たまこまーけっと(たまこけ)のネタバレ解説・考察まとめ

『たまこまーけっと』とは、京都アニメーションが手がけた完全オリジナルアニメーションで、ほっこりと温まる日常を描いた作品ある。2013年1月9日から3月27日まで全12話で放送された。「うさぎ山商店街」にある餅屋の娘・たまこは、花屋で南の国から来たしゃべれる鳥・デラと出会う。デラは王子のつかいとして、妃を探しにやってきたのだった。たまこはデラと暮らすことになり、騒がしい1年を送ることになる。うさぎ山商店街の人たちがたまこやデラと織りなすほっこりとしたストーリーが作品の魅力である。

『たまこまーけっと』の概要

『たまこまーけっと』とは、京都アニメーションが手がけた完全オリジナルアニメーションで、ほっこりと温まる日常を描いた作品ある。2013年1月9日から3月27日まで TOKYO MXなどで全12話で放送された。監督は山田尚子、シリーズ構成に吉田玲子、キャラクターデザインに堀口悠紀子と、『けいおん!』を手がけたスタッフが名を連ねている。

「うさぎ山商店街」にある餅屋の娘・たまこは、南の国から王子の妃探しにやってきた言葉を話す鳥・デラと出会う。家にデラを連れて帰って一緒に暮らすことになり、たまことデラの騒がしい1年が始まる。その中で学校行事や季節のイベントなどで、商店街の人たちや学校の同級生たちと関わりながら、楽しく温かい日常を送る様子が描かれている。
主人公が餅屋の娘ということもあり、季節ごとに販売される様々なもちが登場し、物語のキーアイテムとなっている。また、うさぎ山商店街の人たちはお互いや商店街に訪れる人たちに対して愛情を持って接しており、彼らがたまこやデラと織りなすほっこりとしたストーリーが作品の魅力である。

本作は、京都アニメーションの元請制作・オリジナルアニメ制作の10周年記念作品として制作され、同社制作のテレビアニメ『中二病でも恋がしたい!』の番組CMにて放送開始の告知がされた。
さらに2013年に公開された劇場版『小鳥遊六花・改 〜劇場版 中二病でも恋がしたい!〜』の上映前のCMにて、本作の新作制作が発表される。その後2013年12月に劇場版の製作と公開日が決定し、続編に当たる劇場版『たまこラブストーリー』が2014年4月26日に公開された。
劇場版の他、小説やCD・WEBラジオなど他メディアにも展開されている。

『たまこまーけっと』のあらすじ・ストーリー

出会いの季節

デラ(左)に餅をあげるたまこ(右)

冬休みの初日、うさぎ山商店街にある餅屋「たまや」の娘・北白川たまこ(きたしらかわ たまこ)は、「フローリスト・プリンセス」という花屋で鳥のデラ・モチマッヅィと出会った。デラは南の国から王子の妃を探すため旅立ったが、途中の花畑で休憩して眠っている間に花と一緒に出荷され、うさぎ山商店街の花屋にたどり着いたのである。
部活帰りのたまこが花屋に寄ってデラを発見し、家に連れて帰ることになった。たまこの家にはたまこの祖父の福(ふく)、父の豆大(まめだい)、妹のあんこがおり、最初はデラの名前と喋る鳥に衝撃を受けていたが、デラのことを受け入れくれた。そうしてデラは、たまこの家で一緒に暮らしていくことになる。
うさぎ山商店街の人たちもすぐにデラを受け入れてくれた。

翌朝、たまこは餅屋の手伝いを終えて部活に向かった。部活はバトン・トワリング部で、友達の常盤みどり(ときわ みどり)や牧野かんな(まきの かんな)と一緒におやつを食べたりおしゃべりしながら楽しく活動している。部活の帰り、たまこは商店街にある「星とピエロ」という、レコード販売も行っている喫茶店に寄った。小学5年生の頃に亡くなった母・ひなこがよく歌っていた曲をずっと探しており、喫茶店のマスターに協力してもらっているのである。その日も探している曲は見つからなかった。

大晦日、餅屋が1年で最も忙しくなる日であり、たまこの誕生日でもある。「たまや」に来てから毎日美味しい餅を食べているデラは、来た時からずいぶんと太っていた。
「たまや」の向かいにある餅屋「大路屋」の息子・大路もち蔵(おおじ もちぞう)は、幼なじみのたまこのことが小さい頃から好きで、毎年誕生日のプレゼントも用意している。しかし照れ隠しと大晦日に忙しさで、毎年渡せていないのだった。

