永遠の桃花〜三生三世〜(中国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『永遠の桃花〜三生三世〜』とは、中国の人気作家・唐七公子によるファンタジー小説を原作としたドラマ。天上界と人間界を舞台に3つの生で繰り広げられる愛と試練の物語。壮大な世界観と感動的な恋愛ストーリー、美しい映像美が特徴で、個性的な登場人物たちの愛や葛藤が深く描かれている。中国の神話や伝説をベースにした物語で、異世界感やファンタジー要素が豊富なのが特徴。第22回アジアテレビジョンアワード優秀撮影賞受賞。海外でも絶賛されたラブロマンス史劇超大作。

『永遠の桃花〜三生三世〜』の概要

『永遠の桃花〜三生三世〜』(えいえんのとうか さんしょうさんせい)とは、中国の人気作家・唐七公子のベストセラー小説『三生三世十里桃花』を原作とする、2017年に放送された中国ドラマである。TVドラマシリーズではじめて配信の総視聴回数が400億回を超えた。第22回アジアテレビジョンアワード(Asian Television Awards 2017)優秀撮影賞も受賞している。壮大なファンタジー要素とロマンチックなラブストーリーを織り交ぜた全58話の長編。人間界と天界を舞台に、複雑に絡み合う前世・今生・来世の3つの時代にわたる愛と宿命を描いた物語である。
物語は天上界の女君・白浅(はくせん)と天族の皇太子・夜華(やか)の二人を中心に展開する。彼らは3つの生でめぐり逢い、試練を乗り越えながらも愛を貫いていく。複雑な前世の因縁と、各キャラクターが抱える過去の傷が重なり合い、愛することの苦しさと美しさが映し出される。
その深いテーマ性や緻密なキャラクター造形、視覚的に美しい世界観により、中国国内だけでなく国際的にも多くのファンを獲得した。ファンタジーという枠を超えて、愛とは何か、人間としてどのように試練を乗り越えるべきかを問いかけてくれる。

『永遠の桃花〜三生三世〜』のあらすじ・ストーリー

修行時代

物語はまず、白浅(はくせん)がかつて司音(しいん)という名で修行していた時代からはじまる。彼女は青丘国の皇女として生まれ、非常に優れた才能を持ちながらも、天上界の神仙になるために厳しい修行を続ける。この時代は、白浅が修行に専念している若い頃の物語が描かれている。司音は、昆侖虚(こんろんきょ)という仙界の一門で修行を積む弟子である。そこで師匠である墨淵(ぼくえん)と出会い、師弟の関係ながら特別な絆を深めていく。師である墨淵は、天上界で非常に尊敬される強力な神仙。彼は彼女に多くの教えを授ける。司音は墨淵に対して師として深い尊敬と恩義を感じており、彼との修行の日々は彼女の人生に大きな影響を与える。司音は真っ直ぐな性格で突き進み師匠に迷惑をかけることが多くあった。あるとき司音は師匠から写経の刑を受け、気持ちを切り替えて修行に励もうとしていた。そんな中、司音が受けるべき試練を師匠が肩代わりしてひどい傷を負う。傷が完治しないまま、天上界と妖界の間で戦争が勃発。魔族との戦いである。妖界の強大な敵である擎蒼(けいそう)が天界に攻め入る。墨淵は司音や他の弟子たちを守るために、最後の手段として自らを犠牲にして擎蒼を封印。この犠牲により、墨淵は魂の状態に戻り彼の肉体は封印される。司音は師匠の犠牲に心を痛め、深い悲しみと恩義を感じ続ける。彼女は運命を受け入れ、仙女としての力を高め続けるのである。

人間界へ

翼族との戦いから7万年後。師匠・墨淵が命を懸けて封印した擎蒼の封印は7万年で効果が切れることを知っていた司音。王を再度封印するために封印場所へと向かうが、返り討ちに会い人間界に落とされる。修行を経た記憶を封印され、人間界へと転生する。人間として生まれ変わった彼女は人間・素素(そそ)として新しい人生を歩み始める。このとき彼女は以前の記憶をすべて失い、ただの人間として天上界の運命とは無縁の生活を送っている。

一方、天族の皇太子・夜華は黒龍として金猊獣(きんけいじゅう)の対処に人間界へ降り立つ。戦いの中で夜華は偶然素素と出会い、互いに惹かれるようになる。素素の正体が天上界の女神であることを知らない夜華。2人の愛は、天族の反対と陰謀により大きな試練を迎えることとなる。夜華は素素を妻として迎え入れ、2人は幸せな時を過ごす。やがて素素は夜華の子供を身ごもり、天上界の皇子を産むこととなる。しかし、天界では素素は異界の者と見なされ、特に夜華の側近や天君から敵視され、陰謀に巻き込まれる。特に夜華の婚約者であった素錦(そきん)による嫉妬が素素を追い詰める。素素は素錦に騙されて天界の規則を破ったとされ、その罰として両目を失う。夜華は彼女を守ろうとするが、天君の権力や天界の掟に逆らうことができない。素素は次第に天界での生活に絶望。最終的に、素素は天界での苦難に耐えきれなくなり、自ら命を絶つ決断をする。彼女は天君の前で跳ね橋から飛び降り、命を落とす。この出来事は夜華に深い傷を残し、彼の心は打ち砕かれる。

