地下室のメロディー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『地下室のメロディー』とは、 アンリ・ヴェルヌイユによる1963年のフランスの犯罪映画。
刑期を終えて出所したシャルルは、青年のチンピラであるフランシス・ヴェルロットを誘ってカジノの地下金庫から大金を強奪する計画を企てる。さらにフランシスの義兄であるルイ・ノーダンを運転手役として仲間に入れて綿密な計画を立てた。そしてカジノで計画を実行するのだが、予想外の出来事が起こってしまう。フランシスが金庫に忍び込んで金を盗み出すシーンが見所の作品。アラン・ドロンとジャン・ギャバンの二大スターが共演した。
強盗計画の前日、ルイ・ノーダンは大金を稼ぐことに対して不安になり、「金を使い切れば、また楽に稼ぎたくなる」とシャルルに言って計画を降りようとする。そして大金の受け取りを拒否した。贅沢に慣れることで金銭感覚が変わってしまうことを恐れるルイの真面目な性格が伝わってくる。
舞台裏の天井に付いた金具を落とすフランシス・ヴェルロット
舞台裏に侵入し、関係者が帰るまで木の板の裏に身を潜めていたフランシス・ヴェルロット。その後フランシスは舞台裏から天井に続く梯子を登るが、天井に付いていた金具を落としてしまう。大きな音が響き渡ったが、幸いにも舞台の関係者が帰った後だったため誰にも気付かれることはなかった。金具の落ちた音で、フランシスの存在が気付かれてしまうのではないかという緊張感が伝わってくるシーン。
水面に上がってくる紙幣を見つめるフランシス・ヴェルロット
フランシス・ヴェルロットは警察に見つからないように慌てて現金の入ったバッグをプールの底に入れる。しかしバッグが開いてしまい、次々と大量の紙幣が水面に浮かび上がった。綿密に立てた計画が水の泡になり、為す術もなくその様子を見つめることしかできないフランシスの情けない様子が滑稽である。
『地下室のメロディー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
本作を元にした関連作品が存在
『地下室のメロディー』が公開されてから、『御金蔵破り』(1964年)という映画が日本で制作された。『御金蔵破り』は『地下室のメロディー』をベースにした翻訳時代劇となっており、野上龍雄と石井輝男が共同で脚本を執筆し、石井輝男が監督を務めた作品である。
フランス映画祭でアラン・ドロンが初来日
1963年4月1日から10日にかけて東京都千代田区で第3回フランス映画祭が開催された。『地下室のメロディー』は4月8日に上映され、それに際してアラン・ドロンが初来日。『お嬢さん、お手やわらかに!』(1958年)や『太陽がいっぱい』(1960年)の出演で日本でも人気を博していたため、当時の来日も話題となった。
本作はモノクロ版とカラーライズ版が存在
『地下室のメロディー』にはモノクロ版とカラーライズ版の2種類が存在する。劇場公開された際にはモノクロ版が上映された。その後、カラーライズ版がDVD化された。
『地下室のメロディー』の主題歌・挿入歌
挿入曲:ミシェル・マーニュ「Mélodie en sous-sol」
ミシェル・マーニュが本作のテーマ曲であるMélodie en sous-solを手掛けた。軽快なジャズが印象的で、大金を盗み出そうと計画する3人の様子にマッチした楽曲である。
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目次 - Contents
- 『地下室のメロディー』の概要
- 『地下室のメロディー』のあらすじ・ストーリー
- 大儲けの願望
- 周到な準備
- 計画の確認
- 決行の前
- 計画当日
- 予想外の事態
- 『地下室のメロディー』の登場人物・キャラクター
- 主要キャスト
- シャルル(演:ジャン・ギャバン)
- フランシス・ヴェルロット(演:アラン・ドロン)
- カジノ周辺の関係者
- ブリジット(演:カルラ・マルリエ)
- バーマン(演:ジャン・カルメ)
- その他
- ルイ・ノーダン(演:モーリス・ビロー)
- ジネット(演:ヴィヴィアーヌ・ロマンス)
- 警察のコミッショナー(演:クロード・セバール)
- 『地下室のメロディー』の用語
- カジノ
- 踊り子
- 刑務所
- 『地下室のメロディー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ルイ・ノーダン「金を使い切れば、また楽に稼ぎたくなる」
- 舞台裏の天井に付いた金具を落とすフランシス・ヴェルロット
- 水面に上がってくる紙幣を見つめるフランシス・ヴェルロット
- 『地下室のメロディー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作を元にした関連作品が存在
- フランス映画祭でアラン・ドロンが初来日
- 本作はモノクロ版とカラーライズ版が存在
- 『地下室のメロディー』の主題歌・挿入歌
- 挿入曲:ミシェル・マーニュ「Mélodie en sous-sol」