終の退魔師―エンダーガイスター―(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『終の退魔師―エンダーガイスター―』とは、四方山貴史によるバトルアクション漫画。2019年より『サイコミ』にて連載スタートした。美麗な絵柄にて描かれる映画のようなアクションシーンとグロテスクな描写で話題と注目を集め、コミックスがミリオンセラーを記録している。万台市という日本の架空都市を舞台に、魔物が跋扈する社会においてそれを討伐する存在である退魔師の活躍が描かれている。主人公の黒沢アキラは魔人に憑りつかれたドイツ人男性で、彼が相棒女性・淡縞千景とともに魔物退治に乗り出す物語である。

銃で撃ち合う黒沢アキラ(左)とジャー(右)

黒沢アキラと淡縞千景は、任務のためにフィリピンを訪れた。そこで2人はジャーという裏格闘界のチャンプと出会う。ジャーに魔人が取り憑いていることを察知したアキラは、ジャーと1対1の格闘戦による決闘を申し込んだ。アキラとジャーの戦いは肉弾戦から銃撃戦にまで広がり、まさに「死闘」と呼ぶに相応しいものとなる。結果的にアキラが勝利したもののジャーの常軌を逸した強さも多くの読者を驚かせた。後にアキラ&千景はジャーと協力関係を結ぶようになり、『終の退魔師―エンダーガイスター―』の人気がさらに高まることとなった。

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

圧倒的迫力のエログロ描写

魔女を狙撃で倒した黒沢アキラ

『終の退魔師―エンダーガイスター―』を一読した読者の感想として多く挙げられているのが、「グロテスク描写が多い」と「エロティックな絵柄」という点である。特にグロテスク描写については、血飛沫はおろか内臓や断面を描いた人体破壊シーンなどリアルなものが多く、同作品のホラー風味を強める要因とも言われている。また、女性キャラクターのヌードシーンも頻繁に描かれており、「読者を選ぶ漫画」という評価も決して少なくない。しかしながら、そのようなエログロ要素はあくまで物語や世界観を際立たせるための要素でもあり、『終の退魔師―エンダーガイスター―』の魅力に繋がっているという論調も多く、それ故にミリオンセラーを収めることができたと評されている。

人気映画のオマージュが垣間見られるタイトルやシーン

『終の退魔師―エンダーガイスター―』第4話サブタイトル

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の原作者四方山貴史は、熱狂的な映画フリークであることを明かしている。そのため、同作品には彼の好きな映画の要素がふんだんに盛り込まれているのだ。主人公の黒沢アキラとヒロイン淡縞千景の名前の元ネタが「黒澤明」と「淡島千景」であることは先に述べたが、各話のサブタイトルに映画の題名が取り入れられていたり、映画の名セリフや名シーンのオマージュが至る所で見られる点が同作品の見どころだと高評価する意見も多い。

芸能人から高評価されている『終の退魔師―エンダーガイスター―』

万台駅

『終の退魔師―エンダーガイスター―』は、連載開始直後から話題と注目を集めた漫画である。芸能人にも同作品のファンが多く、『アメトーーク!』で取り上げられたことがあった。また、お笑いコンビかまいたちの山内健司は『終の退魔師―エンダーガイスター―』の熱狂的なファンであることを公言しており、麒麟の川島明と共にホストを務める番組『川島・山内のマンガ沼』においても再三同作品の良さを語っている。また、山内は原作者の四方山貴史が同番組に出演した際には、大喜びでインタビューしていた。ちなみに、四方山貴史はドイツ人の父親と日本人の母親との間に生まれたハーフで、宮城県仙台市の大学に通っていた経歴を明かしている。『終の退魔師―エンダーガイスター―』において、舞台となる万台市の駅が仙台駅によく似ていることなど四方山貴史のバックボーンが作品内に生かされていることが示唆された。

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の前日譚『VS EVIL』

『VS EVIL』コミックス3巻表紙

『終の退魔師―エンダーガイスター―』は、四方山貴史の初連載作品である『VS EVIL』の第2部として連載スタートした。『VS EVIL』の主人公は、女子大生の仄白あさひと彼女に取り憑いた怨霊の「怨」であり、怨の生前の記憶を取り戻すために2人がバディを組んで様々な怪事件に挑んでいくという物語だった。同作品にはあさひと怨の他に月神鈴も登場しており、鈴は『終の退魔師―エンダーガイスター―』にも重要キャラクターの1人として出演した。なお、『VS EVIL』のコミックスは「サイコミ×裏少年サンデーコミックス」版より全3巻が刊行中である。

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