終の退魔師―エンダーガイスター―(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『終の退魔師―エンダーガイスター―』とは、四方山貴史によるバトルアクション漫画。2019年より『サイコミ』にて連載スタートした。美麗な絵柄にて描かれる映画のようなアクションシーンとグロテスクな描写で話題と注目を集め、コミックスがミリオンセラーを記録している。万台市という日本の架空都市を舞台に、魔物が跋扈する社会においてそれを討伐する存在である退魔師の活躍が描かれている。主人公の黒沢アキラは魔人に憑りつかれたドイツ人男性で、彼が相棒女性・淡縞千景とともに魔物退治に乗り出す物語である。

怨(えん)

『VS EVIL』のもう1人の主人公ともいえるキャラクター。青年の姿をした霊体で、首と胴体が切り離されている。自分が何故怨霊になったのか、その原因を究明するために仄白あさひ(ほのしろあさひ)に取り憑いた。性格は極めて短気で口が悪く、誰彼問わず高飛車な態度を取る。しかし、取り憑いているうちにあさひのことをバディ的な存在と感じるようになり、彼女が許可をすることで肉体を乗っ取って敵と戦う。魔煙を用いて銃や刀剣類を生成することができるほか、映画で観たジークンドーを見よう見まねで会得した。「闇の柱」によってあさひごと異世界に飛ばされたが、アキラと出会ったことで現代世界に戻ってきた。

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の用語

闇の柱(やみのはしら)

「闇の柱」が特集されたオカルト雑誌の表紙

「闇の柱」とは、『終の退魔師―エンダーガイスター―』の物語内で起きた超常現象。20××年5月に、日本の万台市にある東陸大学病院を中心にして突如発生した。「闇の柱」が発生したことで魔物たちが凶暴化することとなり、事態の収束に向かった日本の退魔師15人が犠牲となっている。そこで、「闇の柱」の謎を解明するために黒沢アキラが来日することとなった。「闇の柱」については、オカルト雑誌「ヌー」で特集記事が組まれており、日本退魔協会でも雑誌記事以上の情報が掴めていない。

退魔師(たいまし)

日本退魔協会活動拠点の1つ「天然温泉ことや」

退魔師とは、『終の退魔師―エンダーガイスター―』における中心的な存在であり、魔物や悪霊などの退治を主な任務にしている。英語圏では「エクソシスト」と呼ばれており、「退魔師」の呼称は日本独特のものであることが示唆された。退魔師の多くは、様々な特殊能力や霊装を用いて戦闘に参加している。また、退魔師は世界中に存在する退魔師協会に所属していることが一般的で、チームを組んで活動することが常である。中には、黒沢アキラのように単独で行動する者もいるが、その彼も日本で淡縞千景とバディを組んで以降は、他の退魔師たちと連携を図るようになった。

魔人(まじん)

魔人状態の黒沢アキラ

魔人とは、『終の退魔師―エンダーガイスター―』に登場する存在。物語内で8人の魔人がいることが明かされており、「黒煙の魔神」を8つの器に分けて封印されている。つまり、8人の魔人が揃うと魔神が復活する可能性が極めて高い。魔神は、腕のひと振りで都市1つを壊滅できるほどの強大な能力を有していて、18以上もの王国を滅ぼしてきた凄まじい存在である。アキラの師匠は魔神の復活を阻止するために行動していると推察され、ゴドーは自身が魔神の中心になることを目論んでいる。

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

鮮烈な初登場を果たした黒沢アキラ

魔女を狙撃する黒沢アキラ

『終の退魔師―エンダーガイスター―』の主人公黒沢アキラは、第1話で魔人状態で登場しており大暴れをしたものの、師匠によって取り押さえられた。その際に師匠から強さと人格を認められたアキラは、彼女の進言を受けて退魔師への道を歩むこととなる。退魔師になったアキラの活躍が物語内で初めて描かれたのは、ドイツのクラインバッハ村でオーガ1体とコボルト13体の討伐任務だった。彼は圧倒的な身体スキルと物質再構築の特殊能力を用いて魔物どもをあっさりと片付けた。実はオーガの上にさらに魔女も潜伏していたのだが、アキラは鮮やかに魔女を殺害してみせている。この一連のシーンは、四方山貴史のリアルでありながらアニメっぽさも感じさせる描線にて表現されており、読者に強烈な第一印象を与えたと評されている。

黒沢アキラ「千景サンは信じるよ」

黒沢アキラに自分のことを信じると言われて表情を曇らせる淡縞千景

アキラが日本への入国を成功させると、彼の相棒として日本退魔協会から派遣されたのが淡縞千景である。しかし、「黒の射手」アキラに動かれると困る勢力から度重なる妨害行為があり、協会が用意したアキラの住処が破壊されてしまった。そこで千景は、アキラを自分の家に泊めることにする。アキラが自分を妨害する勢力について推理を始めると、千景は「私がウソをついているかもしれない」という趣旨の発言をした。すると、アキラは即座に「千景サンは信じるよ」と否定する。このアキラのセリフには、「自分の相棒となった千景のことをとことん信じたい」という優しい想いが込められており、実際に彼はそのことを信念にしたかのような行動を取っていく。また、アキラの発言を受けた千景は何故か顔を曇らせた。『終の退魔師―エンダーガイスター―』の重要な伏線となる名言と名シーンであることが、後のストーリー展開にて判明した。

老龍「これが本気の力だ」

黒沢アキラ(左)の腹部に貫手を打ち込む老龍(右)

『終の退魔師―エンダーガイスター―』は、バトルアクション漫画であることから多くの強キャラクターが登場している。その中でも、作品一の強さを誇ると評されているのが老龍だ。老龍は退魔師ではないが、体内で霊力を練り上げて敵を倒す先方の持ち主であり、過去に東森琴次郎と手合わせして圧倒したことが判明している。また、黒沢アキラと戦闘した際には老龍の本気の力が放出され、その結果老龍の身体が一瞬にして痩身になるという衝撃のシーンが描かれた。この時、老龍は「これが本気の力だ」と言って強さをアピールしている。アキラと老龍は共闘することも敵対することもある複雑な関係で、「これが本気の力だ」は2人の力関係が表現された名言として認知されることとなった。

アキラVSジャーの激闘

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