ヨルハ二号B型/2B(NieR:Automata)の徹底解説・考察まとめ

ヨルハ二号B型(よるはにごうびーがた)とは『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』の主人公で、プレイヤーキャラクターの1人。作中やプレイヤーからの通称は「2B(トゥービー)」。地球侵略を目的としたエイリアンが放った兵器「機械生命体」から地球を奪還するために派遣されたアンドロイド兵士「ヨルハ部隊」の一員。冷静沈着な戦闘モデルの女性型アンドロイドで、剣戟による近接攻撃とサポートユニット「ポッド」を用いた遠距離攻撃を駆使して、機械生命体と戦い続けている。

武器を装備していない時は素手での攻撃を行う。強力な機械生命体への決定打には欠ける。

ヨルハ二号B型(2B)の来歴・活躍

Aルート(1周目)

西暦11945年3月10日に開始されたヨルハ部隊の地球降下作戦「第243次降下作戦」。地球を支配する機械生命体達が有する工場施設、及び超大型兵器の発見と破壊を目的としたその作戦に6機編成部隊の一員として身を投じる2Bだったが、成層圏突破後、機械生命体側の攻撃によって仲間は次々に撃ち落とされ壊滅してしまう。1人生き残った2Bは作戦領域である工場施設に到達し、事前調査のために潜入していたヨルハ部隊スキャナータイプのアンドロイド・9Sと合流する。2Bと9Sはそれぞれ施設内部と外部の探索を進め、目標の超大型兵器と遭遇。地上から2Bが、空中から飛行ユニットに乗った9Sが攻め続けるが、その隙をついて、超大型兵器は2Bに超巨大アームを振り下ろす。2Bを庇おうと飛び込んだ9Sが吹き飛ばされ、片腕と片足を失う重傷を負った。2Bは深手を負った9Sに替わり、飛行ユニットを駆使しながら必死に超大型兵器を撃退することはできたが、新たに出現した複数の超大型兵器に取り囲まれてしまう。絶体絶命の状況の中、9Sは2Bに、ヨルハ機体に搭載されている核融合駆動システム「ブラックボックス」を用いたブラックボックス反応による自爆で、超大型兵器の殲滅を提案する。2Bが自らのブラックボックスを取り出し、9Sのブラックボックスと触れ合わせた瞬間、真っ白な閃光が辺り一帯とともに2人を飲み込んでいった。

作戦は成功し、2Bは衛星軌道上に存在するヨルハ部隊の基地・バンカーで目を覚ます。超大型兵器を殲滅する前に、9Sによってバックアップされた2Bの記憶は彼女の新たな義体にインストールされており、同じく目覚めていた9Sにお礼を告げる。しかし、バックアップすることができていたのは2Bの記憶のみであり、9Sの記憶は彼女と合流する直前までしか残っていなかった。

「ヨルハ部隊司令官(ホワイト)」から地上にいる旧型アンドロイド達の集まりであるレジスタンスと合流し、情報収集と周辺調査という新たな任務を与えられた2Bは、自身のメンテナンス担当となった9Sとともに再び地球に降り立つこととなる。レジスタンスの協力を借りつつ、地上の調査を進める2Bは人の姿をした機械生命体「アダム」と「イヴ」、戦いを嫌う平和主義者の機械生命体「パスカル」など、これまでに遭遇したことがない特殊な個体と出会っていく。また、調査の過程で機械生命体の創造主であるエイリアンが、その機械生命体によって何百年も前に絶滅させられていたことを知る。その真実に愕然としながらも調査を続けていく中、アンドロイド軍が太平洋に展開している空母が巨大機械生命体に襲撃される。飛行ユニットを駆って応戦するが、戦いの衝撃で9Sは吹き飛ばされ消息不明となってしまう。巨大機械生命体の機能が停止してから8時間後、わずかなブラックボックス反応を頼りに、9Sの探索に全力を尽くす2B。やがて辿り着いたケイ素と炭素が含まれる結晶で構築された白一色の街で見たのは、アダムによって磔にされていた9Sの姿だった。2Bをおびき寄せるための餌として利用された9Sの姿を目の当たりにし、2Bは怒りを爆発させる。激情の走るまま戦いを挑んだ2Bは、激闘の末アダムの腹を剣で貫く。怒りに任せ、刃を横に引き裂いたことで、アダムは求めていた死の概念を理解し、恍惚の表情を浮かべて死に絶えた。2Bは解放された9Sを抱きしめた後、彼を抱えて崩れゆく街を後にした。

データオーバーホールのため9Sがバンカーに戻っている間、単独任務となった2Bは、ネットワークから切り離された機械生命体のコミュニティ同士による和平交渉に臨もうとしているパスカルからの依頼で、護衛のために工場廃墟に向かうこととなる。相手は多くの信者を抱える宗教団体の教祖であったが、2Bとパスカルが向かった頃、教祖は既に自害した後だった。その場にいた殆どの信者達は、教祖の死に悲しむことはなく、寧ろ「教祖様は、カミになった!」と歓喜の姿を露にしていた。自らもカミになろうと狂乱する信者達は殺し合いをはじめ、2Bとパスカルにも襲い掛かる。通信環境が不安定でバンカーへの救難信号を送ることができず、脱出困難な状況となるが、バンカーから機械生命体をハッキングした9Sのサポートもあり、なんとか脱出することに成功した。