冬休みが明けて2月になり、学校ではみんながバレンタインで浮ついていた。たまこもみどりやかんなと教室でバレンタインの話をしており、大工の娘であるかんなは、チョコレートの家を作ると計画していた。
帰り道、いつものように商店街で花屋や肉屋「ジャストミート」、豆腐屋「清水屋」に寄って買い物をしていると、たまこは商店街にバレンタインの「バ」の字もないことに気づく。
そして商店街の集会にて、「商店街をバレンタインで盛り上げたい」と提案した。商店街の人たちもすぐに賛成してくれて、それぞれ案を考え始める。
たまこは映画研究会に所属しているもち蔵に協力してもらい、商店街のCMを作る。
たまこのバレンタインで商店街を盛り上げる提案で、商店街はピンク色で飾られでバレンタインに染まり、盛り上がったのだった。

新学期と恋の季節

新学期、たまことかんなはA組、みどりはB組でクラスが分かれてしまう。もち蔵もB組で、たまこと違うクラスになってしまったと落ち込んでいた。
たまこは、バドミントン部の朝霧史織(あさぎり しおり)とも同じクラスになった。史織とは部活の時に活動場所が隣であるため顔見知りであり、たまこは史織と仲良くしたいと思っているが、いつも素っ気ない態度を取られてしまう。
ある日、史織が飛んでいて落ちてしまったデラを助けて、「たまや」まで送ってくれた。たまこは驚きながらも、史織が来てくれたことを喜び、歓迎する。
史織は、母の帰りが遅くなることと家のお風呂が故障したという連絡を受け、たまこたちと一緒に晩ご飯を食べてお風呂にも入った。そうしてたまこは史織と少し距離が縮まった気がしていた。
しかし次の日、挨拶すると史織は少し会釈してすぐどこかへ行ってしまう。たまこは仲良くなれたと思ったのは勘違いだったのかと少し落ち込むのだった。
実は史織は人と関わることが苦手で、素直に自分の気持ちを言えないのだった。そして一緒にご飯を食べた日のお礼や楽しかったという気持ちを伝えられないまま日が過ぎてしまう。

そんなある日、史織は放課後デラと出会い、たまこに自分の気持ちを伝えくれるように頼んだ。しかしデラに直接伝えるべきだと言われ、再び「たまや」へ行くこととなる。
そしてたまこと一緒に「星とピエロ」へ行き、コーヒーを飲んだ。たまこは、史織にもし自分やデラが迷惑をかけていたら言ってほしいと伝えた。冷たい態度をとったのにも関わらず、史織を気遣う言葉をかけてくれたたまこに、史織は意を決して本当の気持ちを話す。
部活の時にいつもたまこやみどり、かんなが楽しそうで羨ましいことや同じクラスになれて嬉しいこと、そして「たまや」で過ごした時間がすごく楽しかったことを伝えることができたのだった。こうしてたまこは史織の本当の気持ちを知ることができ、2人は友達になることができた。

5月、商店街ではお祭りが開催されて神輿も通るなど賑やかになり、餅屋も忙しくなる時期である。
あんこは学校で友達のかえでに、クラスメイトのもみじや竜也(たつや)、あんこの好きな相手である柚季(ゆずき)と一緒に博物館に行こうと誘われた。しかし約束の日は祭りの当日で、あんこは行くことができないのである。
最初は餅屋の手伝いのせいで友達と遊びに行くこともできず、「祭りなんて忙しいだけ」と不貞腐れていたが、たまこ達や雰囲気のおかげで最後には楽しむことができていた。
夕方、店の前で餅を売っているとクラスメイトの竜也と柚季が、みんなで買ったお土産を持って来てくれた。柚季に大きな声を出して餅を宣伝している姿を見られたあんこは、恥ずかしくて逃げ出してしまう。部屋のクローゼットに隠れ、たまこやみどり達が出てくるよう説得するがなかなか出てこなかった。柚季が部屋まで渡しに来てくれて、あんこに「あのね、これみんなで買ってきたんだ」と優しく声をかけた。ようやくあんこは出てくきて、照れながらもお土産を受け取ったのだった。

