸上部部長。短距離の日本代表選手だった父を持ち、子供の頃から父の指導を受け将来を期待される陸上選手だった。中学生の頃、トガシと小宮が通う小学校に職場体験に行っている。高校生のトガシと再会した頃は陸上部の部長だったが、アメフト部との争いの中で起きた事件が原因で不登校になっていた。

浅草 葵(あさくさ あおい)

CV:高橋李依
陸上部部員。中学の頃から陸上が好きで、陸上部が廃部寸前になり誰も部活動も練習もしない中、ひとりコツコツと練習を重ねている。

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