『Life Is Strange: True Colors』とは、「Deck Nine Games」が開発したグラフィックアドベンチャーゲーム。スクウェア・エニックスからグローバル版が2021年に、日本語版が2022年に発売された。ヘイブン・スプリングという田舎町に引っ越してきた主人公が、自身の超常的な能力を使用して様々な秘密を暴いていく。オールドスタイルな街並みや自然景観をはじめ、異なる事情を抱えた住民達との人間ドラマもリアルに描写されている。
『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)の概要
『Life Is Strange: True Colors』とは、スクウェア・エニックスから発売されたPS4・PS5・Microsoft Windows・Xbox One・Steam・XBox Series X/S・Nintendo Switchのグラフィックアドベンチャーゲームである。グローバル版が2021年9月10日、日本語版が2022年2月25日に発売された。開発元はアメリカに拠点を置くゲーム会社「Deck Nine Games」。
本作のストーリーは、コロラド州に位置する架空の田舎町であるヘイブン・スプリングスを舞台に、主人公のアレキサンドラ・チェンが自身が持つ相手の感情を視認できる能力を駆使しながら町に隠された様々な謎に向き合い、周囲の人々との関係を築いていく姿を描いている。ゲーム序盤で最愛の兄のガブリエル・チェンが死亡し、深い悲しみに暮れていたアレキサンドラは、兄の死に町の鉱山事業を統括している大企業が絡んでいるのではないかと疑った。真相を突き止めるためにアレキサンドラは立ち上がる。
本作は事実上の『Life Is Strange 3』であり、シリーズの正当な続編に該当する作品。これまでのシリーズと同様にポイント&クリックの三人称視点を採用しており、プレイヤーの選択や行動が物語の展開を左右するのが本作の魅力の一つだ。「Golden Joystick Awards」の「Best Storytelling」賞、「The Game Awards」の「Games for impact」賞を獲得した他、累計販売本数が全世界で300万本を突破するなど世間的な評価は高い。
『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)のあらすじ・ストーリー
鉱山での悲劇編
幼い頃に家族と別れ、以降は里親の元や養護施設で暮らしていた主人公のアレキサンドラ・チェンは、兄のガブリエル・チェンを頼りにコロラド州の田舎町、ヘイブン・スプリングスに引っ越してきた。8年ぶりに再会した兄は元気そうで、Black Lanternというバーの2階で暮らしているという。Black Lanternはこれから兄妹が共に暮らしていく場所だ。暫く離れていたが兄妹仲は良好で、彼らは音楽を通して絆を作っていくが、アレキサンドラが持つ他人の感情を読み取れる能力はしばしば彼女を苦しめ交友関係にも難をもたらしていた。
ヘイブン・スプリングスの住民は皆親切な人々で、町での生活にもなんとか慣れてきたアレキサンドラは、ある日ガブリエルの恋人であるシャーロット・ハーモンの一人息子のイーサン・ランバートが一人で鉱山へ遊びに行ったことを知る。アレキサンドラは、兄と彼の親友のライアン・ルーカンと共にイーサンを探しに行くことになった。行方不明だったイーサンが発見されたのは、巨木が橋を作る反対側の崖で、イーサンは崖下を流れる川がモンスターに見えると怯えているようだ。嫌がるイーサンを冷静に説得し彼の救出に成功するが、突如鳴り響いた警報の後に付近が爆発し、飛び散った岩に当たったゲイブが転落死してしまう。仲の良かった実の兄の突然の死を受け入れることができないアレキサンドラは、深い絶望感に打ちひしがれた。
マックの自白編
ガブリエルが事故死したことを知った住民達は、彼のためにお別れ会をしてくれることになる。皆が故人を偲ぶなかあれは不幸な事故だと言うバー・Black Lanternのオーナーのジェド・ルーカンに、ライアンは故意による事故だと反論。子供が鉱山に迷い込んだことを理由に、ガブリエルがタイフォン社に発破中止の電話したはずだと説明するが、当直当番のマック・ラウドンは電話はなかったと言う。