夏休みの新たな出会い

夏休みに入り、夏枯れのせいで商店街の人通りの少なさに、たまこは危機感を覚えていた。
商店街を盛り上げるため、お化け屋敷を開催することを企画する。みどりとかんなにも協力してもらい、うさ湯の倉庫を使ってお化け屋敷を作ることになった。
チラシを作って店に貼ったり、段ボールなどの資材を提供してもらったりといろんな人の協力を得て、高いクオリティのものが完成した。試しに入ってみたデラが非常に怖がったことで、通行人の興味を引くこともできた。
そうして開催当日には多くの人がやってきて、お化け屋敷は大盛況となる。
お化け屋敷を体験し終えた人たちが商店街で買い物をする姿を見たたまこたちは、成功を喜んだのだった。

お化け屋敷が成功に終わった翌日、デラの故郷から、王子のお付きで占い師でもあるチョイ・モチマッヅィという少女がやってきた。デラと連絡が取れなくなって心配している王子のために様子を見にきたのである。その日はたまこの家に泊まることになった。
チョイはだらしなく太ったデラを見て憤慨し、理由を尋ねる。チョイの怒りから逃れたいデラは、「たまや」で餅を散々食べさせられひどい仕打ちを受けていたのだと嘘をついた。そしてチョイはたまこを信用しなくなってしまう。しばらく冷たい態度を取るが、たまこや商店街の人たちの優しさに触れたことでデラの嘘に気づき、心を開いたのだった。
そして壊れていたデラの通信機能が回復するまで、たまこの家で暮らすことになった。

思い出の曲と文化祭

秋になり、10月10日のおもちの日が近づいていた。その日はもち蔵の誕生日でもあり、もち蔵はたまこから何かプレゼントがもらえないかと期待する。
おもちの日の当日、「たまや」と「大路屋」では餅つきが開催されてたくさんの人が集まり、大いに盛り上がった。
その日の夕方、豆大はふと、妻・ひなことの思い出を振り返っていた。そしてギターを弾きながら歌い始める。その歌を聞いたたまこは驚き、豆大を連れて「星とピエロ」へ向かった。とても慌てた様子のたまこが気になり、あんこやもち蔵達もついていく。
豆大が歌っていたのが、たまこがずっと探していた曲だったのである。たまこがマスターに事情を説明すると、マスターは「この曲だったのか」と言い、豆大がたまこの母のために豆大が作った曲だと教えてくれた。マスターと豆大は高校の先輩後輩で、バンドを組んでいたのだ。
探し求めた曲が判明し、たまこ達は家に帰ってきた。家の前でもち蔵と別れる直前、たまこはもち蔵を引き留め、餅で作った誕生日ケーキをプレゼントする。
もち蔵は嬉しさと感動のあまり泣きそうになるのだった。

秋は深まり、うさぎ山高校では文化祭が迫っていた。ステージ発表の順番決めで、バトン部は1番観客が入るゴールデンタイムに決まり、たまこ達に気合いが入る。
着々と衣装の制作が進む中、振り付けを任されたみどりは、アイデアが全く浮かばず苦戦していた。責任感でいっぱいいっぱいになって、ついにみどりは熱を出してしまう。
たまこたちがお見舞いにきたが、その時も何も思いついていないことは隠そうとしていた。しかしゴミ箱に大量のメモが捨ててあるのをかんなに見つけられ、振り付けが全然できていないことを伝え、泣いてしまう。みどりが悩んでいたことを知ったたまこ達は、改めて一緒に振り付けを考えることにした。そうして無事に衣装も振りも完成し、準備は整う。
本番では最後の演出としてデラを登場させて盛り上げ、大成功だった。
その夜、ステージの成功を喜んでいたたまこ達の元へチョイがやってきて、唐突にたまこが王子の妃だと告げる。

王子の訪問

たまこが王子の妃だとチョイから告げられた翌日、すでに商店街の人たちに広まっていた。
チョイ曰く、たまこは妃の証として、王子と同じ花の香りがして首元にほくろがあるという。さらに餅と深い縁もあり、チョイはたまこが妃で間違いないと思っていた。

たまこ自身は、何かの間違いだと否定し、妃になるつもりもなかった。しかし商店街の人たちは心配しつつも肯定的な様子であった。豆大やもち蔵もかなりショックを受けていたが、たまこが幸せになれる方を選んだらいいと伝えられる。
そんな様子を見て、「そんなに出ていってほしいのかー」とたまこは少し寂しい気持ちになるのだった。

