恋と選挙とチョコレート(恋チョコ)のネタバレ解説・考察まとめ
『恋と選挙とチョコレート』とは、2010年に「Sprite」から発売された成人向け恋愛PCゲーム、及びそれを原作としたテレビアニメである。2012年7月にはアニメが放送された。「私立高藤学園」の通う大島裕樹は、所属している食品研究部の廃部を阻止するために時期生徒会長選挙に立候補する。その中で学園の隠された問題を知り、裕樹は学園改革のために部員たちと生徒会長当選を目指す。原作は恋愛ゲームであるが、しっかりと描かれた選挙戦の内容や規模の大きい世界観が魅力の作品である。
『恋と選挙とチョコレート』の概要
『恋と選挙とチョコレート』とは、2010年10月に「Sprite」よりリリースされた成人向け恋愛PCゲーム、およびそれを原作としたテレビアニメである。『恋チョコ』の略称で呼ばれている。アニメーション制作はAICBuildで、2012年7月より全12話で放送された。Blu-ray7巻にはOVAとして13話が収録されている。監督は喜多幡徹、シリーズ構成・脚本は高山カツヒコが担当した。
PSP版のゲームは2012年9月に発売され、PC版は18禁だがPSP版は対象年齢が17歳以上、アニメは12歳以上となっている。
2012年10月にはPSPのダウンロード版『恋と選挙とチョコレート PORTABLE』、2020年12月にはPSP版のCGを一部追加した『恋と選挙とチョコレート High Resolution』もリリースされた。
ゲームはSpriteの処女作にも関わらず、原画担当の春夏冬ゆうによる作画が多くの人から好感を得て話題となり、発売前に初回限定版が完売した。
「私立高藤学園」に通う主人公の大島裕樹(おおじま ゆうき)は所属している「食品研究部」(通称「ショッケン」)の廃部を阻止するために次期生徒会長選挙に立候補した。選挙活動をしていく中で学園に隠された問題を知り、裕樹は学園改革のためにショッケン部員たちと協力して生徒会長当選を目指す。恋愛ゲームが原作の作品であるためヒロインたちとの関係や裕樹と女子生徒との絡みが多く描かれるが、選挙の内容もしっかり作り込まれているのが作品の魅力である。
『恋と選挙とチョコレート』のあらすじ・ストーリー
生徒会長選挙への出馬
6000人を超える生徒が在籍している巨大な学園・私立高藤学園に通う大島裕樹(おおじまゆうき)は、部費で購入したお菓子を研究する「食品研究部」(通称「ショッケン」)に所属している。活動内容はお菓子を研究することだが、実際には同じ部員で幼馴染の住吉千里(すみよしちさと)や同級生の木場美冬(きばみふゆ)、大手お菓子メーカーの御曹司・夢島朧(ゆめしまおぼろ)たちと共にお菓子を食べておしゃべりしているだけという状態であった。ある時、いつものようにみんなでのんびりお菓子を食べていると、顧問の東雲葉月(しののめはづき)が突然部室にやってきて、ショッケンが廃部の危機にあることを告げる。
学園は次期生徒会長選挙が迫っており、立候補している自治生徒会財務部長の東雲皐月(しののめさつき)が、マニフェストに多すぎる部活の整理をあげていた。そしてその廃部リストの中にショッケンも含まれていたのである。高藤学園は生徒により自主運営されており、管理するための行政三部である治安部、財務部、総務部がある。今期は「大沢事件」と呼ばれる治安部部長が起こした不祥事による謹慎で治安部から候補者は選挙に出ず、有力候補となるのは財務部長の皐月か、総務部長の辰巳茂平治(たつみもへいじ)のみであった。
皐月は、優秀な実績と可憐な容姿で生徒からかなりの人気があり、実質最も会長に近い存在である。皐月が生徒会長になればショッケンの廃部は免れないため、裕樹たちは他に応援できる候補者を探すことにした。行政三部以外の立候補者は予備選挙を通過することすら難しいため、まずは辰巳を応援しようかと考えたが、辰巳が生徒たちに購買部で使えるプリペイドカードを配っている様子を見て不信感を抱く。他の有力候補が見つからず悩んでいると、葉月に自ら立候補すればいいと提案される。
それを聞いたショッケン部員たちは、黙って廃部になるくらいならダメ元でも財務部長に立ち向かうことに決め、満場一致で裕樹を出馬させようとした。
いつものように自分に面倒ごとを押し付けようとしていると感じた裕樹は、嫌気がさしてショッケンを辞めると言い始める。しかし生徒会長の毛利夜雲(もうりやくも)やあることがきっかけで交流ができた皐月に裕樹が立候補することについて、賛成や応援してもらい勇気をもらい出馬を決意するのだった。
選挙活動と学園の闇