マックが何か隠していることを悟ったアレキサンドラは、当時のチラシや新聞を確認したり本人からの聞き取りを通じて、ガブリエルから電話を受けたマックが会社に発破中止の連絡をしていたことを知る。タイフォン社はマックからの要請を無視し、彼に電話がなかったことにするよう圧力をかけ、発破を強行していたようだ。
マックの件が解決し次にライアンのもとへ向かったアレキサンドラは、ガブリエルを救えなかったことを後悔し、自身に怒りを滲ませるライアンを見ることになる。彼に怒りを鎮めてもらった後、マックが真実を話したことを打ち明けると、驚いたライアンはマックを自白させた方法を聞いてきた。思いきって特殊能力のことを明かすと、ライアンも事故の真相究明に乗り気で、協力して調査することに決まる。同じ日の夜、仕切り直しに再び集まった住民達はガブリエルのために飛ばしたランタンを見送ったが、アレキサンドラは皆の中で一人だけ怯えのオーラを放つ人物がいることに気づく。タイフォン社の管理マネージャーであるダイアン・ジェイコブスだった。
ダイアンの怯えの理由編
ガブリエルとのお別れ会で怯えのオーラを出していたダイアンが、事故に関連する何かを知っていると踏んだアレキサンドラは、彼女に揺さぶりをかけてみることにした。ライアンの他にレコード店Rocky Mountain Record Tradersで働くステフ・ギングリッチにも特殊能力のことを打ち明け、3人で協力しダイアンの気を引くことに成功。
ダイアンの靴からUSBメモリーを回収するが、ロックがかけられていて解析できない。マックの恋人のライリー・レーテならできるというので、彼女にロック解除してもらうことになる。暫くして再び集まった3人が解析を開始すると、通話記録にはマックとダイアンの会話が残っていた。ダイアンはマックからの発破中止要請を本社にいるリーナという人物に伝えていたが、リーナは発破を強行させると言って中止要請を断ったようだ。
データの解析を進めていくと、発破は2008年に発生した落盤事故で閉鎖された別の場所にある採掘場の爆破のカモフラージュとして行ったことが判明。国土資源省の査察が2日後に迫っていて爆破を延期できず、タイフォン社は査察までに何かを隠蔽するために爆破を強行していた。
判明した黒幕編
後からUSBデータが盗まれたことを知ったダイアンは、アレキサンドラを窃盗犯として訴えた。対応に当たった副保安官のパイクにアレキサンドラは証拠の入ったUSBを渡すが、タイフォン社を恐れる彼はUSBを見ようともしない。
なんとかお咎めなしで帰してもらえたものの、パイクに連行されるところを目撃したジェドに呼び出されることになる。ジェドにタイフォン社のことを話すが、町への影響力が強いことを理由に、闇の部分には目を瞑ってきたようだ。ジェドに他にも何か知っていることがあるなら話して欲しいと頼むと、彼はアレキサンドラを廃坑へ案内した。
再び廃坑で向き合った2人。ジェドは近くにある通気口の縦穴に探しているものがあると言う。通気口を見たアレキサンドラが振り向くと、目の前には彼女に銃口を向けたジェドが立っていた。
ジェドは12年前の落盤事故で鉱員達を救った救世主とされているが、実は地盤が緩んでいることを知っていながらも作業を強行し、7人の鉱員を犠牲にしたチームリーダーだったことが判明。自らの判断ミスで部下を死なせてしまったことを後悔したが、結局タイフォン社との取引で事件の真相を隠蔽した。ジェドにとって真相究明に動いてきたアレキサンドラは、邪魔な存在でしかない。真相を知ったアレキサンドラはジェドに撃たれ、廃坑の奥深くへと落ちていった。
タイフォン社との決着編
アレキサンドラが廃坑に落ちた翌日、バーではタイフォン社による事業拡大の是非が問われていたが、誰も反対票を投じる者はいなかった。いつものように賛成の方向で話がまとまろうとしていた時、現れたのは奇跡的に廃坑から生還を果たしたアレキサンドラだ。12年前の落盤事故の真相やタイフォン社の隠蔽工作、ジェドとタイフォン社の裏取引など、知りうること全てを住民達に打ち明けた。最初は皆半信半疑だったが、最終的にはアレキサンドラの証言を信じてくれることになり、とうとうジェドも事故の責任を認めざるを得なくなる。タイフォン社の不祥事は白日の元に晒され、世界的な大企業による衝撃的な事件はジェドの逮捕と同社社長の辞任で幕を閉じた。物語の最終盤には、主人公が町に残るか町を出るかの最後の選択肢を迫られる。町に残った場合は慣れ親しんだ場所で、大切な人々と思い出を作っていく。旅立つ場合はミュージシャンとしての一歩を踏み出すため、町で過ごした思い出を胸に仕舞い、ステージに立つことになる。