そんな中、王子のメチャ・モチマッヅィが商店街に訪ねてくる。デラとチョイがお世話になっているからと挨拶をしにきたのだ。
挨拶が済むと、たまこはいつも通り学校へ登校し、王子は商店街の人たちに連れられてうさ湯へ向かう。学校から帰ると、商店街は店が閉まっており閑散としていた。その様子を見たたまこは、昔母が死んでしまった日のことを思い出してしまう。その日も同じように昼間から店が閉まっていたのだった。
そんなたまこを慰めつつ、デラはたまこの本当の気持ちを尋ねる。たまこは朝起きた時のあんこを炊く甘い匂いや商店街の人たちとの思い出を話した。そしてみんなのおかげで母がいなくても寂しくならずにすんだと言い、うさぎ山商店街で生まれて育って、心の底から良かったと語った。
話を聞いたデラは、王子にたまこを妃にするのはやめるように話しに行く。たまこもデラに続いて直接断りに向かった。
デラとたまこの必死な訴えを見ていたチョイは、本当はたまこが妃であるかどうかは占っていないのだと謝罪する。王子の妃となるのが、たまこのような人であったらいいという願いからの発言だったのだ。
さらに王子もたまこは妃ではないと言う。妃の証だと言われていたたまこ花の香りは、花屋でもらう花の香りであり、たまこ自身のものではなかったのだ。
こうしてたまこは妃ではないことが分かり、翌日に王子とチョイとデラは国に帰ることになる。

王子とチョイは国へ帰ったが、なぜかデラはまだ残っており、大晦日まではたまこの家にいるつもりであった。
そうしてあっという間に大晦日になり、「たまや」は相変わらず忙しい1日になった。たまことあんこが店で働いでいる間に、デラは豆大にだけ別れを告げて家を出る。
少ししてデラがいなくなったことに気づいたたまこは、商店街を探し回るが見つからなかった。もう行ってしまったのだと受け入れて、年越しそばを食べていると、みどり達が訪ねてくる。そこへたまこへの誕生日プレゼントを渡すためにもち蔵もやってきた。
たまこは大きな箱を渡され、その場で開けてみると、花とともにデラが一緒に入っていたのである。
実はデラはたまこの家を出てから花屋に寄り、王子の匂いのする花のそばで落ち着いて、そのまま寝てしまった。その花はもち蔵がたまこにあげるために用意されていたもので、デラがいることに気づかず一緒に箱に入れられたのだった。
もち蔵はたまこが好きな花をプレゼントしたつもりであったが、デラがいなくなってしまい悲しんでいたたまこにとっては思わぬサプライズとなったのである。

『たまこまーけっと』の登場人物・キャラクター

主要人物

北白川たまこ(きたしらかわ たまこ)

CV:洲崎綾
物語の主人公で、うさぎ山商店街にある「たまや」という餅屋の娘である。あんこという妹がいて、寝顔を見ながら「あんこ姫」と言うシーンがあり、かなり可愛がっている。誕生日は12月31日の大晦日だが、毎年の忙しさでみんなに忘れられがちである。
うさぎ山高校に通っており、バトン・トワリング部に所属している。
とにかく餅が大好きで、学校にもおやつとして持っていき、いつも季節に合わせた餅の試作を考えている。また、生まれ育った商店街のことも大好きで、盛り上げていくために色々なイベントを提案している。
明るく元気でとてもおおらかな性格をしており、社交的で誰とでも仲良くなる。またドジで天然なところもある愛されキャラ。人前で話す時は緊張してカタコトになってしまう。恋愛に関してはかなり鈍感で特に関心はなさそうであり、もち蔵の自分に対する気持ちやあんこに好きな人がいることに全く気づかない。

デラ・モチマッヅィ

CV:山崎たくみ
南の国から王家の使いとして、王子の妃となる女性を探すためにうさぎ山商店街にやってきた言葉を話せる鳥。外国から来たが、言語は日本語を喋っている。
さらに、実はただの鳥ではなく、映写機能や通信機能が備わっている。
少し上から目線な物言いをすることが多く、高飛車な自信家な性格をしている。人の心情を敏感に感じ取り、優しい言葉をかけたりアドバイスしたりするなど、気遣いのできる紳士でもある。
基本的に誰にで大きな態度で接するが、チョイにだけは頭が上がらない。
「たまや」の餅が大好きで、商店街に来た頃から食べ続けた結果、飛ぶのも一苦労なほどで丸々と太ってしまった。
太った体で飛ぶ練習をしているとき、力尽きて落ちてしまったところをたまこの同級生の史織に助けられ、一目惚れする。

北白川家

北白川あんこ(きたしらかわ あんこ)

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