再び天上界へ

素素として命を落とした後、再び本来の姿である白浅として蘇る。白浅として復活した彼女は、再び夜華と運命的に出会う。しかし、この時点で彼女はかつての苦しい過去を忘れ、素素として過ごした日々の記憶を持たないまま。一方、夜華は素素と同一人物である白浅を前に、自らの過去の行動への罪悪感と深い愛情を抱え、彼女に再び愛を告げる決心をする。しかし、白浅の心にはまだ過去の傷が残っており、彼らの再会は険しい道のりだった。

物語が進むにつれ、白浅と夜華は何度も試練を乗り越えていく。素錦の策謀、天族内部の複雑な権力争い、そして墨淵との再会といった数々の出来事を経て、彼らは再び互いの存在の大切さに気づいていく。白浅は、夜華が素素に対して感じていた深い愛情を理解し、過去の誤解と心の傷を乗り越え、再び彼に心を開くようになる。

クライマックスでは、夜華が白浅を守るために再び命を懸けた戦いに挑む。彼の自己犠牲によって、天族と魔族の平和が保たれるが、その代償として夜華は一時命を失うことになる。この悲劇的な展開を受け、白浅は深い悲しみに包まれる。しかし、奇跡的に夜華は蘇り、彼らはついにすべての試練を乗り越え、共に生きることを誓う。最終的に天上界での平和を取り戻し、2人は再び結ばれることとなる。

『永遠の桃花〜三生三世〜』の登場人物・キャラクター

主要登場人物

白浅(はくせん)素素(そそ)司音(しいん)/演:楊冪(ヤン・ミー)

九尾狐(きゅうびこ)の女神であり、四海八荒(しかいはっこう)で知られる最強の仙人の1人。彼女は3つの異なる名前を持ち、異なる時代を生きる。司音として昆侖虚で修行を積む弟子の姿、記憶を失い素素という人間の女性として生きる姿、白浅という名で自らの記憶と力を取り戻す姿が描かれる。白浅は芯が強く、勇敢でありながらも愛に対しては傷つきやすい一面を持っている。強さと脆さが共存する点が魅力。強力な仙術を持ち、数千年の時を生きる存在でありながら、人間らしい感情や愛に苦しむ姿が描かれている。特に夜華との関係や、師である墨淵に対する思いなど感情の深い部分では常に葛藤している。彼女の成長は、愛や試練を通じて、自らの感情に正面から向き合い、過去の痛みを受け入れる過程でもある。試練を通じて真に強く、そして愛に満ちた存在へと成長していく。

夜華(やか)/演:趙又廷(マーク・チャオ)

天族の皇太子であり、次期天帝の後継者。彼は非常に冷静で理性的だが、心の奥底では白浅に対する深い愛情を抱いている。素素としての白浅に出会い、その純粋さに惹かれ、彼女を守り続けることを誓う。彼の愛は静かで強烈で愛の深さは彼の行動すべてに現れている。彼の弱さは、自分の感情を抑え続けることによる苦しみや愛する人を守ることができなかったことへの罪悪感。彼は自分の立場や責任に縛られ、素素を完全に守れなかったことが心の傷として残り続ける。この心の傷は彼の人間らしさを強調し、彼のキャラクターに深みを与えている。物語の最後、夜華は自らの命を犠牲にして妖界との戦いに勝利するが、その後蘇り白浅との愛を成就させる。この過程を通じて、彼は自らの責任と愛を完全に両立させ、最終的には天界と自らの愛する人々を守り抜く。彼の成長は、感情を抑制して生きる皇太子から、真実の愛に生きる男性へと変わることである。それは物語全体を通じて描かれる彼の最大のテーマだ。

天族(てんぞく)

天君(てんくん)/演:蒋愷(ジャン・カイ)

天界の王。央錯(ようさく)、桑籍(そうせき)、連宋(れんそう)の3人の息子がいる。央錯の息子が夜華で天君の孫にあたる。夜華のことを期待していて、人間の素素と一緒になることに反対だった。

司命星君(しめいせいくん)/演:王驍(ワン・シャオ)

人間の運命を管理する神仙。巻物には人間界の人々の生涯が記されており、必要に応じて書き換えることができる。東華帝君や白鳳九とは頻繁に話すが、他の人物とは必要最低限のやり取りしかしない。少し気難しい性格として描かれている。

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