ふつうの軽音部(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ふつうの軽音部』(ふつうのけいおんぶ)とは、原作・クワハリと作画・出内テツオによる学園漫画。集英社のWeb漫画配信サービス『少年ジャンプ+』にて、2024年1月から連載を開始。ごく普通の軽音部を舞台に、高校生達の日常をコメディタッチで描いている。
主人公の鳩野ちひろ(はとの ちひろ)は、高校に入学して憧れの軽音部に入部した。しかしややコミュ障のちひろはバンドを組んだりするのにも一苦労。その傍らで同じ1年生はどんどんバンドを組んでいく。そんな中ちひろなりに頑張って、徐々に成長していくのだった。

『ふつうの軽音部』の概要

『ふつうの軽音部』(ふつうのけいおんぶ)とは、原作・クワハリと作画・出内テツオによる学園漫画。集英社のWeb漫画配信サービス『少年ジャンプ+』にて、2024年1月14日から連載を開始。ごく普通の軽音部を舞台に、高校生達の日常をコメディタッチで描いている。軽音部に所属していた経験がある読者には大きな共感を与え、その”普通感”が指示されている。じわじわと人気を伸ばし、「次にくるマンガ大賞2024」のWEB漫画部門では1位を獲得した。この作品の前進は、2023年1月7日より9月18日まで『ジャンプルーキー!』で連載されていた。その際、作画は原作者のクワハリが務めている。

主人公の鳩野ちひろ(はとの ちひろ)は、同世代の女子が聞くような流行りの歌ではなく、一昔前の渋めな邦ロックが好きだった。周りに同じような趣味の子もおらず、中学時代は自分の趣味や歌声を否定され、コンプレックスを抱くまでになる。しかし高校では軽音部に入ることを決意。入学前にギターを買い、無事に軽音部に入学した。あまり積極的な性格でないちひろはバンドを組むのも一苦労。ようやく組んだバンドもなんだか想像と違っていた。そんな中、ちひろなりに努力を続け、様々な軽音部員と出会い、成長していくのだった。

『ふつうの軽音部』のあらすじ・ストーリー

谷九高校軽音部に入部

ギターを買いに楽器店にやってきた鳩野ちひろ。

主人公の鳩野ちひろ(はとの ちひろ)は、渋めな邦ロックが大好きな女の子。高校への入学を機に軽音部への入部を決め、入学式前日に思い切ってギターを購入した。入学後同じクラスで友達を作ることにも苦戦するちひろだが、決意通り谷九高校に入学後、軽音部に入部する。1年生の軽音部入部希望者は45人いた。

入部すると早速1年生同士でバンドを組まなければならなくなった。ちひろは同じクラスで友達になった内田桃(うちだ もも)に声をかけようとしたが、桃には既にバンドを組む約束をした同じ中学の友達がいた。ちひろは同じクラスで帰宅部の友達・矢賀緑(やが みどり)の紹介で別のクラスに所属する軽音部の幸山厘(こうやま りん)という子とバンドを組むことになる。そこに後2人男子を加えて、なんとかバンドを組むことができた。バンド名は「ラチッタデッラ」。

バンドを組んだ後は校内ライブのオーディションに向けて練習が始まった。厘はベース経験者で演奏が上手い。そんな厘に迷惑をかけないようにちひろは一生懸命練習した。しかし男子2人は口ばかりであまり練習を真面目にしない。そうこうしている内にオーディションの日になる。ちひろ達「ラチッタデッラ」はオーディションで落ち、男子2人はそれ以来、見るからにやる気をなくした。次のライブは1学期末。そのライブでは1年生も全員出られるとのことだが、ちひろは「ラチッタデッラ」が人前で演奏している姿を想像できないでいた。

厘の策略

校内ライブからしばらく経ち、軽音部内で徐々にトラブルが起こる。恋愛関係だったり、練習量だったりと、意見が食い違い、1人、また1人と部活を辞めていった。それを見てちひろは不安になりながらも練習に打ち込んだ。

そんなある日、桃のバンドでもトラブルが起きた。桃は中学から一緒だった大道優希(おおみち ゆうき)、乃木舞伽(のぎ まいか)と3ピースバンド「sound sleep(サウンド スリープ)」を組んでいた。舞加は同じ軽音部で「protocol.(プロトコル)」というバンドのメンバーの鷹見項希(たかみ こうき)と付き合っていたが、校内ライブの後鷹見から別れを告げられた。それが原因で舞加は軽音部を辞めてしまう。それをきっかけに「sound sleep」は崩壊していった。その状況を見て、厘がついに動き出す。

厘は校内ライブの前日、忘れ物を取りに夜の視聴覚室に1人向かったちひろの後をつけ、そこでちひろが思いっきり1人で歌っているところを見てしまった。その歌声は厘にとって衝撃的で、以来、厘はちひろを”神”と崇めるようになった。そしていつかちひろをボーカルにしたバンドを作るために軽音部員に関する情報を集めていたのだ。「ラチッタデッラ」を解散に追い込み、ちひろが仲が良いドラムの桃を引き入れるために、優希が2年の先輩と付き合っているという情報を桃に流し、仲違いさせた。桃と優希の仲は深刻なものにならなかったが、それでもやり方が悪かったと厘は桃に詫びる。そしてちひろをボーカルにした新たなバンドを組むために、あらためて桃を勧誘した。渋る桃に厘はちひろの歌声を聴けばわかるとカラオケへちひろと桃を連れて行く。そこでちひろの歌声を聞いた桃は、自分が桃の後ろでドラムを叩いている姿を想像してしまった。