パスカルと別れ、レジスタンスキャンプに戻った2Bが見たのは、燃え盛るキャンプと暴走した機械生命体によってアンドロイド達が生きたまま捕食される地獄のような惨状だった。それだけに留まらず、キャンプの外やパスカルが暮らす村など、至る所で機械生命体が暴れ狂っていた。暴走しているのは、アダムを喪い、底知れぬ悲しみと憎悪に憑りつかれたイヴの管理下にあるネットワークと繋がっている機械生命体であった。バンカーから救援に駆け付けた9Sと合流し、機械生命体を呼び寄せる大型兵器を仕留めた2Bは、肉体が黒く染まり、憎悪に飲み込まれ凶暴化したイヴと対峙する。イヴや機械生命体の暴走を止めるために戦う2Bだったが、周囲の機械生命体からエネルギーを吸収し続けるイヴの力の前に苦戦してしまう。イヴを弱体化させるために9Sはハッキングを試み、2Bは懸命に彼の援護を続ける。やがて9Sはイヴのネットワーク切断に成功し、イヴは弱体化。死闘の末、2Bは折れた剣を手にふらふらの身体を引きずりながら、全ての力を放出しきったことで項垂れるイヴの前に立つと、頭上から脳天に向かって剣を貫いた。イヴは倒れ、戦いは終わったが、ハッキングの際に9Sは自我データを物理汚染されてしまう。「バンカーにあるデータで巻き戻ることはできる」と言う9Sだったが、バックアップを取らずに再起動した場合、これまで2Bと行動を共にした記憶も失われてしまう。しかし、汚染データをバンカーにアップロードするわけにもいかず、覚悟を決めた9Sは躊躇する2Bに介錯を頼む。9Sを手にかけた2Bは、悲しみを堪えきれず彼の遺骸を抱きしめる。感情を抑えきれず、泣き続ける2Bだったが、突如機能を停止した周囲の機械生命体の残骸が共鳴を始める。すると、近くで倒れていた巨大な機械生命体がゆっくりと動き出す。剣を振りかざそうとする2Bを、その機械生命体は9Sの声で制する。彼は、パーソナルデータを機械生命体側に残していたため、周囲のネットワーク上で自我が再形成されていたのだった。起こった出来事をまくし立てる9Sに対し、2Bは安堵の微笑みを浮かべる。

そして、機械生命体と自分達アンドロイドを分かつものは何か、意思と感情を持つに至ったロボット達が死の間際に振り絞る、最後の叫びが2Bの中に残っていた。

C/Dルート(3周目)

敵ネットワーク基幹ユニットであるアダム及びイヴが撃破されたことで、機械生命体の指揮系統は一時的に混乱状態となっていた。ヨルハ部隊を率いる人類軍は、これを好機とし機械生命体に対し総攻撃を開始した。大規模な侵攻作戦が実行に移され、2Bも9Sとともに遊撃部隊として参加する。次々と機械生命体を破壊していき、順調に進んでいたと思われた侵攻作戦だったが、しばらくすると機械生命体達のEMP(電磁パルス)攻撃によってヨルハ部隊員達は新型の論理ウィルスに感染し、次々と暴走してしまう。バンカーへのデータ同期を保留していたことで、2Bと9Sは難を逃れたが、敵と化した仲間達に刃を向けられることとなり、バンカーとの通信も途絶えてしまう。追い詰められた2人はブラックボックス反応によって義体を犠牲にし、バンカーに非常用として残したボディに帰還する。だが既に司令部はおろか、バンカー全体がウィルスに汚染されており、基地内にいたオペレーター達も機械生命体に乗っ取られてしまう事態となっていた。真っ赤に染まったアラートが基地内に鳴り響く中、2Bと9Sは自我を保っていた司令官を連れて、飛行ユニットで脱出するため、襲い掛かってくるオペレーター達を掻い潜って格納庫へ急ぐ。しかし、司令官は自分も既にウィルスに侵されているため脱出できないことを告げると、最後の理性を振り絞って2人に生き残るよう命じる。司令官を残し、2Bと9Sが飛行ユニットで脱出すると、間もなくバンカーは崩壊した。地上に逃げ延びようとする2人を、汚染されたヨルハ部隊やEMP攻撃が襲い掛かる。窮地に追い込まれた2Bは、9Sだけでも逃がすために自ら囮になり彼を戦線から離脱させる。

