GENJI 源氏物語（漫画）のネタバレ解説・考察まとめ

2024.10.07

平安時代中期に紫式部によって書かれた日本の長編物語『源氏物語』を、きらが現代の台詞でわかりやすく描いた作品。『YOU』2004年NO.20から2005年NO.22にかけて掲載され、集英社より全4巻で発売されている。主人公であるプレイボーイ光源氏（ひかるげんじ）について、後にその妻となる紫の上（むらさきのうえ）が語る形で物語は進む。光源氏の恋模様、そして光源氏が愛した女性、光源氏の父の妻である藤壺（ふじつぼ）と紫の上の三角関係を中心に描かれ、古典作品を身近な恋愛物語として楽しめる作品となっている。

光源氏を取り巻く女たち

弘徽殿の大后の妹で、朱雀帝の妻。入内する前に、やけになっていた光源氏と体の関係を持つ。関係を持った時は、お互い本名を明かさず、六の君は自分の事を朧月夜だと名乗った。

女三ノ宮（おんなさんのみや）

朱雀院の娘であり、30も年上の光源氏と結婚するが、頭の中将の息子である柏木と体の関係を持ち、子までなしてしまう。

『GENJI 源氏物語』の用語

片違え（かたたがえ）

陰陽道に基づいて平安時代以降に行われていた風習のひとつで、方角の吉凶を占い、その方角が悪い場合は別の方向に出かけ、目的地の方角が悪い方角にならないようにすること。

入内（じゅだい）

正式に内裏に参入することで、現在の結婚のこと。

元服（げんぷく）

古代中国の風習を模して行なわれた成人の儀式で、年齢は平安時代は12歳頃から16歳までの間に行なわれる場合が多い。子どもの髪型をやめて冠をかぶり、児童の服から大人の服に変える。

絵合わせ

2つのチームに分かれて、あらかじめ決めておいた題材にそって絵巻を用意し、双方で絵の良しあしを論じたうえ、最終的な判断は中立な立場の審判が下すという遊び。

『GENJI 源氏物語』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

光源氏「いいえ！あなたは私の父の妻なだけで私の母ではありません」「あたなが私に言ったんだ藤壺さま」

光源氏（ひかるげんじ）が、藤壺（ふじつぼ）の御簾の中に強引に押し入った時、抵抗する藤壺をねじ伏せるように言った言葉。まだ光源氏が幼かった頃、若すぎる藤壺の事をお母さんと呼べなかった時に、藤壺から「本当のお母さんではないんだし…」と言われた事を思い出し、御簾の中に入るための言い訳にした。光源氏はこの言葉で我儘な恋情を押し通そうとした。

六条御息所「…ひどい人ひどい人「妻とは心が通じ合わない」ってあなたおっしゃったのに」

懐妊したと嘘をついた葵の上（あおいのうえ）のことろに光源氏が行くと、葵の上は激しく苦しんでおり、その背後には六条御息所（ろくじょうのみやすどころ）の生霊が、光源氏をにらみながら「…ひどい人ひどい人」と恨み事を言いつのった。生霊に苦しめられながら葵の上は涙を流し、つれないふりをしていたが、実は光源氏に想いを寄せていた事を告白し死んでしまう。六条御息所の生霊は、作中で、夕顔（ゆうがお）、葵の上、最後には紫の上（むらさきのうえ）も呪い殺してしまう。恋心の恐ろしさを露わにした一言となっている。

藤壺「源氏の君…好きよ」「本当はずっと好きだったの」

一度は光源氏を強く拒んだ藤壺だったが、光源氏の体調を思わしくないと聞き、心配していた所に現れた光源氏の姿に、「本当はずっと好きだったの」と本心を打ち明ける。震えながら藤壺を抱きしめる光源氏に、涙を流しながらo思いを伝えた切ないシーン。藤壺と光源氏は、この後体の関係を持ち、ひいては御子を授かることとなる。二人の運命を大きく変えるきっかけとなった言葉と言える。

『GENJI 源氏物語』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

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