そうして桃は優希にちひろ達とバンドを組みたいと打ち明け、「sound sleep」は解散となるのだった。

散々なライブと修行

ちひろ、桃、厘は3人でバンドを組んで、1学期末のライブに向けて練習をする。ギターは3年生で「性的カスタマーズ」のボーカルを務める新田たまき(にった たまき)が助っ人として入ることになった。たまきに憧れを寄せるちひろは、一時的とは言え、たまきとバンドを組めることが嬉しく、一生懸命練習に取り組んだ。そしてライブ当日。ちひろは本番で舞台に立った時、過去自分の歌声をバカにされたことがフラッシュバックしてしまう。極度の緊張により声も出ず、ちひろの初ステージは散々なものとなった。しかし他の3人はそんなちひろを責めることはなかった。むしろ、おそらくちひろは失敗するとさえ思っていた。たまきはその失敗がちひろの成長に繋がると思い、あえて言わなかったという。

散々なライブの後、学校は夏休みに突入。軽音部は基本的に個人練習だった。しかしちひろは軽音部の練習には行かず、1人で修行をすることにする。永井公園という広い公園で炎天下の中、ずっと弾き語りで練習をしていた。ちひろは非常にネガティブな性格で人とのコミュニケーションもうまく取れない。しかしとても努力家であり、来る日も来る日も練習に明け暮れた。その成果もあり、人前で歌うことに対する度胸もついた。夏休み中、バイトと練習に打ち込んだちひろの中には、次のライブは大丈夫だという自信が生まれていた。

最後のメンバーと文化祭

2学期が始まり、厘は最後のメンバーをバンドに引き入れようと動き出した。厘が狙っているのは、軽音部の1年・藤井彩目(ふじい あやめ)である。彩目は「protocol.」のギターをしており、舞加と鷹見が別れた後、鷹見と付き合っていた。しかし鷹見から別れを切り出され、彩目は全てがどうでもよくなり軽音部を辞める決意を固める。一方で、ちひろは鷹見が別れた彩目の悪口を言っているのを聞いてしまい、それに対して激怒。廊下で人目も憚らずケンカを始めた。その後、ちひろは自ら彩目を勧誘。しかし彩目は1学期末のちひろの散々なライブを見ていたため、バンド加入を拒否した。そんな彩目にちひろは永井公園で弾き語りをするからそれを聞いてから決めてほしいと言う。彩目はそれに行かずに帰ろうとした。そんな彩目に優希が声をかける。優希はちひろがそんなに仲が良いわけでもない彩目のために鷹見とケンカをするところを見ていたのだ。それを聞いた彩目の足は無意識の内に永井公園に向かっていた。彩目はそこでちひろの努力と成長を知り、暇つぶしに、一時的に、と言いながらちひろのバンドに加入をするのだった。

文化祭

厘の策略によって、ちひろ、桃、彩目、厘の4人のバンドが結成された。新たなバンド名は「はーとぶれいく」。ちひろはこの4人で早く舞台に立ちたくてうずうずしていた。次に軽音部がライブをするのは文化祭である。しかし「はーとぶれいく」を結成した時は既に文化祭で出場するバンドのオーディションが終了しており、「はーとぶれいく」は文化祭で歌える隙はなかった。ここでまた厘が動き出す。文化祭で絶対に歌えるようにするから大丈夫だという厘の言葉を信じて、ちひろ達は練習に励むことにした。

そして文化祭当日。厘の策略により、「はーとぶれいく」は無事に文化祭の舞台に立てることになった。「はーとぶれいく」の前は「protocol.」。鷹見や彩目の後に加入した水尾春一(みずお はるいち)が人気を集め、視聴覚室は観客でいっぱいになった。しかしその多くが「protocol.」目当てだったため、「protocol.」のステージが終わると観客はほとんど残らなかった。それでもちひろは今までの練習の成果をぶつけられるのであれば良かった。そして本番。ちひろは見事に歌い切ることができた。1学期末のライブからの成長は目を見張るものがあり、同じ軽音部の部員達は、ちひろに対する認識を改めるのだった。

『ふつうの軽音部』の登場人物・キャラクター

主要人物

鳩野ちひろ(はとの ちひろ)

『ふつうの軽音部』の主人公。谷九高校の1年生で、軽音部に所属している。親の離婚に伴い、川崎市から大阪に引っ越しした。父親の影響で渋めの邦ロックが好き。カラオケでも歌っていたが、中学時代に自分の歌声や選曲をバカにされ、コンプレックスを抱くようになる。高校に入学するのを機に、エレキギターを買い、軽音部に入部した。最初は幸山厘(こうやま りん)、ヨンス(本名:田端 陽一/たばた よういち)、かっきー(本名:柿田駿/かきた しゅん)の4人でバンド「ラチッタデッラ」を結成。その後、厘の策略により自然な流れで解散し、厘、内田桃(うちだ もも)、藤井彩目(ふじい あやめ)の4人でバンド「はーとぶれいく」を結成した。

幸山厘(こうやま りん)

谷九高校の1年生。軽音部に所属しており、担当はベース。高身長でショートヘアが特徴。同じ中学校だった矢賀緑(やが みどり)の紹介でちひろとバンドを組むことになり、ヨンス(本名:田端 陽一/たばた よういち)、かっきー(本名:柿田駿/かきた しゅん)と共にバンド「ラチッタデッラ」を結成した。その後、ちひろの歌声に魅了され、”神”として崇めるようになる。ちひろへの信仰心が厚くて、狂気的。周囲を度々ドンビキさせている。ちひろをボーカルに据えた神バンドを結成するために暗躍するようになり、その策略の甲斐あって、ちひろ、内田桃(うちだ もも)、藤井彩目(ふじい あやめ)の4人でバンド「はーとぶれいく」を結成した。「protocol.(プロトコル)」のベーシ担当・田口流哉(たぐち りゅうや)とはいとこ同士。

内田桃(うちだ もも)

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