辛うじて地上に着陸した2Bだったが、敵の猛攻によって受けたダメージによって自身もウィルスに汚染されてしまう。ポットのサポートを受けてもウィルスは除去できないレベルに達しており、他のアンドロイドに汚染を広げないために、アンドロイドの反応が少ない地点を目指して2Bは歩みを進める。徐々に身体機能は失われていき、戦うことはおろか、走行すら困難な状態となった身体を引きずって、アンドロイドがいない商業施設へと辿り着いた2Bは、汚染されたヨルハ部隊員に襲われる。そんな彼女を助けたのは、脱走兵として指名手配されているヨルハ機体であり、過去に相対したことがある「ヨルハA型二号(A2)」であった。中枢システムまでウィルスに汚染され、もはや動くことすらできずその場に膝をついた2Bは、ゴーグルを切り落とし、目の前に立つA2を真っ赤に染まった瞳で見上げた。自身の限界を悟り、地面に剣を突き立てた2Bは、その剣に自身の記憶を託し、A2に介錯を頼む。A2は少しだけ躊躇いながらも、足を踏み出すと、突き立っていた剣を手に取り、2Bの胸に深々と突き刺した。全ての機能が停止する寸前で、2Bが見たのは、遠くで自身を見つめながら呆然と立ち止まっていた9Sの姿だった。

ヨルハ二号B型(2B)の関連人物・キャラクター

ヨルハ九号S型(9S)

CV:花江夏樹
ヨルハ部隊に所属するスキャナータイプのアンドロイド。ハッキングや情報収集を得意とする高機能モデルで、作戦行動をともにする2Bのサポートやメンテナンスを担当している。冷静沈着で感情をほとんど表に出さない2Bとは対照的に、好奇心旺盛で明朗快活な性格の持ち主で、感情を表に出すことが多く、2Bや自身のオペレーターである21Oからたしなめられることも多い。言葉遣いは子供っぽく、命令に対して不真面目に返答することもあるが、任務そのものは忠実に遂行する。機械生命体に対しては憎悪や侮蔑に似た感情を抱いており、自分達アンドロイドよりも劣っている存在だと見下すような発言をすることもある。スキャナータイプは、単独での現地の事前調査が主となっているため、2Bと一緒に行動できることを喜ばしく思っており、親しい相手からの愛称である「ナインズ」と呼んでくれないかと度々伝えている。2Bに対して大きな親愛・独占欲を抱いており、彼女の本当の任務が自身の抹殺であることや、2Bの正体が2Eであることについて薄々感づいていながらも、心の拠り所としている。

オペレーター6O

CV:磯部恵子
バンカーから2Bにオペレートを担当しているアンドロイド。2Bとの定期連絡の際に他愛のない世間話や恋愛相談をしたり、占いの結果を気にするなど、感情豊かで明るい性格の持ち主。立場上地球に降りることが無いため、地上に対しての憧れや、植物への興味を抱いている。3周目において機械生命体殲滅作戦を遂行中、敵が仕掛けた論理ウィルスに侵され、2Bの前に感染した状態で襲い掛かる。最期は2Bにこれまで培ってきた思い出を告げながら討たれ、バンカーと運命を共にした。

ポッド042

CV:安元洋貴
2Bに随行する支援ユニット。戦闘面では遠距離から射撃攻撃を行い、移動時には次の目的地へのナビゲーションを行うなど、様々なサポート機能を有している。複雑な思考を行うことはなく、機械的な発言や判断を行っているが、3周目以降における2Bや9S、A2の行動を見ていくうちに、自我を持った選択をしていくようになる。

ヨルハ部隊司令官(ホワイト)

CV:加納千秋
前線基地バンカーから全てのヨルハ部隊を指揮する司令官。名称は「ホワイト」。冷静沈着で常に毅然とした振る舞いをしているが、2Bや9Sのことは常に気にかけている。プライベートでは身の回りのことを疎かにしがちで、服を洗濯係に渡さず溜め込んだり、ボディのメンテナンスチェックを全くしないなどズボラな一面がある。立場上、人類が既に絶滅していることや、ヨルハ部隊がその事実を隠蔽するために設立されたことを知りながら、部下達には真実を隠してヨルハ計画を粛々と遂行している。しかし、彼女ですらヨルハ計画の最終目的は知らされておらず、3周目において、機械生命体によるハッキングとウィルス攻撃によってバンカーが壊滅的な打撃を受けたことで、ヨルハ部隊が壊滅。自身も論理ウィルスに侵されたことを察知し、2Bと9Sに生き残るよう命じた後、バンカーと運命をともにした。

パスカル

CV:悠木碧
機械生命体のネットワークから切り離されたことで、戦うことを放棄して平和主義に目覚めた機械生命体。自分と同じ思想を持った機械生命体を集めて独自のコミュニティを形成し、そこの長を務めている。人類の歴史や旧世界の情報に興味を持っており、哲学書を読むことを趣味としている。アンドロイドのレジスタンスと交易を行っており、2Bや9S、A2にも様々な情報を提供し、交流を深めていくようになる。

ヨルハA型二号(A2)

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@renraku_6a249

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