ふたりソロキャンプ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ふたりソロキャンプ』とは、出端祐大により描かれているキャンプを題材にした漫画作品。2018年から講談社の『イブニング』にて第1部を連載。同社の『モーニング』にて、2024年から第2部が連載。孤独を愛する34歳独身のソロキャンパー樹乃倉厳と大学生の超初心者キャンパー草野雫が最悪な出会いをする。厳は不本意ながらも雫が一人前になるまでふたりでソロキャンプを行うことになる。登場人物の人間関係の深まりが魅力の作品。加えて、キャンプについての知識も高まり、読んだらキャンプに行きたくなる作品である。

キャンプギア

キャンプ道具のこと。テントや椅子、テーブル、ガスバーナー、調理道具、寝袋など様々。技術の進歩や新しい発想、流行りも加わり、日々新しい物が出てくる。

キャンプ飯

キャンプで作る料理の事。本作では雫が作るものが多く、お酒に合う料理が多い。また、レシピも紹介されている。

その他用語

続々と新作が出るギアをチェックしにショップへ行く厳。また、新しいギアを買ってしまうシーン。

キャンプギアなど日々新しいものが出てくるため、使いたいギアも当然多い。慣れ親しんだギアもあるのは当然だが、次々と新しいギアを求めてしまうことを、沼へ沈んでいくことに例えている。

『ふたりソロキャンプ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

樹乃倉厳「ソロは責任も独り占めなら 楽しみも独り占めなんだ」

厳が雫に対して、ソロキャンプの責任と魅力を伝えるシーン。

「第1話 独り野営にて思ふ」でのセリフ。
キャンプ場の受付に間に合わず、テントなどの道具もレンタルできなかった雫が厳に甘える。無計画・無鉄砲で簡単に他人に頼る甘ったれの雫に対して、「お前にソロはまだ早い…!」、「独り(ソロ)は気楽だが 独り(ソロ)である責任も付きまとう その責任を負えないヤツにソロをやる資格はない!!」と諭す。雫はその言葉を受け止め、暗い表情となる。そんな雫に対して、厳は「ソロは責任も独り占めなら 楽しみも独り占めなんだ」と放つ。二人の目の前には雲が晴れ、満点の星空が現れる。それを見て雫は満面の笑顔で感動する。厳が雫にソロキャンプの魅力を伝えるシーン。

樹乃倉厳「孤独(ソロ)を楽しめ」

「第3話 もう辛抱ならんっ!」でのセリフ。
初めての二人でのソロキャンプ。初心者の雫が初めて独りでテントを設営を行うが、全然完成せず、厳に手伝ってもらおうと甘える。しかし、厳は「ソロになってもそうやって誰かにずっと助けてもらうのか?」と指導。失敗すらも大事な経験であり、自分だけでそれをなんとかするのがソロキャンプであることを伝える。そこで「孤独(ソロ)を楽しめ」と雫にソロキャンプの楽しみ方を伝えるシーン。雫はそれを理解し、自力で時間がかかりながらもテント設営を終える。

草野雫「やっぱりキャンプしたいからキャンプするってことでいいのかなって」

雫が自分なりのソロキャンプについて考えるシーン。

「第11話 何するか…だと?」でのセリフ。
火野瑞希と大空さやに一人でキャンプに行って何をするか尋ねられた雫。その時は上手く答えられなくて、厳に質問する。ただ、厳もあいまいな答えだけで雫は自分で改めて考える。いろいろ考えるが、海を見ていたら難しく考えるのが馬鹿らしくなり、今回のセリフ「やっぱりキャンプしたいからキャンプするってことでいいのかなって」との結論に至る。「キャンプでなくてもいいけどキャンプしながらやりたいからキャンプに行く!」とキャンパーの事を理解する雫。厳もこれに対して納得。改めてキャンプとは何かを考えるシーン。

樹乃倉厳「俺が助けてやる これは…ソロキャンプでも…ふたりソロキャンプ―――――…だからな」

「第16話 俺はいったい…!」でのセリフ。
雫に焚き火のいろはを叩き込む厳。薪への着火が上手くできず時間がかかる雫に対して、厳がいつもより丁寧に教える。それに対して雫はポカーンとしてしまう。失敗も経験させ、それすらも楽しむというソロキャンプの自由さを伝える。初めは孤独が好きで、ふたりソロキャンプを認めていなかった厳が何度か雫とキャンプに行くことで、ふたりソロキャンプを認めたシーン。「俺が助けてやる これは…ソロキャンプでも…ふたりソロキャンプ―――――…だからな」と厳が照れながらも雫に発言し、初めて厳の口からふたりソロキャンプと聞くことができ、とても喜ぶ雫。

厳が年に一度親父と酒を交わすシーン

「第21話 ソロの始まり」
厳は年に一度だけ、普段あまり飲まない日本酒とひと手間かけた料理を食す。それを楽しみながら、空を仰ぎ、火に語りかける。「すまんな厳 ちょっとした検査だけで退院するから 今度のキャンプまでには元気に戻ってくるからよ」と言っていた親父が二日後にあっさり死ぬ。父の存在が世界の全てだった厳にとって、世界が真っ暗になっていくのを感じていた。その後どうやって行ったか分からないが、親父と行く予定であったキャンプ場に行き、ふらっと火の中に顔を沈めてしまった。その時から火の中に親父を見た記憶が残る。それから、親父の命日には親父好みのキャンプ場で親父好みの酒やつまみをもって焚き火を行う。厳の過去に思いをはせるシーンである。

『ふたりソロキャンプ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者の井端祐大は実際にソロキャンプが趣味

長崎県佐世保市で山と海に囲まれて育った作者。キャンプ好きの父に毎週のようにキャンプに連れられていた。子供の頃はボーイスカウト、大人になってからはバイクとテントで日本をウロウロ。キャンプキャリアは20年を超えるという。

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