出馬を決めた翌日からショッケンの部室を選挙対策本部とし、千里が選対本部長となった。高藤学園の選挙には、全校生徒の10%以上の票を獲得した立候補者が当選する「予備選挙」とその中からさらに10日間の演説活動を経て投票により会長を決める「本選挙」がある。立候補を決めた裕樹たちは、とある理由から生徒会長の夜雲の協力を得て、順調に選挙活動を進めていく。
裕樹をはじめショッケン部員たちは地道に署名活動や演説を行った。予備選挙期間に開催される「高藤学園物販祭」では様々なアイディアで裕樹の応援者を増やしていった。その結果無に事予備選挙を通過し、残すは「本選挙」のみとなった。そんな中で裕樹は治安部内の派閥争いに巻き込まれ、隠されていた学園の闇を知ることとなる。学生の自主運営を謳う高藤学園にも裏では大人の利権争いが蠢いており、行政三部内でも裏取引が横行していたのだった。またその他の問題として「経済特待生」へのイジメがあった。高藤学園には「経済特待生」という制度があり、家庭の経済的な理由から学費免除の代わりに学園と提携している企業で働く生徒が存在する。学園の生徒中には経済特定生への差別意識を持つ者が多く、イジメが問題となっていた。学園の闇や現状を知った裕樹は、そんな学園のあり方を変えたいと強く思うようになるのだった。
しかし治安部内に存在する夜雲の反対勢力の代表である堅平(かたひら)は、裕樹を自分たちにとって邪魔な存在だと判断し、生徒会長選挙にて妨害を仕掛ける。堅平が代表となっている堅平派は裏取り引きに関わっており、学園や治安部の裏事情を知った裕樹が生徒会長になることを阻止したいのだった。
選挙当日
本選挙の当日、裕樹は堅平派によって最後の演説に出られないよう妨害を受けてしまう。しかし夜雲やショッケン部員たちの活躍によりなんとか演説に間に合うことができた。
そこで自分は生徒会長の夜雲と癒着していること、経済特待生へのイジメ問題をマニフェストに掲げたいことを正直に話す。選挙では勝つことが何より大事なのは分かっているが、自分に嘘をついた状態で入れてもらった票で、責任が果たせるとは思えないと言う。
元々はショッケンを廃部から守るために参加した選挙だったが、活動を通して感じたことはショッケンの仲間や支援してくれた人たち、ライバル、学園の生徒、そして学園が好きなのだということだった。だからこそみんなが手を取り合えるような学園にしたいと思えるようになり、みんなならそれができると信じていると力強く訴えた。
裕樹の真に学園や生徒たちのことを思った演説は、生徒たちを感動させ大拍手に包まれる。
そして選挙の結果は裕樹が勝利し、見事生徒会長となったのだった。
『恋と選挙とチョコレート』の登場人物・キャラクター
主要人物
大島裕樹(おおじまゆうき)
CV:中村悠一、慶長裕香(幼少期)
高藤学園に通う進学か2年生。部活は食品研究会(ショッケン)に所属しており、毎日仲間たちとお菓子を食べながらおしゃべりして楽しく過ごしていた。
優しくて面倒見もよく、思いやりのある性格をしている。ショッケンでは唯一と言っていいほどのツッコミ役である。
次期生徒会長選挙にて、立候補者の皐月が掲げたマニフェストである部活動の整理でショッケンが廃部リストに入っており、阻止するために裕樹も立候補した。選挙では強敵の皐月を抑えて生徒会長に当選する。
父親はおらず、母親と2人暮らしをしている。同じくショッケンに所属する千里とはマンションの部屋がお隣の幼馴染で、幼稚園の時からの仲である。
お菓子作りが好きで料理も得意としている。特にロールケーキは「大島ロール」と呼ばれ、売り物と遜色ないほどの美味しさで部員たちに大人気である。
料理に関しては、ショッケン部員たちに肉じゃがやカレーなどを振る舞っているシーンが描かれている。
本人は自覚していないが話術に長けており、生徒の心を動かす演説をする。また機転が効き土壇場での立ち回りも上手い。
千里をはじめ、美冬や皐月や葉月などから好意を寄せられており、これも本人は無自覚だがモテる。
住吉千里(すみよしちさと)
CV:中村繪里子(アニメ)、中嶋ヒロ(幼少期)/社若桔梗(ゲーム版)
本作のメインヒロインで、裕樹の幼馴染。高藤学園進学科2年生でショッケンの部長をしている。
勝ち気で明るい性格だが、過去に弟を事故で亡くしたことをずっと胸に抱える繊細な部分もある。裕樹のことは幼い時から好きだが、裕樹には弟の代わりに思っているだけでそれは恋じゃないと言われた。しかし作中で過去を克服し1人の人間として裕樹を見ることができ、最終的には恋人となる。
マンションの部屋が隣同士で、毎朝裕樹を起こして一緒に登校している。選挙活動を行う中で裕樹が皐月や衣更、未散など他の女子との関わりが増えると、自分から離れていってしまうのではと不安になり、トリッキーな手段で気を引こうとした。
選挙時には選挙対策本部長となった。
木場美冬(きばみふゆ)
CV:水橋かおり(アニメ)/鳴坂ありす(ゲーム)