『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)のゲームシステム
基本的な流れ
アレキサンドラが能力を発動している場面。
ポイント&クリックの三人称視点を導入している本作は、プレイヤーの選択や行動によってストーリー展開が変化し、マルチエンディングへと到達する。本作にはゲームオーバーという概念が存在しない。プレイヤーの選択が2つのエンディングに分岐するため、最終的には大きな決断を求められる。ストーリー全体を通して多くの謎を究明することを目的としており、オブジェクトに触れたり人物との会話をすることで情報収集し、核心に近付いていく。
スキル
感情の視覚化
アレキサンドラがダイアンの感情を読み取っている場面。
アレキサンドラが持つ特殊能力の一つで、相手が強い感情を持っている時に対象人物の感情を視覚化できる。一定距離まで近付かなくてはならないが、相手の感情が色付きのオーラとして見えるため、謎の究明には大いに役立つ。
感情のコアの体験
アレキサンドラがステフのコアに触れようとしている場面。
アレキサンドラの特殊能力の一つで、オーラとなり視覚化された相手の感情を読み取ることができる。読み取った感情を体験することもできるため、謎の究明のみならず町の住民達との関係にも変化をもたらす。
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目次 - Contents
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)の概要
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)のあらすじ・ストーリー
- 鉱山での悲劇編
- マックの自白編
- ダイアンの怯えの理由編
- 判明した黒幕編
- タイフォン社との決着編
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)のゲームシステム
- 基本的な流れ
- スキル
- 感情の視覚化
- 感情のコアの体験
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- アレキサンドラ・チェン (Alexandra Chen)
- ガブリエル・チェン (Gabriel Chen)
- 町の人々
- ライアン・ルーカン (Ryan Lucan)
- ステフ・ギングリッチ (Stephanie Gingrich)
- ダッキー (Duckie / Reginald McCallister III)
- ジェド・ルーカン (Jed Lucan)
- ライリー・レーテ (Riley Lethe)
- エレノア・レーテ (Eleanor Lethe)
- マック・ラウドン (John McCormick Loudon)
- シャーロット・ハーモン (Charlotte Harmon)
- イーサン・ランバート (Ethan Lambert)
- ダイアン・ジェイコブス (Diane Jacobs)
- パイク (Jason Pike)
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)のアイテム
- 主人公関連のアイテム
- アレキサンドラのギター
- ヘッドフォン
- アレキサンドラの手帳
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)の用語
- 主人公の能力
- エンパシー
- オーラ
- 舞台と施設
- ヘイブン・スプリングス
- Black Lantern
- Rocky Mountain Record Traders
- 花屋
- Silver Dragon
- 企業
- タイフォン社
- 出来事
- 爆発事故
- 『Life Is Strange: True Colors』(ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- バスのデザインが『Life Is Strange 2』と同一
- ステフの物語にクロエが登場
- ヘイブン・スプリングスのモデルはコロラド州のアイダホ・スプリングス
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