Kena: Bridge of Spirits(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『Kena: Bridge of Spirits』は、Ember Labによって2021年に制作・販売されたアクションアドベンチャーゲームである。
現世に残留する死者の魂(スピリット)をあの世へ導くスピリットガイドであるケーナを主人公に、多くのスピリットが苦しんでいるある村でのケーナの冒険と活躍が描かれる。
そのゲームの完成度の高さから、2021年のThe Game Awardにおいては、Best Independent Game賞を獲得している。
本作の主人公であり、スピリットガイドとして死者の魂(スピリット)を救済するために旅をしている。
本作におけるスピリットガイドとは、いわゆるシャーマンのような現世と霊界を繋ぐ存在であるとともに、自然的な力に理解の深い存在として描かれており、スピリットガイドであるケーナも自然の精霊であるROTと心を通わすことができたほか、本作において霊的あるいは自然的な力を利用することができる。
そのようなスピリットガイドとしての役割を担ったケーナが、自然的な力の象徴である山の神社に赴こうとしているというところから、本作の物語は始まる。
非常に強い後悔の念から現世を離れられない、強力なスピリットであるトシによって、ケーナが山の神社に向かう理由が、スピリットを助けたいという善たる動機ではなく、同じスピリットガイドであり死別した父との繋がりを確認したいという利己的な動機であることが見抜かれている。
ROT
自然の精霊であり、本作のマップである村のいたるところに点在している。敵を拘束したり、重い物を運んだり、ケーナの発動する技のエネルギーとなったりと、ケーナの冒険に力を貸してくれる。
その実は、山の神社の神が分裂した姿である。山の神社の神は、本作で登場する村の自然のサイクルを司っていたが、自然のサイクルが乱れたことにより村の存亡の危機に遭ったルスにより決別され、攻撃されたことにより山の神社の神は力を失いROTへと分裂し、その際の衝撃により、結果的に村の人々は全滅してしまう。
なお、自然のサイクルの乱れは、山の神社の神により意図的に引き起こされたものではなく、人為的には抗えない超人為的なもの、したがって山の神社の神にもどうすることもできなかったものとして描かれている。
ベニとサイヤ
ケーナが村で最初に出会う友好的なスピリットである。ROTと遊んでいるところをケーナに目撃され、最初は驚き逃げてしまうが、ケーナが村の腐敗を浄化しているところを見て、ケーナに心を許す。
ケーナが山の神社に行きたいと告げると、兄であるタローのスピリットを助けて欲しいこと、村のことは村の中央にいるザジュローに聞けばよいことを教えてくれる。
山の神社がトシの行為により爆発した際、命を失いスピリットになる。
タロー
自然のサイクルが乱れ村に飢饉が訪れたことにより、両親を失い、弟たちであるベニとサイヤの面倒を一人で見ていた。
ベニとサイヤの生活のために食糧や物資を集めていたところ、嵐によりベニとサイヤとはぐれ、またその際に生じた山の神社の爆発により死亡し、スピリットとなった。
その後、ベニとサイヤを探しまわるも、ベニとサイヤが既に死亡していることに気付き、弟たちを守れなかった後悔により狂暴化してしまう。
ルス
本作の村の有力な射手であったスピリット。ケーナがタローの痕跡を求めて旅をしている道中で出会い、ケーナに弓矢の技術を教えてくれる。
村の飢饉によって窮地に陥ったタローが訪ねてきた際、村のために自らの職責を果たさなければならずタローを助けることができなかったことを後悔している様子が描かれる。また、このとき、トシとともに村を救うために尽力していた姿が描かれている。
ケーナによりタローが浄化され、ベニとサイアとの再会を果たすと、満足した様子でケーナの前から姿を消した。
ハナ
山の神社のエネルギーを集める技術を発見し、村の発展に木工職人であるアディラと共に貢献した。アディラとは、深い友情で結ばれている。
村が飢饉に襲われた際、物資や食糧を求めて一人航海に出るが、帰らぬ人となる。
アディラ
ハナと共に、木工職人として村の発展に尽力した。
ハナが物資や食糧を求めて航海に出た際、村の建築に貢献するためにアディラは村に残ることを決める。
村が疲弊し、人々が村を捨てた後も、ハナの帰りを一人待ち続けた。ハナはもう帰ってこないと気付きながらも、ハナが帰ってくる目印とするために高くそびえる塔を建造し、そこに自ら作り上げた村のエネルギーの循環機構を移す。その際、山の神社のエネルギーの爆発によって死亡した。
ハナを失ってしまったことを深く悲しみ狂暴化する。
ザジュロー
スピリットガイドの良き理解者であり、村の中央にある仮面の祭壇で、ケーナの案内人を務める。
この村では、死者を祀るために仮面を掘っていたことをケーナに伝え、ケーナの目的に協力するために助けを求めているスピリットの仮面を託す。
村の長老、相談役といった存在として描かれており、自然との調和を重んじたザジュローは、自然との調和に抗ってでも村を救済しようとしたトシと決別する。
トシ
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目次 - Contents
- 『Kena: Bridge of Spirits』の概要
- 『Kena: Bridge of Spirits』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- タローの後悔
- アディラの後悔
- トシの後悔
- エピローグ
- 『Kena: Bridge of Spirits』のゲームシステム
- 基本アクション
- 特殊アクション
- 弓矢
- フックショット
- 爆弾
- ROTアクションとスキル
- 呪われた宝箱
- 瞑想スポット
- ワープストーン
- フォトモード
- 『Kena: Bridge of Spirits』の登場人物・キャラクター
- ケーナ
- ROT
- ベニとサイヤ
- タロー
- ルス
- ハナ
- アディラ
- ザジュロー
- トシ
- 『Kena: Bridge of Spirits』のアイテム
- パワーストーン(お守り)
- ROTのハット
- 自然エネルギーの結晶
- カルマ
- スピリットメール
- 『Kena: Bridge of Spirits』の用語
- スピリットガイド
- スピリット
- 山の神社
- 腐敗
- 『Kena: Bridge of Spirits』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- Ember Labの成り立ち
- 本作が影響を受けた作品は『ゼルダの伝説』や『大神』
- 本作のテーマは人間の生と死における解放や変化