高藤学園進学科2年生で、ショッケンんに所属している。
落ち着いていて柔らかく優しい性格をしている。ショッケンでは癒し的な存在となっている。
歳は裕樹たちより1つ上だが、長期入院のため単位が足りずに留年しており、裕樹たちと同じ学年となった。
留年当初は周囲に馴染めず年齢にコンプレックスを抱えていたが、千里が気さくに接してくれたおかげで気にならなくなり、2人は親友になる。このことで美冬は千里に対して大きな恩を感じている。のちに裕樹とも仲良くなり、裕樹や千里たちの近所に住んでいることもあり毎朝3人で3人で仲良く登校している。
密かに裕樹に想いを寄せているが、千里の気持ちも知っているため裕樹には伝えないと決めている。
常にミニノートPCを持ち歩く。選挙時には書記兼経理を担当し、演説文も作成した。
東雲皐月(しののめさつき)
CV:浅川悠(アニメ)/小夏スミレ(ゲーム)
高藤学園進学科2年生で、自治生徒会財務部長を務める。
真面目で頭も良く、曲がったことが大嫌いな性格だが、裕樹を揶揄って遊ぶなどお茶目な部分もある。財務部での優秀な実績と可憐な容姿で生徒たちから人気があり、会長の有力候補だった。
裕樹と知り合い、接していくうちに好意を抱くようになり、姉の葉月と裕樹をかけた勝負をしたこともある。ショッケン顧問の葉月とは姉妹で、長い間すれ違いで仲がよくなかったが葉月から本当の気持ちを聞けたことで和解した。
選挙では落選したが、副会長として会長の裕樹を支える。またショッケンにも入部した。
森下未散(もりしたみちる)
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目次 - Contents
- 『恋と選挙とチョコレート』の概要
- 『恋と選挙とチョコレート』のあらすじ・ストーリー
- 生徒会長選挙への出馬
- 選挙活動と学園の闇
- 選挙当日
- 『恋と選挙とチョコレート』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 大島裕樹(おおじまゆうき)
- 住吉千里(すみよしちさと)
- 木場美冬(きばみふゆ)
- 東雲皐月(しののめさつき)
- 森下未散(もりしたみちる)
- 枝川希美(えだがわのぞみ)
- 青海衣更(あおみいさら)
- 食品研究部(ショッケン)
- 夢島朧(ゆめじまおぼろ)
- 猿江愛(さるえあい)
- 門前仲綺衣(もんぜんなかきい)
- 東雲葉月(しののめはづき)
- 自治生徒会
- 毛利夜雲(もうりやくも)
- 2人のSP
- 扇橋香奈(おうぎばしかな)
- 辰巳茂平治(たつみもへいじ)
- 大沢ゆいな(おおさわゆいな)
- 堅平(かたひら)
- その他
- 汐浜陽高(しおはまひだか)
- 有明美絵瑠(ありあけみえる)
- 佐賀玲二(さがれいじ)
- 住吉大輝(すみよしだいき)
- ミケ
- ブチ
- タコスのおばちゃん
- 衣更の2人の弟
- 白河あやめ(しらかわあやめ)
- 中村琢磨(なかむらたくま)
- 東雲家の夫妻
- 三谷歩夢(みたにあゆむ)
- 奈々瀬奉莉(ななせまつり)
- 茂森真央(しげもりまお)
- 拝田希美花(はいだきみか)
- 『恋と選挙とチョコレート』の用語
- 私立高藤学園
- 自治生徒会
- 次期自治生徒会長選挙
- 経済特待生
- S特
- 大沢事件
- 部活動
- 食品研究部
- ASP
- FNOS
- 驚嘆祝祭部
- アイドル研究部
- 第一新聞部
- マス研
- FPR18
- SMC
- リポ研
- NUY
- エア相撲部
- 犬鍋研究部
- エア山岳部
- オゾンホール覗こうの会
- その他
- 大島ロール
- やおい棒
- 『恋と選挙とチョコレート』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 東雲皐月「立候補しない人が当選することは100%ないということよ」
- 目を覚ました香奈
- 裕樹の最後の演説
- 『恋と選挙とチョコレート』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 姉妹作品からのキャラクター登場
- ゲーム版での大沢は性別不明
- ゲーム発売前に完売した『恋チョコ』
- 『恋と選挙とチョコレート』の主題歌・挿入歌
- PC版オープニング主題歌:川田まみ「INITIATIVE」
- PSP版オープニング主題歌:Annabel「STEP AHEAD」
- アニメ版OP(オープニング):Annabel「シグナルグラフ」
- アニメ版ED(エンディングテーマ):Ceui「風のなかのプリムローズ」
- アニメ版挿入歌:Annabel「ハローメロウ」(第1話)
- アニメ版挿入歌:Ceui「Jewelry Time」(第11話)